75話〜不安
ディアナはクロノアとイワノフの話を聞いていると突然眠りに付いてしまった。
数分前の事。ディアナは途中までアリスティア達と一緒に行動していた。
しかし、二手に分かれクロノアとユリナを探しながら中庭に向かおうという事になり、ディアナは別ルートから2人を探す事にした。
そして、ディアナは微かなクロノアの気配を辿りながら、気づかれない様に中庭に向かっていた。
するとディアナはクロノアを見つけたが、知らない男。いや、イワノフと話をしていたので不思議に思いながら、
(ん?クロノア様は何を話している?それにあれは誰なの)
ディアナは2人の話が気になり気配を消しながら、恐る恐るその話が聞こえる場所まで移動し聞き耳を立てるとクロノアとイワノフは黒龍の悪魔の話をしていた。
その話を聞きディアナは首を傾げた。
(クロノア様は黒の覇王。しかし、まさか!?いや、あり得ない。あの書物は私も読んだ事はあるけど。黒龍の悪魔もクロノア……それはあくまでも偶然に過ぎない)
ディアナは少しの間考え込んでいたが、イワノフの事が気になり近づこうとした。
しかし、ディアナは誰かに左腕を掴まれ慌てて振り向いた。
そこにはアリスティアがいて、
「待て、ディアナ!」
「ア、アリスティア。何故ここに?」
「私は、あのイワノフという男を追って来たのだが。先程から見てるが、攻撃をするでもなく、ああして、クロノア様と話をしている」
「それは、どういう事なの?それにあの男は何者なの?」
「あの男の名は、イワノフ・シアロ。昔シャナの家で仕えていた者らしい」
「そんな奴が何故こんな所にいるの?」
「先程、他の部屋で話をしていた時に言っていた事だが。イワノフは、シャナの母親と関わりがある様なのだ」
「……では、別に動いている者達の1人。それも、この件にシャナの母親も……」
そう話をしていると辺りの空気がますます邪悪さを増してきていた。
すると、ディアナは急に息が荒くなり、顔色が悪くなってきていた。アリスティアはディアナの様子がおかしい事に気付き、
「ディアナ。どうしたんだ?顔色が悪いみたいだが」
「はぁはぁ。こ、この邪悪な空気のせいなのかは分からない。急に身体が重くなり気分が悪くなった。……」
そう言うとディアナは急に倒れ、アリスティアはそれを見て慌てて片膝を付き抱きかかえると、
「ディアナ!?これはいったい何が起きたと言うんだ」
アリスティアはディアナを抱きかかえたまま、声をかけるが寝ている様子で起きなかった。
そして、アリスティアは、これから別の何かが起きようとしているのではと不安になりながらディアナに付き添っていた。
読んでくれてありがとうございます(*^ω^*)
ディアナの身に何が起きたのか?
次話もよろしくお願いしますヽ(^o^)







