表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

8月 空飛ぶストレートヘア

 有希さん(仮名)は、子供の頃から癖っ毛がコンプレックスだった。

 美容師にはストレートパーマを勧められたが、母や祖母に禁止されていた。大学生になっても、成人になっても、頑として許されない。理由は不明だった。


 有希さんは就活でいくつもの会社の面接を受けたが、全て落ちた。このタイミングで、彼氏にもふられてしまった。

 落ち込む有希さんだったが、ここは心機一転、イメージチェンジをしようと思い切ってストレートパーマをかけてみた。今は実家を離れて一人暮らしをしているので、止める者もいない。

 その夜、有希さんはおかしな夢を見た。自分の首だけが体を離れ、空を飛んでいるのだ。少し気味が悪かったが、さらさらと髪が風に流れるのが実に爽快だった。


 翌日、ネットを見てみると、夜中に空を飛ぶ生首の話題で騒然としていた。目撃されたのは自分が夢で飛んでいた辺りだ。幸いと言うべきか、ネットに上がった写真はどれも顔がわかるようなものはなかった。

 それから有希さんは何度か首になって飛ぶ夢(?)を見たが、ストレートパーマが取れるとぴたりと夢は見なくなった。


 実家に帰った時にさり気なく聞いてみると、有希さんの家系は昔から抜け首の病を持つ者がいたらしく、特に真っ直ぐな髪を持つ女性に顕著だったという。

 もう一度ストレートにするか、有希さんは少し迷っている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