表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

1月 着ぐるみ探偵

 斗或(とある)市で不可解な事件が起きると、どこからともなくやって来て解決してしまう名探偵がいる。だが、その素顔を見た者はいない。何故か? 彼(?)はいつも、ピンクのウサギの着ぐるみを着ているからだ。

 人呼んで「着ぐるみ探偵」。「中の人」が誰なのか、誰も語ろうとはしない。


 鈴木さんは、出張での宿泊先のトアルホテルで殺人事件に巻き込まれてしまった。

 警察の聴取を終えて鈴木さんが部屋に戻ると、見慣れない大きな箱が置いてある。恐る恐る開けると、中に入っていたのはウサギの着ぐるみだ。え、これってまさか?


「おめでとうございます、あなたは着ぐるみ探偵に選ばれました。すぐにこの着ぐるみを着て、事件を解決に導いて下さい。」


 同封されていたカードを見て、鈴木さんは何となく理解した。

 着ぐるみ探偵の主体は着ぐるみ。そして、真相に関係ない誰かに着てもらって、事件を解決する。事件の度に中身が変わる名探偵、それが着ぐるみ探偵の正体なのだ。

(……結局、僕はこの事件においてモブでしかないんだな)

 そう思いながら、鈴木さんは着ぐるみを着込んで事件解決に向かった。着ぐるみには推理力や洞察力を高める効果があるらしく、事件はすぐに解決した。

 事件が終わって、鈴木さんが着ぐるみを脱いで部屋に置いておくと、いつの間にか着ぐるみは消えていたという。


 もしも斗或市で何か事件に遭遇し、ウサギの着ぐるみを見つけたら、迷わず着てみることをおすすめする。

 それが事件解決の早道だから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