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ドラゴンソード ~殺戮の剣~  作者: 椎名 千尋
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第九話

 翌日朝食を終えるとする事がなくなった、ヤクザから半グレに暴走族に不良、全部片付いた、俺の名を知らない悪人はもういないだろう、少々退屈だが平和になった、残りは黒龍くらいだ、殺るなら早く殺りたい。

 

「あなた黒龍と早く戦いたいんでしょう?」

「そうだが心を読むな」

「読んでないわ、感よ」

「一度全力で戦いたいんだ、それが出来たら満足してのんびり出来る」

「いずれ戦う事になるわ、焦らないで」

「わかった、今日は寝て過ごす」

「私もそうするわ、ベッドで休みましょう」

「あぁそうしよう」

「寝すぎないようにアラームをかけるわ」

「わかった」

 

 裸になってベッドに横になった、紅葉が抱っこしてくれたので胸に顔を埋め眠った。

 

 アラームで目が覚めた。

 

「何時だ、気分爽快だ」

「十五時よ、私も気分いいわ」

「今夜は健児達を誘って焼き肉を食べに行かないか?」

「いいわね、私が誘っておくわ」

「頼んだ」

 

 二人で服を来てリビングに座った。

 

「オッケーって返って来たわ」

「じゃあ十八時にあの店で待ってるって伝えてくれ」

「わかったわ」

 

 俺は焼肉屋に電話して予約を取った、暫く時間を潰し早めに焼肉屋に入った、健児達もすぐに入って来た。

 

「好きな物を好きなだけ食ってくれ」

「はい、でも迷いますね」

「店員に任せよう」

 

 店員を呼んで適当に美味いのを持って来てくれと頼んだ、慣れてるのかわかりましたと言いすぐに大皿にいろんな肉が盛り合わせで運ばれてきた、四人だと足りなかったので単品をいくつか注文した、肉もだがにんにくが美味かった。

 

 全員がもう入らないと箸を置いた、健児と張り合っていたが引き分けだった、俺がカードで支払いを済ませると外に出た。

 

「今度は俺が払います、今日はごちそうさまでした」

「気にするな楽しければいい、俺は楽しかった」

「俺もですよ」

「私も楽しかったです」

「じゃあまた何か食いに行こう」

「いいですね、行きましょう」

「じゃあここで解散するか」

「そうしましょう、もう歩けません」

 

 ゲートを抜けマンションに戻った。

 

「駄目だ座るのも辛い」

「男二人で食べ過ぎよ」

「にんにくの臭いを消したい、豆乳をくれ」

「こういう時は牛乳じゃないの?」

「豆乳も効果は同じだ」

「はいどうぞ」

「ありがとう」

 

 一気に飲んで落ち着いた。

 

「ハァーってしてみて」

 

 俺は言われた通り息を吐いた。

 

「本当に匂いが消えたわ、私も飲むわ」

 

 紅葉も豆乳を飲み、息を吐いてきた。

 

「ちゃんと匂いが消えてる」

「お風呂に入りましょう」

「服を脱がせてくれ、動けない」

「子供みたい、でもこういうのも好きよ」

 

 服を脱がせて貰い風呂に入り、体や頭も洗って貰った。

 

「私これも好きかも、次も洗ってあげる」

「俺も気分良かった」

 

 風呂から出ると体を拭いてもらいそのままベッドに連れて行って貰った、横になると腹が楽だ。

 

「腹が楽だ」

「抱いて欲しいわ」

「今日はもういい動けないからな」

「私が全部してあげる」

 と言い、上に乗って来たのでされるがまま何度も二つの穴に出した。

 

 紅葉も疲れると横になった、顔が紅葉の唾液まみれだ、匂いを堪能しながら眠った。

 

 翌朝、起きても紅葉の匂いは消えてなかった。

 

「あなたも結構変態ね」

「お前ほどじゃない」

「唾液まみれのキスが好きなのね? いつでもしてあげるわ」

「あぁ頼む、それと今日の朝飯はいらない」

「わかったわ、私もまだお腹いっぱいなの」

 

