10 れいら
初めまして皆様ご機嫌よう。
幼い頃に決意を決め国民の花嫁となれるよう時刻から離れた遠い場所でひたすら花嫁修業に励んで参りました。
ですが先日とある噂を耳にしたのです。
私の婚約者出会ったはずのカイザー殿下がご婚姻された。
という噂です。
まぁ十年前のお話ですし、当時婚約の話が出ていただけで婚約を結んだわけではなかったのですがやはり、彼の隣に立つには私ほどの美貌と地位、そして外交的な女性でなければならないと思うのです。
このご時世どこの国の王子も婚姻となると20代中頃が妥当となってきていますし、こんなに早く結婚をするなんてきっとカイザーになにかあつたにちがいありません。
ということで、帰国致します。
とわ言ったものの少し押しかけ女房になってしまったでしょうか。
はしたない行動だとわかっていても恋は盲目という言葉があるように勝手に城へ来てしまいましたわ。
コンコン「遅れてしまい申し訳ない。」
この声。昔より低くなってはいますがおそらく彼っ!
サラッサラの金髪が頭をあげるとそこにはに高い鼻筋に色白の肌をよりいっそうきわだてる赤い瞳。
昔は女の子のように可愛く天使のようだった彼が10年の時を経て立派な王子へと成長していましたわ。
「っレイラ……?!」
キャッ覚えていてくださったの!
やはり彼は私を待っていてくださったのだわ。
「お久しぶりねカイザー。先日ユーリア国から帰国致しましたの。」私帰還致しましたわっ!
「レイラ、会いたかったよ。久しぶりだな!」
私も会いたかったですわ!
「本当にお久しぶりね。あなたったら気がついたら結婚までしているんだもの、驚いてしまいましたわ。」
こう言えばすぐに私との再婚を取り入ってくださるでしょ?
「あぁ本当に久しぶりだ。」
…それだけですか?
私たち10年越しに運命の再会を果たした男女なのですよ?
抱き締めてくださるくらいいいではありませんか?
ほら、レイラぎゅってされるのを待っていますわ!
手を多く広げるとカイザーは初々しく私を迎え入れてくださった。
もう彼の前から私絶対っに消えませんわ。
これからの毎日が楽しみですわね。