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ドラゴンソード ~殺戮の剣~  作者: 椎名 千尋
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第十話

 次の日早速事件が起きた、昼頃に桜花が泣きそうな声でテレパシーが飛んできた。

 

『健児がチンピラ相手にキレて止められないから助けて下さい』

『すぐに行く、待ってろ』

「紅葉、聞いたな」

「うん、どこにいるのかしら」

 

 俺は第三の目で探した、新井組の縮小された事務所だ、紅葉を連れて瞬間移動で事務所に入った、二人が体を真っ二つにされ死んでいる、健児は一人のチンピラの上に馬乗りになり、刀の柄と拳で雄叫びを上げながら殴り付けている、男の頭は潰れ脳が飛び散っていた、凄いキレ方だ。

 

「八神さん助けて下さい」

「お前らがこいつをキレさせたのか?」

「はい」

「下がっていろ、殺されるぞ」

 

 俺は健児に近づき、振り上げた腕を掴んで止めた、健児は凄い力で振り払おうとした。

 

「健児、その男はもう死んでいる」

 

 怒りの表情で俺を睨んで来た、怒りがこちらに向けられた、第三の目で睨み怒りを鎮めてやったらやっと大人しくなった。

 

「おい、お前ら俺の友達に何を言った?」

 

 健児が驚いて俺を見上げた。

 

「優斗さん……」

 

 チンピラ達は怯えながら答えた。

 

「コロッケを買って列から抜ける時にこいつがぶつかったので脅したら、八神だと言ったので、嘘を付くな俺達は本物の八神さんを知っている、お前みたいな偽者が八神さんの名前を使うな負け犬、って言ったら突然キレて事務所まで乗り込んで来たんです」

「それでこの有様か、こいつも八神一族の八神で俺の友達だ、八神は神戸に二組いる事を広めておけ、今日はこれで許してやる」

「わかりました、お二人ともすいません」

「死んだこいつらは片付けておけ」

「はいわかりました」

「健児、帰るぞ」

「はい」

 

 フラフラと立ち上がり俺に付いて来た、桜花は泣いていた、ゲートを抜け俺のマンションに戻った。

 

 紅葉が全員に飲み物を入れた。

 

「健児、落ち着いたか?」

「はい、おかげさまで」

「お前がキレると恐ろしいな」

「昔からなんです、それより友達って……」

「俺はお前を友達だと思っている、お前は迷惑か?」

「いえ、嬉しいです」

 

 やっといつもの穏やかな健児に戻った。

 

「俺がお前の事をこの辺り一帯のヤクザ達に伝えておく、これからは安心しておけ」

「ありがとうございます、俺の怒りを一睨みで止めた優斗さんはやっぱり凄いや」

「お前も俺を友達だと思ったからだろう」

「はい友達になれればいいな、とは思ってました」

「言葉で友達だと言うのは簡単だが、本気で友達だと思ってるから止めに行ったんだ」

「ありがとうございます」

「とりあえず帰ってシャワーを浴びろ、返り血と潰れた脳みそで汚れてる」

「はい、わかりました」

 

 桜花が泣きながら礼を言い、健児を連れて帰った。

 

「上手い事行ったな」

「あなた凄いわね、あの状態の健児を大人しくさせて、本当に友達だと思わせるなんて」

「俺もかなり必死だった、それが伝わったんだろうな、でないとあいつも受け入れなかったと思う」

「見直したわ」

「惚れ直してくれ」

「それも込めて見直したのよ」

「わかった、ちょっと新井に電話する」

 

 携帯で新井に掛けた。

 

「八神だ」

「今報告を受けました私の連絡ミスです、すいませんでした」

「謝らなくていい、こっちも三人も殺したんだ、八神一族が神戸に二組いることを広めておいてくれ、あいつがキレると止めるのが難しい、ある意味俺より怖いかもしれないぞ」

「わかりました」

 

 電話を切った。

 

「私の方も終わったわ」

「何がだ?」

「桜花と話したの、健児が初めての友達だと言って嬉しそうにしてるらしいわ、あなたに凄く感謝してるって伝えてくれですって」

「そうか、神戸に来て一番頭を使う事件だったよ、疲れた」

「そうね、やっつければいいだけじゃなかったですもんね」

「そうだ、少し寝るよじいさんに報告しておいてくれ」

「わかったわ」

 

 ソファーに横になった、上手く行って良かったとホッとして眠った。

 

 何時間経ったのかわからないが、健児と桜花の気配で目が覚めたが寝たフリを続けた。

 

 三人が小声で話をしている。

 

「紅葉さん、優斗さんが俺を友達だと思ってるのは本当ですか?」

「健児、それを疑うのは優斗に失礼よ」

「すいません、初めての友達なんです、どう接すればいいのかわからなくて」

「普通にしておけばいいのよ」

「わかりました」

 

