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神と人の契約戦書 ~神話と共に人は生きる~  作者: 氷室莱那
第十一章 風は涼み 天は広がる
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第十一章ー➇

ワルキューレ・ツヴァイ「私たちワルキューレって戦闘の時傷を負いますが、アレどうやって治っているんですか?それに契約神や悪魔、天使たちも・・・」

それについては簡単ですよ。普通に人間と同じ治療で治ります。基本的には

ワルキューレ・ツヴァイ「基本的には?」

ええ。ただし敵の権能による呪いや欠損などは流石に医療系の権能ありきになりますが・・・・

ワルキューレ・ツヴァイ「ですよね~」

『HEAVEN』での報告を終えて、家についてひと眠りした僕は、約四時間後に目を覚まして学園へ行く準備をしている。

「それにしても義兄さん、眠そうですね?」

「仕方ないですよ、翠波様が帰宅されたのは今日の午前二時くらいみたいですから・・・・ あっフレイヤそのソーセージ取ってもらえますか?」

朝食を囲みながら、アリスとアルテミスが話している。

「はいこれ。『依頼』事態は昨日中には終わったのだけど、その後の黎芭への報告で色々あったみたいね?」

フレイヤはどうやら昨日の『依頼』の後に何があったか、少しは感づいているみたいだ。

「報告って・・・・ 『依頼』のたびに毎回行っているんですか?」

「報告が増えたのは、最近だよ。「暴走」に関する『依頼』が増えたから、調査するために報告してるだけだよ」

(そう、報告自体が増えたのは本当に最近だ。「暴走」に関する事件が増え始めてから関連している『依頼』が増え始めている。この数ヶ月で十件近く起きているのは何かの予兆と考えるべきだろうか?)


「義兄さん、何か考え事ですか?というか時間大丈夫ですか?」

アリスに言われて、壁にかかっている時計を見るといつも乗る電車が発車する30分目を指していた。

「うわ!!やばっ・・・ ごめん行ってくるね!!フレイヤごめん、食器洗っておいて!!」

「すいません、私も出ます。それでは・・・・」

そう言って、僕とアルテミスは朝食をかきこむように食べて家を出た。


♢♢♢♢♢

アルテミスの眷属である狼に乗って駅を目指す。

「アルテミス、これなら間に合うけど・・・・ 流石に誰かに見られないかなぁ!?」

速度があるため少し声を大きめにして話している。

「大丈夫ですよ。私の眷属は知能が高いのでちゃんと人が見えないようなところを走っていますよ。まぁ速度も合わせっていますが・・・・」

(それって、つまり見えないような速度で走っていることじゃないかなぁ!?)

頬を撫でる風の勢いに少しビビりながら、そのまま狼の背に乗って駅へ向かう。


狼の速さに疲労困憊になりながらも、何とか駅に着いた。

「およ?珍しいね、翠波が朝から疲労困憊になっているなんて」

蓮が「珍しいものを見た」という感じの顔でこっちを見ている。

「おはよう、蓮。まぁ昨日受けた『依頼』を夜中に動いたことで、少し寝不足なんだよね。それに朝にアルテミスの眷属の狼に乗ってきたからね・・・・」

それを聞くと、蓮は「ああ~」と納得した顔をしてそのまま改札へ向かう。

僕も続いて改札へ向かい、駅のホームへ降りる。

「それはお疲れ様。というか『依頼』の内容と顛末は聞いているけど、あたしも隣町の『依頼』を受けないのには賛成かなぁ。実際人数が本当に足りないんだよねぇ~、というか隣町の『機関』には解決した時変な顔をされたんでしょ?ならお前らがさっさと解決しろっての!!!!」


急に蓮がヒートアップして、声を荒げ始めた。

「大体!!「暴走」した契約者の強さ、能力に対抗できないもしくは自分たちでは被害を拡大させなくても捕縛できないってそれを自覚しているからこっちの『機関』は私たちと協力してるってに!!!!!!

頭おかしいんじゃねぇの!!!?こっちの『機関』以外の『機関』の捕鎖官は馬鹿かぁ!!!!?」

そのまま駅のホームで愚痴を声を荒げて少しキレ始めた。というか普通にそこまで言っちゃダメでは?ここ駅のホームなんだけどなぁ・・・・

「ストップ、ストップ!!蓮、少し落ち着いて流石にここでそこまで言うのは言い過ぎ」

「だね、流石にここで言うのはまずいかも・・・・ というか実はもう少しでやばいこと言いそうになったし・・・・」

はい!?よかったぁ、ほんとに止めて。いやほんとに・・・・


蓮をなだめて、電車に乗ろうとすると駅のホームでこんな声が聞こえた。

「ねぇ知ってる~ 半年前から少しずつ噂になっている「マントと仮面をつけたある二人組の契約者」の話。夜な夜などこか様子のおかしい契約者などを捕縛しているって話」

「知ってる知ってる。でもそれって眉唾物でしょ~?だって実際その姿を見た人っていないでしょ?」

「それはそうだけど・・・・ でも実際様子のおかしい契約者を倒したところを見た人がいるらしいよ」


電車に乗ってからさっき聞いた話について蓮と小声で話す。

「蓮聞こえた?」

「うん、聞こえた。まさか私たち『執行者』の話をしているなんてね・・・・」

そうあの話は確実に僕ら『執行者』の事を指している。自意識過剰と言われるかもしれないが、実際そうだ。

様子のおかしい契約者ー「暴走」契約者を捕縛できるのは今のところ僕ら『執行者』だけだ。それに僕たちが動く時間は基本的に夜。

故にさっきの話は僕らの事を話していることは確定だろう。


(でも何で急に噂になった?本来僕たちはあまり見られないように動いているはずなんだろうけど・・・・ どこかで見られていた?それでも・・・・)

「・・・波!!・・・波!!」

(だったら誰かが観ていたことが濃厚・・・・ でもいったい誰が・・・)

「翠波!!!」

顔をあげると蓮の顔が目の前に迫っていた。

「どうしたの蓮?」

「「どうしたの」じゃないって、急にしゃべらなくなったから声をかけただけ」

「ごめん、つい考えこんじゃって・・・」

「まぁ・・・いいけど。それよりも今日は普通の授業だよね?」

「そうだけど・・・・」

「なら今日は少し寝るね~ お休み~」

そう言って蓮は電車の椅子に座って寝始めた。

「はぁ~ 相変わらずなんだから」

蓮が寝ている間、僕は先ほどの話について再び考え始めた。

ワルキューレ・ツヴァイ「まさか、『執行者』の事がうわさ話になっているとは・・・」

まぁ当然っちゃ当然ですよね。夜な夜な戦闘が起きていて、そこに必ずいるんですから

ワルキューレ・ツヴァイ「まぁでもそこまでは広まって無さそうなので、まだ正体はバレなさそうですね」

分かりませんよ~ 急に何かの拍子でばれることってありますから・・・・

ワルキューレ・ツヴァイ「そうならないことを願うばかりですね」

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