真説・第三次世界大戦とその後 第一章
本日二回目です。
第三次世界大戦。
それはそれまでの歴史を過去のものとし、新たな歴史の幕開けとなった転換点とも言える戦いだった、
本動画プログラムでは、全三章に分けて第三次世界大戦についてとそれがもたらした影響を追っていこうと思う。
第一章 第三次世界大戦の概略ともたらしたもの
第三次世界大戦。
世界再構成戦争ともいわれるこの戦いは、まさしく歴史の転換点となった戦いだった。
大戦の前夜祭、極東紛争とのちに呼ばれる日本と現高麗自治区、当時の朝鮮共和民国との戦いは当時ではいつ起きてもおかしくないと言われていた事態であり、これが第三次世界大戦に発展していくとは思われていなかった。
朝鮮共和民国の前身の一つである大韓民国と日本との間にあった領土問題。
これは朝鮮共和民国にも引き継がれさらに激化していた。
毎日のように上陸しようとやってくる朝鮮共和民国の揚陸艦隊に対し、海上保安庁の巡視船では危険だと保安官を乗せた護衛艦が追い払うといった状況。いつ戦端が開いてもおかしくなかった。
そんな中、運命のその日1発の弾道ミサイルが朝鮮共和民国より放たれた。落下予測地点は九州北西部。恐らく佐世保に対する攻撃だろうと考えられ、迎撃とともに日本政府は朝鮮共和民国に対し遺憾の意を表明しようとした。その時はまだ日本は事なかれ主義だった。
しかし、遺憾の意では済ませなくなった。ミサイル迎撃のために出動した護衛艦に対し突如海中より対艦ミサイルが飛来したのだ。これにより弾道ミサイル迎撃は成功したものの護衛艦1隻が轟沈。
これが極東紛争の幕開けだった。
その後、極東紛争自体はすぐに終結した。というよりは戦線の一つになったというほうが正しい。
日本が国際社会へ訴えた際、当時の中国が朝鮮共和民国を擁護。これに中国と結びつきの強い国とロシアが同調。更に中国は在日米軍を「最大の火種」と非難し、1週間以内に撤退を決めねば排除するとほとんど宣戦布告と言えることをアメリカに通告したのだ。
当然認められるはずのないアメリカはこれを拒否。かくして狂乱と回帰と進歩の第三次世界大戦が幕を開けたのだ。
詳しい大戦の推移は第二章にて語るためここでは省くが、核戦争となるかと思われたこの戦いにおいて核兵器は結局のところ実戦では使用されなかった。
これには様々な要因があるが、その一つとして魔術の復活が挙げられる。
当時劣勢ながらも核兵器の使用を戸惑っていた中国は、核兵器に代わる戦略兵器を模索していた。その際、偶然にも古代の王廟より発掘されたのが生贄による異獣の召喚使役魔術の記された古文書だった。
これに目を付けた一部の者がほかの王廟や古い寺院などを調査、発掘。
研究の末、第一回実験で技術理論の検証・確認。第二回実験で異獣の性能が試され、実戦投入が決定された。
これにより一部の戦線が巻き返し始めた。
何と言っても下級のゴブリンなどですら、純粋な物理攻撃では対戦車兵器クラスでないと撃破できないのだ。見た目が異形とはいえ人型サイズのものにそんなものを使うことなどまずなく、更に数もそこそこいる。敵には不死身の化け物に見えたという。
この結果に中国共産党上層部は喜び、さらなる研究を命じた。掃いて捨てるほどいる人民の少しささげるだけで強大な力が手に入る。このままいけば世界を我が物にできる。と。
しかし、アメリカ陣営も黙ってはいなかった。スパイなど諜報活動の限りを尽くし、何とか魔術の情報を手に入れたのだ。
だが、アメリカは当初そんなものを信じなかった。当たり前といえば当たり前である。科学の時代にいきなりはるか昔のおとぎ話で巻き返されているなど、信じるほうがどうにかしている。まだ、最新の生体工学で作られた生物兵器と言われたほうが納得できたのだ。
が、これを信じた者たちがいた。日本である。
日本の裏の歴史を管理していた宮内庁は魔術の存在を知っていた。神話の頃を含めれば2700年近い歴史がある天皇家、そして日本。当然、その歴史には魔術が実在したと考えられる事柄がいくつもあったのだ。
宮内庁、及び天皇は国家存亡の危機として全国の神社へ資料を求め、教会や寺にも協力を要請した。
結果得られた資料から、異獣への対応法を見つけ出すことに成功。
防衛装備庁と協力しアメリカ陣営の反撃の一矢となる試作対異獣兵器『試製36式魔纏誘導弾』を開発。
朝鮮半島戦線で猛威を振るっていた巨鳥に対し使用され、見事これを撃破。魔力搭載兵器の有用性を示した。