 動ける様になったので服を着てリビングに行って座った、紅葉も横に座りキスをした。

 

「あなたの気持ちがわかったわ、あなたの匂いがして興奮するわ」

「こういうイチャイチャ生活もいいわね」

「そうだな、俺は幸せだ」

「あなたが幸せなんて言うの珍しいわね」

「そうか? 俺はお前と二人でいる時はいつも幸せだ」

「えへへ、ありがとう私も幸せよ」

「他の一族は暇な時何をしてるんだろう?」

「毎日趣味を楽しんで過ごしてる人が多いらしいわよ」

「趣味か、俺も何か趣味を探そう」

「同じ趣味がいいわ、二人で出来る事」

「そうだな、一人でやってもつまらないからな、黒龍を倒したら何か考えよう」

「そうね」

「健児と桜花は何をしてるんだろう?」

「聞いてないの? 毎日朝からエッチばかりしてるそうよ」

「まだ若いからな、やりたい盛りの歳だし」

「ちなみに桜花は私よりドMよ」

「じゃあ俺達と同じ様な事をしてるのか?」

「もっと本格的らしいわ、ムチやロウソクとか縄で全身縛ったりなんかもしてるそうよ」

「八神一族はアブノーマルばかりだな」

「普通の人より性欲が強いからじゃない?」

「そうかもな、お前も桜花みたいな事されたいのか?」

「あれはいいわ、痛すぎるのは嫌よ」

「安心した」

 

 小腹が空いたので余っているコロッケとデザートを二人で食べた、ふと誰かの視線を感じた殺気が伝わって来る、第三の目で見たら忍者のような姿だ、背後に回ったので立ち上がり振り向きざまにドラゴンソードで体を刺した、姿を表したドラゴンソードは右の肺を刺した様だ、男は壁を背にし座り込んだ。

 覆面を剥ぎ取った、三十代の男だった。

 

「お前は何者だ?」

「俺はお前を見に来ただけだ」

「もう一度聞く、何者だ?」

「死んでも言えない」

「じゃあ死ぬまで拷問だ」

「あなた、この衣装は一族の暗殺部隊よ」

「何故わかった?」

「私の死んだお父さんが一員だったの」

「おい、お前何故一族の俺に殺気を向けたんだ?」

「話せない」

 

 俺はフォークで男の手の爪を一枚ずつ剥がしていった、悲鳴が上がる。

 

「まだ二枚だ、後十八枚もあるんだぞ吐け」

 男が苦痛で脂汗を浮かべている、また一枚ずつ剥がしていく、五枚目を剥がすと傷口をフォークで刺していった。

 

「わかった、話すからやめてくれ」

「話し始めるまで止めない」

 

 刺すのを続けた。

 

「依頼があった、俺達は金に目がくらんだ」

「お前の仲間の居場所はどこだ? 話さないなら読み取らせてもらうぞ」

 

 第三の目で男の頭の中を覗いた、三人が待機している、ゲートを開き男を放り込み俺と紅葉も入った、男三人は覆面をしていなかった、焦っている。

 

「こんな奴に俺が気付かないとでも思ったのか?」

 

 痛めつけた男の両腕を斬り落とした。

 

「誰に頼まれたか言え」

「それは死んでも言えない、言ったら俺達は殺される」

「誰に殺されるんだ? 他の仲間にか?」

「どこまで知っている?」

「俺が質問してるんだ答えろ」

 

 一人の男に達磨斬撃を食らわせた。

 

「後二人か、どう殺されたいんだ?」

「ほっ、他の仲間にだ」

「素直だな罰を軽くしてやろう」

 

 男の両腕を斬り落とした。

 

「さて後一人だな、仲間の場所に案内しろ」

「……」

「時間切れだ」

 

 男の頭に炎を付けた、顔と頭が焼けただれる、男は叫び転げ回った、炎を消し一人の男の頭の中を覗いた。

 

