109話〜リッツとバルム｛☆｝
リッツはマインの森でシェルズ城の仲間が来るのを待っていた。
ここはマインの森。辺りは暗く、様々な怪鳥や魔獣の声がときおり響き渡り、リッツはその声がする度ビクついていた。
(昔に比べ怖くはなくなったけど。流石に夜の森は嫌だなぁ。バルム、早くこないかな？)
そう思っていると、木々の合間から人影が見え、リッツは地面に座り込んでいたが、それに気づき立ち上がった。
(あっ！もしかしてバルムかな？)
そう思いリッツは覗き込んだ。
するとその人影が姿を現し、まばらに黄色が混じった緑色の髪の体格のいいエルフの男性が、リッツの側まで来た。
「リッツ。相変わらずだな。ここでビクついてたのか？」
このエルフの男性はバルム・ヴェルグといい、ニック直属の配下の者だ。
ちなみにリッツは現在、ニックの配下の者として行動している。だが、それはタツキの指示により、結界の城の内部を調査するためだ。
「そ、それは……。でもバルム。本当にあの城に行くの？」
そう言われバルムは腕を組みながらリッツを見ると、
「まさかリッツ。怖えのか？」
「ん〜そういうわけじゃないけど……」
リッツがそうい言うとバルムは頭を抱え、
「あのなぁ。……お前は強い。だが、その臆病な所がなければ、もっと強いはずだ」
「そう言われてもなぁ。こればかりは、どうやっても治らないし……」
「はぁ、まぁいい。さて、そろそろ行くとするか。ここで、うだうだしてたって仕方ねぇしな」
バルムにそう言われリッツは頷いた。するとバルムはバッグから、緑色の魔石がついたコンパクトを取り出した。
このコンパクトは転移アイテムであり、リッツがシェルズ城で本を読み調べ、使いやすいよう幾度も改良し小さく作りあげた物だ。
リッツはポケットの中に手を入れ、黄緑色の魔石がついたコンパクトを取り持った。
(ごめんバルム。あの城に向かえば、もう君とはお別れだ。今まで良くしてくれたけど……。僕はタツキを裏切れない！)
そしてほぼ同時に、コンパクトの魔石に手を添え魔力を注ぎ『辺境の地の城』と言うと、魔法陣が２人の真下に描かれた。
すると魔法陣が光を発しながら、真上にスッと移動したと同時に２人の姿が消え、そのまま辺境の地の名もなき城へと転移して行った。
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
『いよいよかぁ。タツキに会えるのはすごく嬉しいけど……。そうなると良くしてくれたバルムを裏切らないとならない。ああ、どうしたらぁ〜(ノД`ll)……』…by，リッツ
『……リッツ。それ本気で言ったてるのかな？』…by，作者
『それは……どうだろう:(；゛゜'ω゜'):……』…by，リッツ
と，いう事で……∩^ω^∩
では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)
