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リーリエ

もうっ!カイザーたらなぜそこまで私がリプトスへ帰るのを嫌がるのかしら。


確か昔も嫌がったのよね。


それは4年前私たちが15歳だった頃。

その頃はカイザーがほとんど話してくれなくて、

顔も全然見てくれなくて、きっと私のことはもう好きでは無いんだろう……と思っていた時期だった。

きっとお父様はそんな私たちの状況を見かねて私へリプトスへ戻ってくるように命じた。

カイザーのことは好きだった。本当に、大好きった。

それでも、私とは全く顔を合わせて話してくれないのに、ほかのご令嬢よ皆様とは楽しそうに毎月お茶会を開いていて少し憎くもあった。

だから私は易々とお父様の命令を受け入れてしまったのだっけ。


そうそう、あの時確か初めて手作りのお菓子を渡したのよね。

貴族の皆様の間で流行っていたやつよね。

手作りのお菓子を恋人に渡すと渡された相手はそのお菓子を見る度に自分を思い出すとかいう……今思えば呪いだわ。

それでもカイザーに私を忘れて欲しくなくて勇気をだして私に行ったのよね。

結局その時の返答も「あぁ」とか「うん」とかしか言わずによくこの人お茶会なんて参加できるわね。と思ったけど今思えばあれって私にだけ素っ気ない態度だったのよね。

たしか、素っ気ない態度ばかり取られたからその時リプトスへ行くのを決意したんだっけ。

リプトスへ行くって言ったら

「行かないで。」って言われて。少し嬉しかったのよね。

もしかしたら彼が私のことを好きなんじゃないかって思ったから。

カイザーには1年後に帰ってくるって言っていたけどお父様には帰ってこいって言われてたからあの日がカイザーの婚約者として最後の日になるはずだったのよね。

嬉しかったな、本当に、最後の最後だったけど彼にとって少しはそばにいて欲しい人間になれたんだとか思ったのよね。

あぁ若かったわね、

そう思うとさっきは少し言いすぎてしまったかしら、

そくね。少し言いすぎてしまったわね。

謝りに行きましょう。


コンコン……「あのっ、カイザー?入ってもいいかしら。」

「……ダメ。」

「さっきはごめんなさい。」

「…じゃあもうリプトスへは行かないのか?」

「リプトスには行くわ。」

何故そこまで私がリプトスへ行くのを嫌がるのかは分からないけど、今回は私が悪かったと思う。

なぜなら私は前回カイザーに1年で帰ってくると言って帰ってくるつもりは全くなかったから。

「カイザー、顔を見て話したいの。入ってもいいかしら。」

「……」返事がなかったけど中に入ってしまった。

そしたらそこにはベッドに俯いて腰掛けているカイザーがいた。

普段は体格がよく身長もかなり高いがなんだか不貞腐した子供のように小さくなっていて少し可愛いと思ってしまった。

「カイザー。今回は必ず帰ってくるわ。ね?」

座っているカイザーの前に立ち手を握るとカイザーが見上げてきた。普段は見上げてるから見上げられるなんて珍しいなと思っていたら、なんだかカイザーの目が赤いきがする。

「カイザー、もしかして泣いたの?」

泣くほどのことだったかしら?

リプトスがそんなに嫌いだったなんて知らなかったわ。

「いや、別に泣いてない。でも君がもう帰って来ないかもしれないと思うと、、、。」

「大丈夫よ。たった1週間行ってくるだけじゃない。」

「君は1年で帰ってくると言っておきながら帰ってこなかったじゃないか。」

……確かに、それを言われてしまえばおしまいよね。

「どうしてもダメなら俺も一緒に行こう。」

何故そこまでして私にこだわるのかしら。

女性なら離宮にたくさんの側室たちがいる訳だし……

「お父様に怒られても知らないわよ?」

「他国の王が参列したらカトレア嬢の婚姻にも泊がつくだろ?怒られやしないさ。」

「もぅ。私はとめたからね?」

そう言って部屋を去ろうとすると、

「待って。」

と言われ急に背後から抱きつかれた。

首筋に顔を埋められたかと思ったらこの前と同じチクッとした痛みが首筋を走った。

今度はわかる。これはきっと毒では無い。

首筋を吸われているのだ。

どうしましょう。頭が沸騰しそう。

そう思ったら次の瞬間私は倒れてしまった。

いわゆる限界突破と呼ばれるやつですね。

お恥ずかしい……。それから私の記憶は無いが目覚めたのはカイザーのベットでこの前と同じくカイザーに抱きしめられた状態だった。


私の生きがいはキュンなんですが、

上級なキュンをのことを最上キュンと呼んでいます。

皆さんに最上きゅんをお届けできるよう頑張ります。

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