これを受け各国は魔術、魔力搭載兵器の研究開発と改修を始めた。この時に生まれたのが後の霊機に繋がる『37式魔纏機鎧』と『MSS』である。
さて、アメリカ陣営の反撃に慌てた中国側。これまでほぼ無敵を誇っていた異獣が撃破されはじめ、異獣に任せていれば大丈夫と士気も低くなっていたため戦況はみるみる悪化。戦線の崩壊も起こり始めていた。
これに対し上層部は更なる強力な異獣の召喚を命令。この頃から異獣に霊殻を持った種が表れ始めた。
今までよりも強力な異獣の出現にアメリカ陣営の各国は研究を加速。一進一退の攻防の中で遂に新たな術式を開発、魔法陣化することに成功。同時期に甲種霊機、その少し後に乙種霊機が開発され、戦況はアメリカ陣営に完全に傾いた。
これは度重なる異獣召喚のため、生贄の事実が国民に露見し各地で反乱が発生し中国がその鎮圧に追われたこと。それにより中国の支援で成り立っていた中国側の国の継戦能力が大きく削がれたこと。中国寄りの中立を保っていたロシアが冬に入り、中国のフォローが難しくなったことが要因でもあると言われる。
中国は反乱の鎮圧に追われながらも逆転の芽としてとして、いよいよ核兵器の使用と大規模召喚儀式の同時実行を決定。
しかし、反乱で混乱している中国には多数の工作員が入り込んでおりこの情報はアメリカ陣営に筒抜けだった。
これを逆に利用し戦争を終結させようと考えたアメリカ陣営はファイナル オペレーション・ミーティアシャワーを立案。
これは中国側諸国の核兵器関連施設を同時に強襲・制圧し、大規模儀式に対しては新開発の核に代わる戦略破壊兵器『39式連鎖増幅術式刻印弾頭型地対地弾道誘導弾』(日本開発、アメリカ量産)、通称幻爆を打ち込み最後通牒を送る。更に制圧が失敗したときのためにアメリカ陣営各国のミサイル迎撃システムを弾道ミサイル用にフル稼働させるという歴史上最大規模の多国合同作戦だった。
結果としてはこの作戦は7割方成功と言われている。
確かに核兵器関連施設はすべて制圧され、大規模儀式場に打ち込まれた幻爆は所定の性能を発揮した。
中国側は降伏し、約5年続いた第三次世界大戦の終結という正にこれだけなら大成功だっただろう。
しかし、そうではないのは何故か。
それは大規模召喚儀式と幻爆の魔力が侵食反応を起こし召喚術式が暴走。爆心地付近は空間的な特異点と化し、以降どこからともなく異獣が世界各地に現れるようになったからである。
これは、召喚術式が大規模なものでもあったために暴走の結果異獣の棲む世界そのものを召喚してしまい、二つの世界が融合していっているからではないかと言われる。
仮にこの説が正しかった場合、恐らく百年単位ではあるが徐々に世界は混ざり合い人類は危険ながらも新天地を手にすることになるだろう。
さて、長くお付き合い頂いた第一章はここまでとなる。
戦後35年がたち、今日では当たり前となった魔術、異獣だが、その現代での始まりは理解されただろうか。
第二章は第三次世界大戦の詳しい推移。
第三章は戦後の復興と新たな災害となった異獣襲来に対する我が国の対応となっている。
よろしければ第二章、第三章とお付き合い頂きたい。
それでは。
第二章、第三章を書く予定は今のところありません。
軍事に関しては中途半端にしか知らないのでフィクションということで流してください。
飛ばしてしまおうかとも考えたのですが、一応この世界の前提となる設定ですので書いてしまいました。
もし、この世界の第三次世界大戦を書いてみたい、作ってみたいという奇特な方がいらっしゃれば好きに使ってもらって結構です。自己満小説とはいえ承認欲求も満たしたいので宣伝してもらえるとありがたいですが・・・。
次回は悠希と天音が庁舎に着いてからです。
作者のリアルでの一幕は金曜投稿の物だけにしたいと思います。ネタがいつもあるわけではないので…
では、(たぶん)金曜日にお会いしましょう。
気軽に感想や評価をを残していってください。よろしくお願いします。
第一話・第二話での用語補足
Sコープ…業務用スーパー
ドン・プライス…この世界での安さの殿堂
仮想端末…よくSFである空中に浮かぶ画面のあれ。リストバンド型の本体、操作用の指輪、音声入出力用のイヤホンマイクで構成される。
電子精霊…魔術発展型人工知能。簡単に言えば魔術で会話・成長できるようにした人工知能。もちろんマシンスペックにどうしても左右される。『竜胆』の場合、自律・成長の本体と会話機能のみの音声端末を繋げることで一見自我のあるスパコンに見える。
毎週金曜日には必ず投稿する不定期更新に変えようかな…。




