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2(カイザー視点)

やはり今回マークしておかないといけないのはリエル王子だな。

ほら、見ろリーリエの挨拶中もリーリエのことしか見ていない。

やはりリーリエは部屋に隠しておくべきだよなぁ。声まで可愛いとか天才かよ、


そう思っているとリーリエの挨拶が終わり俺の番がやってきた。

「各国の未来を担う貴き者達、本日はお集まり頂き誠に感謝申し上げる。

本日は妻のリーリエが主催した宴をどうぞゆっくり楽しんでいってくれ。」

よし、妻って言ったぞ。

妻アピール成功だ。今回は初めて参加する国々も多いから婚約関係ではなくしっかりと婚姻関係と示すことが大切なのだ。


「よォカイザー元気にしてたか?19でもう婚姻してるなんてこの時代お2人だけだぞ?早すぎな笑笑」

こいつは隣国の第3王子で高等部の時1年間俺たちの学園へ留学をしていたシグム王子。

こいつには完全に俺の心読まれるんだよなぁ

「そりぁそうか、学園であんなに沢山の貴族がリーリエ嬢に熱い視線送ってれば王子様だって不安にもなるよなぁ?」

ほら見ろ、俺が急いで結婚した理由をもう当ててきやがった。

「そんなんじゃねぇから。」

「そんなこと言ってるからリーリエ嬢にだけポンコツ発動するんだろ。」

こいつ、リーリエが俺の弱点と知ってて突いてきてるな。

「もう、リーリエはいいから。そっちはどうなの最近。」

無理やり話をそらそうとした

「リーリエ嬢今結構ピンチだけど話逸らしていいの?」

逸らせなかった。

は?何言ってんの?ピンチ?

振り返るとリエル王子にリーリエが腰を掴まれていた。

「ほぉらね。油断するからァ」

悪友はそう言って俺のそばを離れていった。

油断した。くそっ、初っ端からマークしてたはずなのについ、友人との話に盛りあがってしまった。

おい、リーリエに触んな。お前が触っていい存在じゃねぇんだよ。

くそっ、なんで今日に限って帯刀してねぇんだよ。

てか、リーリエも何幸せそうに笑ってんの?ねぇ、え?なんでエスコート始めた?

……。もしや、これ踊る?

てか、リエル王子の国の文化的にそれってやばいだろ。

考えろ。考えるんだ最近リエル王子の国情を

思い出せ。

あっ、あれがあるな。おそらくどの国もまだ手に入れてない情報のはず、


「あの。リエル王子申し訳ない鉱山の件で話があるのだが、妻ではなく私の相手をして頂きたく思っている。私でよければ貴殿とダンスだって踊ろう。」

リエル王子の瞳が少し輝いた気がした。

よしっ、ビンゴっ!!!!

あとはリーリエをこの場から退場させよう。

この合図で気づくか、気づけっ。

よし、おそらく部屋へ戻って行っただろう。


リエル王子との鉱山の商談は上手くいっていた。

「カイザー楽しかったよ。ありがとう。

では、私はリーリエ妃と踊らせて頂こうかな。」

何を言い出したんだこいつは。

俺はリーリエの旦那だぞ?ファーストダンスに重要な意味を持つ国の王子が他国の王子の妻を誘うなんて…

え?リーリエ帰ってなかったのか?



「リーリエもう部屋に戻れ。あとは俺がやるから。」なんで部屋に戻らなかった?

お願いだ。ほら足だって痛そうだし。

君が怪我したらどうするんだよ。

「…わかったわ。もう部屋に戻る。」

なんでそんな悲しそうな顔をするんだ?

もしかしてリエル王子と踊りたいとか?

「リーリエ?怒ってる?そんなにリエル王子と踊りたかった?」

もう返事なんて聞きたくない、

予想した答えが返ってきたら俺はきっと死ぬ

「いいえ、違うの。少し踊りたかっただけ。」

え、誰と?俺と?…なわけないか。

さっきまた不貞を疑われたんだ。怒ってるよな。でも、リエル王子とは踊ることは許せない。

「その靴で?履きにくそうだよ?足を悪くしたらダメだから今日は帰りな?ね?」

いつも彼女の前になると俺は無力だ。

どんだけ女性に接し方を教わったって実行出来ない。

さっき教わった横抱き=お姫様抱っこというものを実行しようとしたがまたあっさり回避されて終わった。


それからリーリエがいなくなったパーティーは何も楽しくなんかなかった。





ご愛読ありがとうございます

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