145話〜増殖と緊迫感
シャナは今の状況を理解したがどうすることもできず……。
そん中カルテットは自問自答していた。
そしてその頃ノエルは、ガインが持つ武器を警戒していたが……。
ここは、中庭がみえる東南東側の広い通路。チビ悪魔は、未だに増え続けていた。
シャナは、今どんな状況なのか理解し始める。
(これは、どういう事? さっきよりも、チビ悪魔の数が増え続けているようですが。
それに、恐らくカルテットのあの様子では、まずい状況なのかもしれません。ですが、どうしたら……)
そう思いながら未だに増え続けるチビ悪魔をみていた。
そんな中カルテットは、チビ悪魔が増えないようにできないものかと考えている。
(この女、どうやっても起きる気配がない。だが、どうにかしてこのチビ悪魔が増えるのを阻止しなければ……)
思考を巡らせながら中庭に通じる入口へと視線を向けた。
(クッ、どうしたら……恐らく、中庭にいる者たちに助けを求めてもこっちまで手がまわらないだろう。
そうなると……。俺がこのチビ悪魔をどうにかしなければならないのか、)
自問自答していたが、助けを求めるのは無理だと判断する。そして、再びフワフワ浮き飛び回るチビ悪魔へ視線を向けた。
その頃南側の祭壇付近では、ノエルとガインが互いに睨み合っている。その近くには、ミリアとカプリアがいてバルムの手下と戦っていた。
ノエルはガインの持つ武器を警戒しながら間合いをとる。
(距離をとっても、アイツの武器は銃剣のドデカバージョンだから意味にゃいけど。ん~、近づくのも危険だしにゃぁ。
だけどあれって、ユウ兄の部屋の壁に貼ってあったポスターに描かれてたアニメの武器に似てる。でも、まさかねぇ。
それに、もしそのアニメの武器と同じ性能だとしても。そもそも、そのアニメ自体みてにゃかったしにゃぁ~)
そう思いながらどう行動すればいいのかと模索していた。
片やガインは、大剣のような銃ブレードガンボルギガを両手で持ち構えノエルに銃口を向ける。そしてその武器に自分が集めたマナを注いで溜め込んでいく。
すると大剣のような銃の全体が青白く発光し始めると同時に、その武器から『ゴオォォォ――』と轟音が鳴り響いた。
「よっしゃー! 多少キツイが、このぐらい。グゥッ、いや大丈夫だ……ぜ」
ガインは大剣のような銃を作り出している能力、具現化変換魔術により膨大な力にのまれそうになるも必死に耐えている。
その様子をみたノエルは不思議に思った。
(まさか、いくらにゃんでも、制御できにゃいにゃんてことにゃいよね?)
そう思うと一滴の汗が頬を伝う。
(クソッ、このぐらい使いこなせなきゃ。せっかく、この能力を授けてくれたあの方に申し訳ない。
それに、この城で試せって言われてる。……ここは、なんとか耐えて、グゥッ、)
ガインは必死だ。この能力の力にのまれないようにと。だが制御しようとするも抑えきれない。
その武器からは、鳴り響く轟音と共に、とてつもない波動が徐々に溢れ出てくる。と同時に地響きがして、それは段々に大きくなっていく。
__そして周囲には、緊迫した空気が漂っていた。
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
『にゃんだろう? 気配がするんだけど。それにクシャミも頻繁に出るし。……ん〜、どこ探してもいにゃいよにゃ』…byノエル
『ノエル様。何を探しているのですか?』…byシャナ
『あっ、シャナにゃん。それがね、この前から猫の気配がするんだけど。見当たらにゃいんだよねぇ』…byノエル
『猫、ですか。アキリシア様ではなくて?』…byシャナ
『アキリシア様?』…byノエル
『ああ、そうでした。まだお会いになられたことがなかったですね。アキリシア様は真ん中で話をされている方です』…byシャナ
『猫の獣人ハーフ!? ん〜、多分違うと思うんだよにゃ〜』…byノエル
『そうなのですね。ですが、アキリシア様ではないとなると……いったい?』…byシャナ
そんな中、猫の形をした影が姿を消し二人の話を聞いている。その後、満足そうに笑みを浮かべるとスーッとどこかへ消えていった。
その影がなんだったのかは、作者だけが知っていた。そして手を合わせ、ただ『ありがとう』とだけ言い軽く頭を下げていたのだった。
と、いう事で……∩^ω^∩
では、次話もよろしくお願いします(*^▽^*)