 ゲートを開き、本部らしき場所に四人を放り込んで俺と紅葉も入った、見たことのある顔の奴もいる。

 

「優斗さん、何故俺達の仲間をこんな目に合わすのですか?」

「こいつらは俺を殺しに来た」

 

 両腕を斬り落とした男が。

 

「リーダー、俺達は金に目がくらみました許してください」

 

 リーダーと呼ばれた男が刀を出し。

 

「誰にいくらで頼まれた? 優斗さんは龍王に認められた方だぞ、長なんだぞ」

「九州の八神一族の奥さんに五千万円で頼まれました」

「理由は?」

「旦那さんがドラゴンソードの持ち主と間違われて殺されたそうです」

「もういい、死んで詫びろ」

 

 リーダーが四人の首をハネた。

 

「優斗さん、どうかこれでお許し下さい」

「いいだろう、今後こんな奴らを仲間にするな」

「はい、気をつけます」

「俺達は帰る、死体は片付けておけ」

「はい、俺達の事を黙っておいてくれませんか? お願いします」

「お前らが暗殺部隊とは誰にも言わない、俺を勝手に覗くなよ」

「わかりました、ありがとうございます」

 ゲートを抜けマンションに戻った。

「ドラゴンソードを狙ってる奴がいるみたいだな」

「奪っても持てるはずがないのにね」

「簡単に覗けない様にバリアを張っておく」

 

 俺はマンションにバリアを張った。

 

「これで安心だ」

 

 テレパシーが飛んできた。

 

『優斗、金に目がくらんだ暗殺部隊のメンバーに狙われたそうだな』

『じいさん、何で知っている?』

『これでも長老だ、一族の事は全て耳に入ってくる』

『そうか、俺が痛めつけてリーダーが首をハネた』

『一応は信用出来る連中だ、暗殺部隊と呼ばれてるがそんなに野蛮ではない』

『わかった』

『お前らの無事を確認しただけだ』

『俺はあれくらい大丈夫だ』

『わかった、健児と桜花がそっちに行ったが仲良くしてやってるか』

『あぁもう一緒に飯を食うくらいまで仲良くしてる』

『弱く見えるが健児はキレると暴走するからな、覚えておきなさい』

『わかった』

 

 テレパシーが終わった。

 

「紅葉、聞こえてたか?」

「えぇ健児がキレるなんてあるのかしら?」

「大人しい奴ほどキレると怖いぞ」

「そうね」

 

 健児がキレたらどうやって止めればいいんだろうか? 俺が殺してしまいそうだ。

 

 紅葉がキッチンに入った、時計を見るともう晩飯の時間は過ぎていた。

 

「簡単な物でいいぞ、ただし大盛りで頼む」

「わかったわ、チャーハンよ」

 

 チャーハンを食べながら考えた、健児がキレるきっかけは何だろう? 絶対に何かトリガーはあるはずだ、桜花は止められるのだろうか?

 

「あなた、スプーンが止まってるわよ」

「あぁすまん、考え事をしてた」

「何の悩み?」

 

 俺は考えてた事を話した。

 

「桜花に聞いてみるわ」

「頼む、わからなければ俺が殺しそうだ」

「わかったわ」

 

 俺はチャーハンをかきこんで、ごちそうさまと言いリビングに座った、暫くすると紅葉がイソラテを持ってきて隣に座った。

 

「健児がキレるのは自分を全否定された時と桜花を馬鹿にした時らしいわ、桜花でも止めるのは難しくて学生時代からそれがきっかけで友達がいなかったらしいわ、半殺しにするまで暴れるそうよ」

「そうか、桜花でも難しいのか」

「友達がいなかったって可哀想ね」

「俺が友達になってやる」

「あら、意外と優しいのね」

「まぁな、また近い内に一緒に食事するか」

「そうね、健児もあなたが初めての友達になるかもって期待してるらしいわ」

「他には?」

「これで聞いたこと全部よ」

「ありがとう」

 

 友達だと言うのは簡単だが、本気で受け止めるかは難しい、徐々に打ち解けるしかないなと思った。

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