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100話〜牽制と黒薔薇

カルテットとドルマニールはお互い牽制し合い出方を伺っていた。


ミスティがディアナのポケットから黒魔石の腕輪を取ろうとした瞬間シャナは攻撃を仕掛けた。

 ここは名もなき城の中庭が見える通路。


 カルテットは身構えながら、ドルマニールとミスティの動きを警戒し、シャナはディアナを庇うように身構え2人の動きを見ていた。


 ドルマニールはカルテットの動きを警戒しながら、


「ミスティ、カルテットは俺がやる。その間、その女を始末し腕輪を奪え」


「ドルマニール、分かったわ」


 そう言うとミスティはシャナの側に近付いて行った。


「シャナ嬢、ドルマニールは俺が阻止しますので。そっちはなんとか凌いでいて下さい」


「カルテット。……分かりました」


「フッ、カルテット。お前が俺に勝つ?確かにお前の方が俺より年上で、以前は同じぐらいの強さだった。だが、戦いの最前線から身を退いてブランクのあるお前との力の差は歴然 !」


「ドルマニール。さぁ、どうなんだろうな。お前は俺の性格を知っていたと思ってたが、それだけの認識しかなかったようだな」


「…… 相変わらず自信過剰な所だけは昔と変わらないようだな」


(カルテット、どう動くつもりだ?この男は昔から何を考えているか分からなかったが)


「そう言うお前も。相変わらず口数が多いな」


(ドルマニール、かなり俺を警戒しているようだな。だが、以前も何度かコイツの口の上手さに騙された事があった。てことは、気をつけないとな)


 そう言い合いながらお互い身構え出方を伺っていた。


 カルテットもドルマニールもお互いの実力を知る者同士うかつに手を出せず牽制していた。


(アイツの手の内が分かってるだけに、さすがに動きづらいな。恐らくドルマニールは、俺に気付かれないようにトリックを仕掛けているはずだ。迂闊に動けば罠にハマる……さて、どうする)


(ふぅ、俺はこういう緊迫感が苦手なんだけどな。だが、ここで下手に動けばカルテットが仕掛けたトラップ魔法が発動するだろう。アイツの全てのトラップをかわせる可能性は低い。だが、何処に仕掛けた?あ〜、クソッ!分らねぇ〜、どうしたらいい?)


 一方ミスティはシャナの側までくると右手に呪符を数枚持ち構えながら、


「さて、この子猫ちゃんをどう料理しようかしら?」


 そう言いながらシャナを見ると、


「……私は猫ではなく虎なのですが」


 そう言いながらシャナはミスティを睨んでいた。


「あら、そうなのね。てっきり何処ぞの野良かと思ったのだけど」


「そういう貴女こそその派手な服、似合ってないのでは?」


「……に、似合ってないって、それも派手って……フフフ、言ってくれるじゃない。てか、余計なお世話よ!私の趣味にケチを付けるなんて、余程死にたいようね」


 そう言うとミスティはシャナとの間合いを取り持っている呪符を投げつけ、


 《我が命に従い出でよ 化け猫!!》


 と言うと、目の前に数体の化け猫が現れシャナに襲いかかった。


 シャナは数体の化け猫を杖で薙ぎ払いながら、


「ちょ、これはなんなのですか。かなりニャーニャーうるさいし、かなり見た目がグロいし気持ち悪いのですが」


「そりゃそうでしょ。化け猫だもの。それに貴女の相手にはちょうどいいかと思ったのだけど。さて、そうね。私はこの隙にデューマンの女のポケットから黒魔石の腕輪を拝借してと……」


 そう言いながらミスティはディアナのポケットに手をかけようとした。


「そうはさせません!」


 シャナはそれを見ると左手に杖を持ち直し、右手の鋭い爪を出し化け猫達を打ち消しながら、左手の杖をミスティの真下に向け魔法陣を描くと、


 《魔樹召喚 黒薔薇!!》


 呪文を唱えると、ミスティの真下から薔薇のつるが生え囲んだ。


「な、何なのよ!この薔薇のつるは?こんな子供騙しで、私がやれると思っているわけ?」


「子供騙し?本当にそうでしょうか」


「それはどう言う意味なのかしら。どう見ても薔薇のつるが、私の周りを囲んでいるだけのように見えるのだけど」


 そう言うとミスティは動こうとした。すると数ヶ所のつるから黒薔薇が咲きミスティの方を向いた。


「それ以上、動かない方が良いですよ。その黒薔薇は猛毒の刺を持ってますので、動けば反応して攻撃します」


 シャナは化け猫を何とか鋭い爪と杖で全部打ち消し、ミスティの方を向いた。


「なるほどねぇ。そういう事なわけかぁ。なかなかやるじゃない。それにしても、可愛い顔をしてかなりやる事が冷酷なのね」


「貴女ほどではないと思いますが」


 そう言いながらシャナは杖を持ち直しミスティを獣の様な鋭い眼光で睨み付けた。


 ミスティは一歩でも動けば薔薇の猛毒の刺が飛んでくるため動けず、どうしたらいいか考えていた。


 その様子を物陰からタツキはみていた。


「なるほど、考えたな。それにしても、相変わらず虎の獣人ハーフってぇのは見た目と違い、敵に回すと怖えな。だが、相手も馬鹿じゃねぇはずだ。さて、どうなる?とりあえず、もう少し様子を見るとするか」


 タツキはカルテットとドルマニールの方を見ると、


「ん?さっきからあの2人何を牽制し合ってる?どちらか動かない限り何も始まらねぇ。俺ならわざと動いて、相手がどう動くかを見るんだけどな」


 そう言いながらタツキは、カルテット達の戦況をみていた。

読んでくれてありがとうございます(*^ω^*)

さてカルテットとドルマニールはこのままお互い牽制し続けるのか?

シャナはこのままミスティに勝てるのか?

そしてタツキはこのまま黙ってみている事ができるのだろうか。

では、次話もよろしくお願いしますヽ(^o^)

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