28度目の挫折
「こんな皿出せるか!出直してこい!」
このセリフを聞くのは28度目だ。
もういいよな…。 俺は十分やったよな…。 良く頑張った。
俺は厨房服を脱ごうと腰に手をかける。
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「おいおい、それでいいのか?」
頭の中で誰かが呟く。
「まぁお前には無理か…。」
また、頭の中で誰かが呟く。
「言われっぱなしでいいのか?」
もちろん嫌だよ。
「ずっとこのままでいいのか?」
良くねーよ、バカが。
「結局諦めるのか?」
諦めたくないけど… 才能ないんだよ!
「お前はいつもそうやって言い訳ばかり…」
うるさい…。
「やっぱ逃げるんだな」
………
いいよ、やってやるよ。
俺ってやつは本当に諦めが悪い。
そうして、俺はまた、包丁を手にして厨房へ立つ。
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