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12リーリエ

各国の次世代を担う王子、姫君方を招待し親睦を深める1週間のパーティもようやく最後のひとつとなった。


今回の親睦会で不信な点はただ1つ初日のパーティからずっとカイザーが尋ねてくることだ。

一緒に寝ることを拒んだら髪を上げて何故か首元を確認すると大人しく部屋を出ていく。


「リーリエ様。本日の送別パーティが今回の親睦会で最後でございますがお召し物はどうなさいますか?」

アンナが衣装部屋から声を張り上げて尋ねてきたのをきっかけに私はカイザーの不信な行動から急に現実に戻されました。

「そうねぇ。予定ではこの赤のドレスを着る予定だったのだけど…これかなり胸元が空いているのよねぇ。」

またカイザーにとやかく言われるのは嫌だしなぁ。

でもすごく趣味にあってて素敵なのよねぇ。

「カイザー殿下が贈ってくださったものですし大丈夫だと思いますよ。」

さすがアンナ私の表情を察してフォローをいれてくれたのだわ。

「…そう、よね。そうよ、これはカイザーが送ってきたのだからいいの!これで行きましょう!」


――――――――――――――――――――――――――

(カイザー王太子殿下、リーリエ王太子妃殿下ご入場致します。)


「すごく似合っている。」

カイザーが差し出してきた腕へ手を掛け2人で入場をした。


大広間まで歩くと溢れんばかりの拍手がなりやみ私たち二人はお辞儀をした。


静まったホールに優雅な音楽が始まる。

親睦会最終日は必ず大ダンスパーティーとき待っているのです。

1週間互いに仲を深めた相手と最後心置きなく踊る。それが伝統でありしきたりであるのです。

初日の申し訳なさ程度に用意されたダンス曲とは違い、

かつて我が国オレティで王室名誉賞を受賞された音楽家たちにより書き上げられた楽曲50曲が演奏され参加者全員と踊ることが目的とされています。


気がつくとカイザーが私にひざまつき手を伸ばしてきた。

「リーリエ。私と踊ってくださいますか?」

形式的な行為だとは分かってはいますわ。

分かってはいるけど、この親睦会で私たち二人も親睦を深めたせいか何故か胸がときめいてしまうのです、

「えぇ。もちろん。喜んで。」

気がついたらそう返事をしていた。

決まり事だからではなく本心からその言葉が出たのです。


彼のエスコートはいつもいつも本当に上手でまるで背中に羽が変えたかのように優雅で幸せな時間なのです。

私たちに続いて多くの国の方々がダンスを踊り始めた。

1曲終わる頃には会場にいたほとんどの王子、姫君達が手を取り合い1週間の一時を思い返していた。


「リーリエ。あのさ……次のきょ「リーリエ嬢もし良ければ私と踊っては頂けませんか?」

カイザーが何かを言いかけたと同時に後ろからリエル王子が話しかけてきた。

客を招いた側として断る訳にはいかない。

「えぇもちろんです。」

差し出された腕へ手を乗せると歩幅を合わせてくれることも無く歩いていった。

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