5カイザー
「ねぇリーリエ。これ、なんの匂い?」
ちょっと露骨だったかなぁ。でもなぁ。
おそらくムサム王国と思われる匂いを纏ってんのは気に入らないんだよなぁ。
我が国の特産バニラの香りを2人で使わなきゃ周りへの牽制にらな無いだろ?
「別に殿下には関係ないことなので……。」
殿下ね。殿下。怒ってんなぁ〜。
でもリーリエだけには対等な関係でいたいから絶対名前で呼んで欲しいんだよなぁ。
「リーリエ、なんで殿下って呼ぶの?名前は?
あとさ、俺が分からないとでも思ってるわけ?ねぇ、リーリエやり直して?」
カイザーって呼んでくれたら今回のことは許そう。
よし。別に親交を深めるためにやったことだろうし。
「…殿下もお疲れのようですし、今日はもうお眠りになったら?」
殿下呼びに加えて出ていけか、、。
やばい。久々にリーリエに無下にされて泣きそう。
絶対泣きたくないのにリーリエの事になるとほんとだめなんだな俺って。ほんとにダサすぎ。
「リーリエ、呼び方。やり直して。」
「はぁ。ムスカリの匂いだね。おそらく名産国で今回初参加のムサム王国からの贈り物じゃないかな。ねぇリーリエこっち向いて?」
ごめん。悪かったて。だからこっち向いて?
あぁもうダメだ。酔いも回ってきたし頭働かなくなってきた。酒には頼りたくなかったんだけどなぁ。
「足、バタバタしないで。」
うわぁ、軽っ。ほっそ。やばい。こんな細くて大丈夫か?
てか酒の力だとこんなにあっさりお姫様抱っこできるなんて俺ほんとに情けないな……。
「リーリエ、他の国の男の匂いを付けて俺の事煽ってる?リーリエはそんなこと思わないかもしれないけど男にとって匂いって1種のマーキングなんだよ?わかってる?」
匂いでマーキングしてる奴はあんまいないだろうけどまぁいいか。リーリエも少しガードがゆるすぎるし。
君は僕の大切な人だから絶対誰にも手を出させないよ。
この技を使う日がまさかくるとは……
(キスマは独占欲の証なのよ。)金髪の娼婦が笑いながら教えてくれたのを思い出す。
なるほど。独占欲の誇示か、悪くないな。
あぁーーーーーーー。本当に可愛いやばいこのままいくと最後まで行きそうだ。ヨシッ。、ネヨウ。もう寝る。
「お望み通り今日はもう寝てあげる。」
あぁやばい。溶ける。
俺は完全に夢の世界へと突入してしまった。