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神と人の契約戦書 ~神話と共に人は生きる~  作者: 氷室莱那
第二章 学園でのディスカッション
18/202

第二章ー①

フレイヤが夕飯を作ってくれた日から一週間が過ぎた。『執行者』としての依頼も入ってこず、普通に表のバイトをこなしている。

学園生活でも、波乱はなく共通座学と神約科の授業をこなす毎日だ。


朝の通学の電車の中―

「それで?結局黎芭さんと蓮の見解はすり合わせできたの?」


「うん、できたよ。二人とも薬物の可能性が高いんじゃない?っていう結論に至ったよ」

やっぱり、二人もそこに結論づいたらしい。

「けど、翠波が思っているのとは少し違うよ」


「えっ?」

それはどういう意味だろう?


「私たち二人は結論として、古具によって作成された薬で引き起こされたものだと考えているよ」

なるほど、そっちの考えがあったか・・・

「黎芭さんも最初は薬だけっていう考えだったみたい、けれどそんなものを作れる神は限られてくるってメティスさんから言われて、じゃあ古具を使用したんじゃないかなって呟いたら「「それだ!!」」ってなって、今のところの結論になった」

そんな連想ゲームみたいにポンッと出てきていいのか?


「なるほど、そういうことだったんだ。それと『機関』から何か報告だったり連絡など来てない?」


「それは来てないよ。多分『機関』も少し手間取っているんじゃない?」

確かにそれはあり得る。実際、僕たちも目にするまで信じられなかった。しかも『捕鎖官』が一度捕まえたにもかかわらず、逃げている。だからこそ、余計慎重に調査をしているのだろう。

そう考えて、しかめっ面をしていると・・・

ぺしんっ 蓮が頭をはたいてきた


「いきなりどうしたの」


「いやぁ、なんかしかめっ面してたからつい・・ 学園につくまでにその顔直しときなよ」

そんなに、険しい表情になっていたのか・・・


「わかったよ・・」


♢♢♢♢♢

「おっす翠波、蓮」


「おはよう、彰少し眠そう?」


「おはよー彰。何、夜ふかし?」


「単純に魔使科特有の勉強について、復習してたら真夜中までかかっちまった」

相変わらず、真面目だ。それに、魔使科特有の勉強ということは、魔法についての勉強だろう。


「そういや、聞きたかったんだが神約科はどうなんだ?」


「どうとは?」


「授業の中身だよ、中身。神と契約した奴らの集まりだぜ?どんな授業しているか気になるじゃんか」


「いたって普通だよ、でも最初の授業の時いきなり模擬戦をしたよね翠波」

蓮が授業に関して答えた。


「したね、ペアを組んでペア同士の模擬戦。僕のペアは蓮だったので戦いやすかったよ」

翠波がそれに補足するようにさらに答える。


「いきなり模擬戦かよ!いいなぁ、俺らは最初から魔法についての理解を深めるための座学ばっかだぜ・・」

もしかしたら、彰もバトルジャンキーの一面があるのか・・・?

「俺も早く、戦いたいぜ・・・ まぁ、その話は終わりにしてなんか今学園内に面白い噂があるの知ってるか?」

噂?もしかして・・・ そう思って蓮に目を向けると、蓮もこっちに目を向けてきた。どうやら、考えることは同じらしい。


「その噂って?」

蓮が、返答する。その声は少し震えている。


「なんか、それぞれの科に分かれた初日にいきなり生徒会に目をかけられた奴らがいるらしい」


「「はい?」」

生徒会に目を付けられる?


「なんだよ、その顔。ぽかんとすんなよ」


「いや・・・なんか少し安堵したというか・・・」

「うん、拍子抜けというか・・・」

つい、気を引き締めてしまったのが馬鹿らしく感じてきた。


「それで、その生徒会っていうのはどんな集まりなのか知ってる?」

そう、生徒会といえば普通の学校のように生徒たちの自治のための集まりなのだが、この学園だ何かが違う気がする。


「お前ら知らないのかよ!?この学園の生徒会は、それぞれの科から目をかけられるのは例年一人らしいが、今回は同じ科から二人だぞ!それに、生徒会に所属している契約者はそれぞれの科の最強格に存在する人たちなんだ」


「詳しいね、彰。それで?どの科の生徒が二人選ばれたの?」

蓮はどの科から選ばれたのは、少し気になるらしい・・・ 今、ものすごくイイ笑顔をしている。戦いたい気持ちが顔に出ている。


「どうやら、お前らの所属する神約科から二人らしい」


「へぇ~そうなんだ!」


「何故、選ばれたのかの理由はわからないんだね」


「まぁ、ただの噂だからあまり気にしなくてもいいんじゃないか?それに、そろそろ授業始まるぜ」

そう言って、彰は時計を指さす。

キーンコーンカーンコーン 座学の始まりの鐘がなった。


「本当だ、席に戻るね。蓮、今日も座学寝ないように。ノート見せないからね」


「ちょっ!?それはマジ勘弁!」



キーンコーンカーンコーン

「今日の座学は、これまで」


「お昼だー!」

先ほどまで、頭に手をやりながら机に突っ伏していた蓮が、勢いよく頭をあげる。


「相変わらず、寝てたのか?」


「そんなわけないでしょ!今日は起きてたし、ノートもしっかり取ってたし!」


「うお!?マジか!?どうした、今日熱でもあんのか?」


「無いよ!私が本気を出せば、こんなものよ」

「というか、何であたしが真面目にしていると対象不良を疑うのよ!?」

フフーンと胸を張る。実は、ちょくちょく寝ていたのだが、そのたびに姿を消していたヘイムダルが起こしていたのだ。


《蓮よ、頼むから寝ないでくれ・・・起こすのは俺なのだ・・・》

《お疲れ様です、ヘイムダル・・・》ポンッ

なんだろう、アルテミスがヘイムダルの肩に手を置いている光景見えた。気のせいだと思いたい・・・


「翠波ー飯食べようぜー」


「いいよ、どこで食べますか?」


「今日学食に行かねぇ?実は、今日母さんが忙しくて弁当作れなくってな」

いつも彰は、母親の弁当を持ってきているのだが、今日に限って作れず代わりに学食代が渡されたらしい。


「僕は、別にいいですけど・・・蓮はどうです?」


「私も別に構わないよ、実は私も今日から学食にしようと思ってね・・」


「なんかあったのかよ?」


「単純だよ、金欠なんだわたし・・」

いつも、昼ご飯をコンビニで買っている蓮にとって金欠は厳しいものだろう。

この前、パンと紅茶を奢ってもらったけど今更ながら罪悪感が出てきた・・・


「なるほどな、この学園の学食は安いし美味いと評判だからな。いいんじゃないか?」


「なら、決まりだね」

全員一致で学食になったので、食堂に行くことにした。

今日から、第二章に入ります。基本的に学園内の話が増えてきます。

続々と新キャラも出てきますので、ご期待ください

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