表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/31

ラダム

「なんだってぇええっ!!!!」

「落ち着いてください。王太子殿下。」

「リーリエが、リーリエがリプトスへ帰るだって?」

「はい。先程からそのように申し上げております。」

「分かった。俺も行く」

「なりません。まず殿下は先日の交流会でために溜めた仕事を終わらせてください。」

はぁ。なぜこの王太子はリーリエ妃がいない所ではこんなに正直になれるのでしょうか。

「いいや。必ず俺も着いていくからな。仕事を終わらせればいいのだろ?」

「仕事を終わらせたとしても殿下は行くことができません。」

「なぜだっ!?お前はリーリエが居なくなってもいいと言うのか?!」

「いなくなると言ってもたった数日でございます。」

「そんなわけないだろっ」


コンコン「カイザー入ってもいいかしら?」

あぁ我が国の女神はこんな時にでも舞い降りてくださるのか。

リーリエの登場でカイザー殿下も少しは落ち着くだろう。

ビューーンン

「リーリエどういうことだ?リプトスへ帰るだって?」

なんという速さ。さすが、王太子ではなかったら英雄だったであろうと呼ばれている鬼才だ。

「え、え?えぇ。そうよ?」

「なぜだ?俺が何かしたのか?」

こんなに殿下が取り乱すのも珍しい。

それもリーリエ妃の前でなんて何があったのでしょうか。

「なぜってそりゃあ、お父様から連絡が「リアプール公爵からの命令だって!?!?」

リアプール公爵の名前を出すと1週間は食事を取らなくなるので出さなかったのに、女神様やってくれましたね。

「え、えぇお父様がカイザー殿下は忙しいだろうから一人で来なさいって……」

リーリエ妃その発言はトドメのパンチでございます。

この状況でリーリエ妃のお姉様でいらっしゃるカトレア様がご結婚なさるからリプトスへ戻るなんて言ってしまったらお二人の関係は進まないでしょうし、ここは一旦泳がせますかね。

私も伊達に歳をとっているわけではございませんので恋愛なんて朝飯前でございます。

「リーリエ!行かないでくれっ!」

「行かないでくれですって!?なぜ?なんでそのようなことを言うのかしらっ!?貴方には心ってものがないの?」

「じゃあ約束してくれ幼なじみのあの男とは絶対会うなっ!」

「会う会わないは私の自由でしょ?!なぜあなたにそこまで管理されなくてはならないの?しかもあの男では無いわ。名前がちゃんとあるもの。」

……おやおや。ちゃんと結婚式だと伝えるべきでしたね。

喧嘩になってしまいました。

恋愛は朝飯前だと思っておりましたが私王室の文官になって数十年この身を全て国に捧げて参りましたから独身であったのを忘れておりました。

「もう、カイザーなんて知りません。1人でずっとそうやって怒っていればいいのよっ。」

ガタンっ

「……どうすればいいんだよ。リーリエぇ。」

何事も練習すればいい上手くいってしまうためほとんど挫折をしたことがない殿下でございますが、恋愛に関しましてはかなり苦労をされています。


「カイザー殿下。申し遅れましたがリーリエ妃はお姉様でいらっしゃるカトレア様の結婚式にご出席するために帰国なさるだけでございます。決して殿下が心配しているような事では無いはずでございますよ。」

「もういい、今日はもう休む。」

はぁ。これだから坊ちゃんは困りますね。

大人びて見えてもまだまだ多感な19歳ですから本日くらいは大目に見て差し上げましょう。


評価、ブックマーク、コメントどんなものでも構いません。

誰かが見ていてくれているということが励みになります。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