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12リエル

今日が最終日。

どうしてもリーリエ妃を連れて帰らなくてはならない。

我が国の慣習上略奪結婚をした王はどんなことにも打ち勝てるという伝統がある。

略奪した相手の権威が強ければ強いほど王としての威厳が高まるのだ。

私は現在王位継承第1位ではあるが、3つ下の弟の方が学問も剣術もそして政治力も優れており私が王位を継ぐことは難しい状況だ。

私が王位を継ぐために残された道はただ1つ今回開かれる親睦会で大国の姫君を略奪することのみ。

今回は開催会場がオレティのためとても運がいい。

噂によるとカイザー殿下とリーリエ妃はほとんど破局状態だとか、白い結婚のままだとか。先進大国オレティの姫君を略奪すれば私の立場は安泰であろう。

それに、リーリエ嬢は珍しい黒髪にとろける蜂蜜のような金色の目を持ち、気高い猫のような端正な顔立ちでありそれに加え魅力的な身体色白の肌。悪くない。心底悪くない。

必ずやリーリエ妃を我が国へ持ち帰らねば。


(カイザー王太子殿下、リーリエ王太子妃殿下ご入場致します。)

来る。よし。


「まぁ。お2人で赤の布地にに黒色の刺繍なんて、リーリエ様は心底カイザー殿下に愛されているのね。」

「あらほんと、あの噂は嘘だったみたいね、」

「本当にそのようね。憧れるわ。」


なんて話がそこらじゅうで聞こえてくる。

何故、赤と黒?

あぁなるほどな。リーリエ妃の髪色が黒とは知っていたが興味が無さすぎてカイザー殿下の瞳が赤色だとは知らなかった。

オレティとはうちの国で最近発見した鉱山の件で提携を取れたしこのままリーリエ妃を連れて帰れば俺は大手柄だな。

音楽が始まった。


「あらぁ2人とも天から舞い降りたようですわね。」

「えぇ。うっとりしてしまいますわ」

「私達もどなたかと踊りましょう、」


「すみません、私と踊ってくださって?」

どこの誰だかわからんがどっかの国の姫君だろう。

仕方がない。踊ってやるか、

「かまわん、」

相手の姫君はダンスが心底下手であった、

長い長い1曲が終わりすぐにリーリエ妃の元へ駆けつけた。


「リーリエ嬢もし良ければ私と踊っては頂けませんか?」

断れないはずだ。

「えぇもちろんです。」


2曲目が始まった。

彼女の腰は薄く細くとても華奢だった。

私がこれからは守ってあげますからね。

あんなへぼそうな王太子より私の方が貴女にはお似合いです。

天使のように舞っていたはずの彼女は急に足取りが重そうで心配になってしまった。

「私に身を任せても大丈夫ですよ。」こういう時は安心させるのが大切だと思っているので年上らしく頼もしさを演出した。

たどたどしくはあったが2曲目が終わったあと計画通りにお酒を勧めた。

彼女はこの親睦会でスパークリングしか口にしないことは調べてあった。おそらくアルコールが弱いはずだ。

毒や睡眠薬を使ってしまえば国際問題に発展するがただ酒を飲んだだけならそこまではいかないだろう。

「あ、私お酒は…」

「いいから、いいから。ほら、」

「でもうちの国の法「仕方ないなぁ。俺が口移ししてやるよ。」」

口に少し強めのワインを含み彼女の口へ無理やり押し込んだ時俺の視界は真っ暗闇になった。

それからの記憶はほとんどない。



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