84話〜事の真実〜策略〜
結界の城でアルフレッドとニックが魔法陣を使い名もなき城の様子を伺っていた。
そして、カルテットは名もなき城につき、テレポートを使いシャナ達を探していた。
場所は移り、ここは結界の城の地下にある部屋。アルフレッドとニックは鏡を使い、床に書かれた魔法陣と月明かりを利用し、名もなき城の様子を伺いながら事を起こしていた。
そう、マキシムとローレンスとライロスが空からの攻撃を何故受けたのか、それは、自分達がやろうとしている事が露見する事を怖れ、ニックがアルフレッドの指示のもと、魔法陣を通し攻撃をしていたからだ。
しかし、本来ならば、この魔法陣は今行われている儀式を伺いながら、ミスティとベルモット……いや、ドルマニールが指示通り動き、異世界の者達を名もなき城の儀式場に描かれた魔法陣に集め、事をなす為に造られたものだった。
ニックは魔法陣を使い、名もなき城の様子を伺っていると、儀式場に向かう者達の中にクレイマルスがいる事に気づいた。
「アルフレッド様!?お喜び下さい。クレイが、あの城に居ります。それも、幸運にも儀式場に向かっているようです」
「そうか、クレイがな。そうなると、儀式場にいる異世界の者達は、何人いる事になるのだ?」
「はい。勇者3人と魔王1人とクレイを入れて5人……いえ、後1人を入れて6人になります」
「そうだったな。ニックが、神殿の祭壇に行き召喚魔導師が異世界の者を召喚した後、異空間の扉が閉まる前に後1人の異世界の者を召喚したのだったな」
「はい。あの方法は本来してはいけない事なのですが、他にマナが満ちている所が見つからずたまたまラシェル様が扉を閉め忘れ今しかないと思い強行してしまいました。成功はしたのですが、あの時、邪魔が入り、こちらに連れてくる事が出来ませんでした」
「まあよい。結果的には揃ったのだからな」
「ありがたきお言葉。では、クレイが儀式場に着き次第、始めようと思います」
ニックは魔法陣を見つめ集中し魔力を注ぎ始めた。
「ああ、そうだな。いよいよだ。これで念願が叶う。だが、これはまだ始まりに過ぎぬがな」
アルフレッドもニックの補佐をする為に、魔法陣を見つめ集中し魔力を注ぎ始めた。
場所は移り、ここは名もなき城の中庭の儀式場が見える物陰。そして、物陰に隠れカルテットは様子を伺いながら、シャナとイワノフを探していた。
(しかし、何なんだ?この異様な臭いと雰囲気は、吐き気がしそうだ。それにしても、この状況は早く手を打たねば不味いかもしれない。だが、シャナ嬢とイワノフはどこにいるのだ?クソッ!城が広いのと、この異様な臭いと雰囲気のせいで探すのが困難だ)
そう思いながらカルテットは指を鳴らしテレポートを使い別の場所に移動した。……すると、カルテットは偶然にも、シャナ達がいる場所に移動した。
それを見たシャナ達は、いきなりカルテットが目の前に現れ驚き、一瞬後退りし身構えるが、イワノフはその者が誰なのか気が付き、
「カルテット、久しぶりだな。まさかとは思うが、お前までもが、この件に関わってはいないだろうな?」
「イワノフ。俺がこの件に関わって何の得があると言うのだ。それよりも、奥様からの伝言を伝えに来た」
「カルテット、お久しぶりですね。お母様は何と言われていたのですか?」
「シャナ嬢、お久しぶりでございます。お元気な御様子でなによりです。しかし、何故、王の命令とはいえ、奥様に何もおっしゃらずに、異世界の勇者の召喚に行かれたのですか?」
「それは、恐らくお母様は私が異世界の勇者を召喚をする事に反対すると思ったからなのです」
「シャナ、それはどういう事なんだ?何故ユリーナ様がお前が異世界の勇者を召喚する事に反対するのだ!?」
「アリスティア。私にもよく分からないのですが、ただ、私が召喚魔導師になる事自体反対していましたので。ですが、今は状況も変わりつつある様ですし、カルテットその事について何か知っていますよね?それに、お母様の伝言とは何なのですか?」
そう聞かれカルテットは、ユリーナに言われた事をシャナ達に話し始めた。
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
さて、どうなって行くのでしょうか?
次話の投稿は明日になるかまた来週の土日になります。
では、次話もお楽しみにね(*^ω^*)







