序章 転移 編
グロテスクな表現、人によってはキモいと思う表現あり。
0話
いつも通りの今日、いつも通りの朝、と言ってももう昼過ぎだが。暇を持て余した右手には騒がしい音を鳴らした携帯がある。
俺の名前は松前ハジメ、21歳。なんでこの平日の昼過ぎから暇を持て余しているのかというと、何を隠そう俺、松前ハジメは俗に言うニートなのだ。
どこから俺の人生は間違っていたのか、そんなことを考えることはやめにした。
自分が空腹なことに気付いた俺は重い腰を上げて冷蔵庫に向かう。しかし、何もなかった。
俺はコンビニに向かうことにした。ニートの俺にとっては外に出るだけでその日は‘OK‘なのだ。
人にすれ違う度に視線を感じ、空でさえ俺のことを軽蔑しているように感じる。
そそくさとカップ麺とおにぎりを手に取り、支払いを済ませて帰路についた俺の目に、やせ細った猫が見えた。動物好きな俺は近づいて行ったが、猫は警戒して道路に走っていった。俺は猫にも嫌われるのか...
そう思ったその時、大きなエンジン音を鳴らしたトラックが小さな体に向かって突っ込んできた。考えるよりも先に体を動かすように俺は猫に向かって突っ込んだ。
猫が飛んでいくのを見た俺の耳に大音量のクラクションが響く。 すべてがスローモーションになり、一斉に過去の記憶が頭に流れ込んでくる。
ああ、俺は何にもならず死ぬんだな。
俺は何かを成し遂げて、何かに成りたかった。
そんなことを思いながらつぶやいた、
「来世では何かに成ってやる。」
大きな音が鳴り、痛みを感じる前に目の前が真っ暗になった。
初投稿です。
拙い文章ですが、暇つぶしにでもなれば幸いです。