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神と人の契約戦書 ~神話と共に人は生きる~  作者: 氷室莱那
第一章 新たなる神話の始まり
17/202

第一章-⑪

電車を降り、駅を出た僕と蓮は、コンビニに寄り品物を見ていた。

「それでー、買うものは決まったの~?」

蓮は、飽きたように僕に聞いてきた。


「うん、ごめんね。それじゃこのパンとこの飲み物、奢ってくれる?」

そう言って選んだのは、僕があまり食べなそうな紅茶と、おしゃれなパンだ。


「えっ? 翠波あんまりこういう系のやつ買わないじゃん」


「これらは、フレイヤへのお詫びというか・・・」

「ご機嫌取りなわけだ。わかった、買ったげる」(それ結構お値段するんだけど!?)

蓮は顔を引きつらせながら、レジに品物を持っていく。


「ありがとう、蓮」

「まぁ、これも約束だしね。私、約束は守る女だから」

(こりゃ、バイト代が入るまで少し我慢の日々だよ・・・ あぁー!『依頼』がどっさり入ってこないかなぁ!そうすれば、バイト代も報酬で跳ね上がるのにー!)

《それは、さすがに不謹慎ではないか蓮よ?『依頼』が入ってくる。つまりそれは平和ではないことを意味するのだぞ?》

《うっ、それはわかってるけど・・・》


「それじゃ、私はバイトに行くね。また明日」

「ああ、また明日。何か情報がわかったらまた連絡して」

「りょーかい、んじゃ」

そう言って二人は別れ、歩いて行った。


♢♢♢♢♢


「ただいまー」「ただいま帰りました、フレイヤ」

「おかえりなさい、義兄さん、アルテミスさん」

「アリス?もう帰ってたんだね」

出迎えたのは、フレイヤではなく、アリス。どうやら、先に帰っていたらしい。


「あれ?その手に持ってるのは・・・」

アリスが、翠波の手に持っているコンビニの袋に気付いたようだ。

「ああ、実は・・・」

「また、蓮さんと何か賭けでもしたんですか?」

普通に気づいてるし!

「まぁ、そんなところだよ。それより、フレイヤは今何してるの?」

「話を変えましたね・・・まぁ、何でそうなったか追々聞くとして・・・ フレイヤさんは今ワルキューレさんと一緒に料理を作っていますよ」

「へぇ~ ってフレイヤが料理!?今まで、「絶対ヤダ!」って頑なに断っていたフレイヤが!?」

一体どんな心境の変化だろう、想像がつかない。実際アルテミスも口を開けて、呆けている。よっぽどびっくりしているのだろう。

「驚くのはわかります、ですが現実なので楽しみに待ちましょう」


玄関からリビングに行くと・・・ 緑色のシンプルなエプロンを着ているフレイヤがいた。


「おかえり~ 翠波君、アルテミス。アリスちゃんから聞いてると思うけど、夜ご飯は私が作るからちょっと待っててね~ ワルキューレ!手伝って!」

ほんとに、料理を作ってる・・・ というかエプロンが似合っている。


「これは、すごい量の夕飯が出てきそうですね・・・」


「まぁ、いいんじゃないかな。それに今日は疲れただろう?」

昼から、急に模擬戦があったから正直おなかがものすごく減っている。


「それで、義兄さん、今日学園で何かあったんですか?」


「ご飯の時にしっかり話すよ」


「わかりました。どうやら、もう完成したようですね」


「ご飯できたよ~ フレイヤ特製のローストチキンとコンソメスープだよ~」

そこには、とてもいい焼き加減で焼かれたローストチキンと、しっかり煮込まれたコンソメスープが出てきた。


「これを、本当にフレイヤが作ったのですか!?」


「そうよ~ ところどころヴァルキリーに手伝ってもらいながらだけど、ほとんど私が作ったわよ~」

フレイヤに、こんな才能があったなんて・・・


「さぁ冷めないうちに食べましょう~?」


「そうですね、ホルス一緒に食べましょう」

アリスは、部屋の止まり木に止まっているホルスを呼びだした。


「わかりました、お嬢」


「みんな揃ったね?それじゃ、いただきます」

「「「「いただきます」」」」


「まずは、ローストチキンから・・・」

パクッ・・・

「美味しい!美味しいよ、フレイヤ!」


「ええ、本当に美味しいですよフレイヤさん」


「皮はパリパリ、お肉はジューシーよく作れましたね・・・」


「次は、スープの方を・・・」

ずずっずずっ

「これも、美味しいよ。しっかり野菜の甘みが出ている」


「そうですね、それに気をてらずシンプルに仕上げている。お見事ですフレイヤ嬢」


「良かった~ やったわね、ワルキューレ」

( ´∀`)bグッ! ワルキューレさんもサムズアップをして嬉しそうだ。


「ローストチキンとスープもまだまだあるから、おかわりしてね~」


フレイヤの料理に舌鼓をうちながら食べていると、アリスが・・・

「義兄さん、学園で今日何があったか話してくれませんか?」

そんなことを聞いてきた。


「わかったよ、ご飯の時に話すって約束だしね」

「実は、今日がそれぞれの科での顔合わせでね、神約科に行ったんだけど・・・」

「行ったんだけど・・?」

「自己紹介もなしに、いきなり二対二の模擬戦をしてね・・」

「えっ?いきなりですか?」

「うん、いきなり。幸いペアは隣にいる人物って指定があったからよかったけどね。隣が蓮だったし」

「それは、幸いというか・・・ 他の人達はドンマイというか・・・」


それを聞いていたフレイヤが

「結局、模擬戦は勝ったの?負けたの?」

「勝ったよ。さすがに、戦闘経験があまりない神約者に負けるわけにはいかないよ。『執行者』としてね」

「そうよね~」

そう言っているが、フレイヤの目は、「負けてたら恥ずかしいよね?」と訴えてた。その目は、アルテミスにも向けていた。


「それじゃあ、そのコンビニの袋は?」


「蓮との賭けに買ったから、蓮に買ってもらったもの。最近フレイヤがほしいって言っていたパンと紅茶」

この二つを買うときに、蓮の表情引きつってたな~


「あら~覚えていてくれたのね。嬉しいわ、翠波君」

喜んでくれるのなら、何よりだ。

その後は、他愛もない話をして夕食を食べ終わり・・・

「ごちそうさまでした」

「「「「ごちそうさまでした」」」」


「片付けもやっておくわね~」「手伝いますよ、フレイヤ」

フレイヤとアルテミスは一緒に洗い物をしている。


「アリス、父さんと母さんから何か来た?」


「義兄さんが帰ってくる前に、手紙が届きまして、お二人とも今は、GDAにいるそうです」


「相変わらず、海外諸国を飛び回ってるね・・・ まぁ、らしいと言えばらしいけど」


「二人とも、強い神約者と契天者ですし大丈夫ですよ」

「そろそろ、お風呂に入って自分の部屋に行きますね。おやすみなさい、義兄さん」

パジャマを持って、お風呂場に向かう。


「うん、おやすみアリス」


「翠波君~ アリスちゃんは?」

「お風呂に行って、自分の部屋に行くって」

「アリスちゃんに、この前のこと伝えないでいいの?」

「巻き込むわけにはいかないよ。それに、まだアリスは戦闘経験があまりないから」

「そうだったわね~ なら仕方ないわね」

そう、この事件は僕たち『執行者』と『機関』で終わらせなくちゃ行けない。そう僕は決意した。

次の話から、第二章になります。

それと、食事シーンでホルスとアルテミスが話していませんでしたが、この二人は食事中は静かに食べることが好きなので、これからの食事シーンでもあまり話しません。

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