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94話〜2年前の出来事‥前編

ニックは地下から1階に上がるとそこには2人の警備兵が刺され倒れていた。

そして、グロウディスと通信機器で話をしていた男とセレスティナとリムティナは、偶然バイオレット家の屋敷の近くに転移していた。

 ここはシェルズ城。ニックは地下から1階に上がると、見張りの警備兵が2人、刺され倒れていた。


「これは、いったいどういう事だ?ここで何が起こったというのだ!この2人を見る限りだと、抵抗する間もなく腹部を一撃で刺されている」


 ニックは2人の警備兵の手当てをすると、リリアスの元へ向かった。


「まさかとは思うが、リリアス様の身に何かあったのではないだろうな」


 ニックはリリアスの元へ向かうまでの間、何人もの警備兵がたったこの数十分の間に刺され倒れている事に疑問を抱いた。


「ここに侵入して来た者が誰かは分からないが。まるでこの城の構図が元々分かっていたかのようだ。だが、いったい誰が?」


 そう言いひたすらセレスティナを監禁している部屋にいるリリアスの元へと向かっていた。



 場所は移り、ここはラウズハープ城より南西に位置する森に囲まれた高台。


 グロウディスと通信機器で話をしていた男は、セレスティナとリムティナを連れユリーナの屋敷の近くに転移していた。


「ふぅ、流石に連続でアイテムとスキルを使っていたせいか、魔力の使い過ぎで疲れた。前の時よりは遥かに強くなっているはずなんだがな。てか、ここは誰かの屋敷みたいだが、誰の屋敷なんだ?」


「あのぉ。恐らく私の知り合いの方の屋敷だと思うのですが」


「お姉様。恐らくではなく、ここはバイオレット家の屋敷で間違いありませんわ」


「……バイオレット……まさかとは思うが。虎の獣人ハーフのバイオレットじゃないよな?」


「はい。確かシャナとそのお母様のユリーナさんはそうだったはずですが。知り合いなのですか?」


「あっ、いや知り合いじゃないが。昔、知り合いに虎の獣人ハーフで、同じ姓の奴がいたのを思い出しただけだ」


「そうなのですね」



 この男は実は2年前にグロウディスが秘境の祭壇で召喚した異世界の者だ。


 グロウディスの家系は元々召喚魔導師の家系で代々それを受け継いできた。だが、グロウディスは召喚魔導師になる事を嫌い剣の道に進むが、やはり元々魔力の方が強く、召喚魔法と剣の両方を学び鍛え上げてきた。


 グロウディスは今は隠してはいるが、剣で戦うよりも、召喚魔法の方が遥かに強い。


 グロウディスが何故異世界の者を召喚しなければならなかったのか。それは2年前に遡る、クレイ・マルスが召喚される数日前の事。グロウディスの許婚のセレスティナとその妹のリムティナがシェルズ城の者に拐われた。


 その時、グロウディスは用があり城に赴いた。その後、城の用が済みセレスティナに会いに屋敷に向かった。


 だが、グロウディスがセレスティナの屋敷に赴くと、屋敷の者達とセレスティナの親や兄弟達は、別々の部屋で何者かの手により殺され死に絶えていた。


 グロウディスはその光景を見てセレスティナを探した。だが、セレスティナは見つからず、妹のリムティナも何処にも見当たらなかった。


 その時ふとセレスティナがこの前、召喚魔法で人助けをし城で表彰された事を思い出した。


 だが、その事とこの惨劇と関係しているのか分からなかった。


 でも、何らかの事件に巻き込まれているのではないかと思い、セレスティナとリムティナの足取りを調べてみた。それでも、2人が今何処にいるのか分からなかった。


 ふと、昔読んだ書物の事を思い出し、自分の屋敷の書庫に向かった。そう、そこには約200年前ダルナドとグラディスが書き記した書物が数多く残されていた。


 そして、グロウディスは書物を開き読んだ。そこには約200年前に起こった事が記されており、かつてシェルズ城の者達の策により、自分達が異世界の者達を召喚してしまった事。


 その後シェルズ城の者達を倒すが、……異世界の者達に悲劇が襲った。異世界の者の数名が……だが、1人の異世界の者がそれを救い自分達が元の世界に帰る手助けをした事が書かれていた。


 もう一冊の方には、シェルズ城の者達を封印した時の事。その後シェルズ城より遥か東の方にマナが満ちた所を発見した。


 もし、何かあり正規の祭壇が使えないよう時が来るかもしれないと、異世界の者の1人リュウキが言い出し、その場にいた異世界の者達と自分と同じ召喚魔導師の仲間もその事に賛成した。


 そして、各自の魔導書を広げ異世界の者達と共同で、数日かけて祭壇を完成させ名前を秘境の祭壇と名付けた。


 そして、その秘境の祭壇の事を他の者に知られ、悪用されるのは不味いと思い結界を張る事にした。何かあった時の為、この秘境の祭壇の結界を解く鍵となる青い宝石の腕輪を各自持つ事にした。と記され、その書物の表紙には魔法陣が描かれていた。


 グロウディスはその魔法陣に手を翳し、書物に書かれていた通りに詠唱してみると、眩い光と共に魔法陣から青い宝石の腕輪が出てきた。


 グロウディスはそれに驚いた。この書物に記されている事が事実で、シェルズ城の者達の子孫が生きていて、何らかの方法でまた動き出し、セレスティナとリムティナを拐った可能性が高いと思った。


 そしてグロウディスは、もしそうだとしたら自分だけの力ではセレスティナとリムティナを助ける事が出来ないと思い異世界の者を召喚する事にした。


 だが、何の根拠もなく正規の祭壇を無断で使う事は出来ない。それならば書物に書かれていた秘境の祭壇に赴き召喚すれば良いと思い、その書物を持ち向かう事にした。


 グロウディスはこの時、この先何があるか分からないと思い、それに城に迷惑を掛けたくなかった為、役職を捨て遥か南東の辺境の地へと向かった。

読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)

セレスティナとリムティナを探し出す為、グロウディスは秘境の祭壇へと向かう事になった。

では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)

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