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神と人の契約戦書 ~神話と共に人は生きる~  作者: 氷室莱那
第五章 暗き闇が蠢き 天空は狂う
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第五章ー⑳

今回で第五章は終了です!!

最後の最後で「敵」が少しだけ登場しますので!!

『依頼』を終えた後、僕たちは『HEAVEN』に戻り解散した次の日にまた集まった。

「昨日はお疲れ様。二人ともけがはない?」

「けがはないけど、流石に疲れたよ~ 初めてヘイムダルの権能を自分自身で使ったから、昨日寝るとき気絶するように寝ちゃったってヘイムダルから聞いた」

なんかものすごい爆弾発言を蓮がした。

「き、気絶するように眠ったって本当なの!?ヘイムダルさん!!」

黎芭さんが蓮の後ろに控えていたヘイムダルさんにその時の状況を聞く。

「ん?ああ本当だ。というか、当たり前だろう。いくら人の身で使えるように調整されるとは言っても、神の『権能』それも『世界』そのものに干渉して『観る』権能だぞ。情報量が普通ではないに決まっているだろう」

「それに、初めて使用したというのも大きい。故に知恵熱が起きて、家に帰ると同時に気絶したように眠ったのだ」

その言葉に同調するように、蓮は「うんうん」とうなずいている。

「それなら、良いんだけど・・・・ 翠波君は大丈夫?怪我とかない?」

「特には・・・ ああでも、昨日の戦闘で受けた蹴りを腕で防いだ時そこそこ痺れましたね・・・ 今はもう大丈夫ですけど・・・」

「あ、そっちも戦闘あったんだ・・・」

蓮が今聞き捨てならないことをボソッと呟いた。


「「そっちも」ってどういうこと?」

蓮に問いただす。

「黎芭さんやメティスさん、フレイヤさんのポイントでも戦闘が起きたんだよ。それも黎芭さんのところに関しては、翠波と同じような黒い天使に・・・ね」

そうだったのか・・・ アルテミスから家に帰ったとき軽くは聞いていたけれど・・・

「あのそれでなんだけど・・・ たぶん翠波君も、黒い天使の残骸とかを確保してると思うんだけど渡してくれない?『機関』で調査してもらうようにこちらから依頼するから・・・・」

「わかりました。ですが、今日持って来ていないのでまた後日でも構いませんか?」

流石にボロボロの鎧を持って来てはいない。

「了解。持ってきたら、私から『機関』の方に依頼を出しておくね」

「お願いします」


「というか、今回の『依頼』は奇妙だったね」

蓮が何かに気付いたのか、『依頼』について言及する。

「ほう、奇妙とな?どういうことじゃ?」

メティスさんが気になったのか、蓮に先を促す。

「奇妙と言っても、あくまで私の感覚なのであんまり深掘りしないでほしいんですが・・・ 今回の『依頼』のおかしな点は二つ」

蓮が僕たちにわかるように、指を二本立てる。

「一つは『依頼目標』が現地に行くまで不明だったこと」

「それは、仕方ないんじゃないかしら。だって被害者が何人もいたのよ?それに、『機関』も被害者から目標の容姿や特徴を何も聞いていない。いわゆる手掛かりなしよ、その状態で目標を設定しろはさすがに『機関』でも苦じゃないかしら?」

フレイヤがそれにツッコミを入れるが・・・

「それでも、なんですよ。今までの『依頼』では目標が決められていました、それは『機関』が先に目標に接触出来ているからです。であるなら、今回の目標にも接触出来ているはずなんでですよ」

それを聞いて、全員が「確かに・・・・」と思ってしまう。

「とはいっても別に『機関』は疑っていないよ?確かに、目標を決められていないのはおかしいけれど奇妙さに拍車をかけたのは、もう一つの理由が原因だから・・・」

蓮が声色を少し低くする。


「もう一つというのは?」

「敵が確保できなかったことですよ。それは黎芭さんや翠波の方がよく知ってるんじゃないの?」

そう言って、こっちに目を向けてくる。

「まぁ・・・そうだよね。本来は行動不能にした後、捕縛して『機関』の捕鎖官に引き渡すんだけど・・・」

「うん、今回の敵は跡形もなく消滅した・・・ それは本来あり得ないんだよね」

「まぁ、二人が言ってくれたので私が言うことはないんですが・・・ そういうことです」

「でも、それが原因とは・・・」

その話を聞いたうえで、アルテミスが違うのではないと思い反論するが・・・

「それにフレイヤさんの方では、敵は設置型の古具から出現したそうです。設置型の古具は使用者があらかじめ契約魂を注いでおかなければ発動しません。この時点でおかしいんですよ」

これが決め手となって、今回の『依頼』についての不信感が現れる。


「もしかして・・・ 裏に『何者』もしくは『どこかの組織』が今回の糸を引いている?」

黎芭さんが何かに気付いたようにつぶやく。

「それは僕も考えていました。今回敵が纏っていた鎧は古具の気配がしませんでした。それに黒天使はワルキューレ・ドライから家に帰って後に聞きましたが、まともな天使の気配がなかったとのこと」

「ということは、確実に組織ぐるみでの動きだね。『機関』にも報告しておく?」

黎芭さんが提案してくるが・・・

「それは良いじゃろう。まだ、確実性のない情報を『機関』に渡しても混乱を招くだけじゃ」

メティスさんがやめるように言う。

「ですね。それにまだ正体を掴めていないので、こちらからも動きようがありませんけどね・・・」

そう締めくくって、僕らは『HEAVEN』のカフェスペースでティータイムを始めた。


♢♢♢♢♢

ある場所にて暗闇の中、男が二人話していた。

「天使の影とあの古具を破壊された・・・・」

「ほう・・・ ということは『機関』の奴らによるものか?」

「否・・ 最近になって現れた奴らの手によるものみたいだ。正体はいまだ分からぬ」

「だが、いずれも殺すだけだ・・・そうだろう?」

「ああ・・・」


「そろそろ出て来いよお二人さん」

話している二人以外の男の声が聞こえる。

「なんだ、貴様か・・・」

「「なんだ」じゃねぇよ。そろそろ次の作戦を考えるようだぜ、まぁ狙いは多分今回と変わらないだろうがな・・・」

「ふん、ならいい。それに次は我々の出番ではない、我々が言っても意味がないだろう」

「はぁ~ まぁいいさ。だが、邪魔はするなよ?」

「わかっているさ・・・ 全ては我が組織のために・・・・」

はいどうも作者です。

第五章終了!!次の章から第六章に入ります。

此処から最後に登場した「組織」が本格的に動き出します。

とは言っても、その前に古具設定を更新ですが・・・・


それでは次回もお楽しみに!!!

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