 健児と桜花は泣いているようだ。

 

「紅葉、私も嬉しくてどう感謝していいかわからないわ」

「友情に感謝なんて心の中でするものよ、優斗が決めた事よ、徐々に打ち解けて行ってくれればいいわ、裏切る様な真似さえしなければいいのよ、これが重要よ覚えておいて」

「わかったわ」

「わかりました、起こしたら失礼なんで帰ります」

 

 二人の気配が消えたので起き上がった。

 

「起きてたの?」

「俺がお前以外の気配に気付かないはずがないだろう」

「話せば良かったのに」

「泣いてる二人を相手にするのは難しいし、お前が全部言ってくれたからな」

「まぁいいわ、おじいちゃんにも報告しておいたわ、よくやった褒めてやってくれですって、上機嫌だったわよ」

「そうかありがとう」

「次からはちゃんと起きてね」

「こういうのは知った方がいい事と悪い事がある」

「難しいわね、任せるわ」

「腹が減った」

「出来てるわよ」

 

 手の込んだ料理が出された、俺の好きなビーフシチューもある。

 

「久しぶりにお前の本格的な料理だな」

「時間があったし、たまにはね」

 

 ゆっくり味わって食べた、紅葉の料理は美味いと改めてそう思った。

 

「ごちそうさま、美味かった」

「ありがとう」

「お返しに今夜虐めてやる」

「はい、お願いします」

 

 紅葉の目がトロンとなった。

 

「おい、まだ気が早いぞ」

「あっ、うんごめんなさい」

 

 俺は紅葉のスカートに手を入れた。

 

「今からこんなに濡らしてるのか」

「だって」

「たっぷり奉仕してもらうからな」

「はい、させて下さい何でもします」

「とりあえず落ち着け、まだ時間はある」

「はい」

「イソラテを頼む」

「はい」

 

 紅葉は食器を片付けイソラテを持って来ていつもよりベッタリと俺にくっついた、気にしない事にして過ごしたが俺の股間を触ってくる。

 

「まだ早い」

「もう我慢出来ません」

「じゃあベッドに行こう」

「はい」

 

 裸にされ咥えられた、紅葉は俺の感じるポイントを熟知しているので気持ち良かった、俺も我慢出来なくなり早いが始めてやった、数時間紅葉を虐めながら激しく夜の営みをした。

 

 翌朝、起きると紅葉が満足そうに両手を広げた。

 

「何だそれは?」

「百点って意味よ、大満足したわ」

「お前は段々過激になっていくな」

「お風呂に入ってないからあなたの匂いで興奮したのよ」

「俺もだ、お前の匂いに興奮した」

「これからお風呂に入らないでしましょう」

「わかった、次は百二十点を目指すよ」

「あなたと一緒になれて嬉しいわ」

「俺もお前で良かったよ」

「あなたも結構変態ね」

「普通では満足出来なくしたのはお前だ」

「えへへ、今度も期待しておくわ」

「もっと勉強しておくよ、腹が減った」

「すぐに作るわ」

 

 服を着てリビングに座って待った、朝飯が終わるとネットでMを満足させるプレイを探した、結構勉強になった、紅葉がこれがしたいといくつか指を刺した。

 

「わかった、今度な」

「わかったわ、あなたも興味あったの?」

「お前の影響だ、健児にも何か教えてもらおうか?」

「いいわよ」

 

 俺は健児にテレパシーを飛ばした。

 

『健児、暇なら来てくれ、相談がある』

『いつでも行きますよ』

『じゃあ待ってる』

 

 数分で健児達がやって来た。

 

「何の相談ですか?」

「こんな事は友達にしか相談出来ないが、聞いてくれるか」

「えぇ嬉しいです」

 

 俺は紅葉の性癖と何をすれば喜ぶのかを聞いた、女は二人でキッチンのテーブルに座り喋っている、俺はリビングで健児にいろいろ教えてもらった。

 

「ありがとう、試してみるよ」

「俺と桜花も同じ性癖なので仲間ですね」

「そうだな、また相談させてもらう」

「いつでもいいですよ」

「お前達はもっと過激なんだろう?」

「恥ずかしいですが、そうです」

「持つべきものは友だな」

「相談なんて初めて受けました」

「俺も友達は少ないからお前が近所で良かったと思ってるよ」

 

 紅葉達も何か話してる様だ、顔が赤い。

 

「紅葉、四人で昼飯が食べたい」

「わかったわ、そっちの相談は終わったみたいね」

「お前らも終わったのか?」

「えぇ、終わったわ何か作るわね」

 

 食事まで健児とバカ話をした、料理が運ばれてきたので四人で食べた、食事が終わりコーヒーを飲むと二人は帰りますと言った。

 

「俺の相談なのに来てもらって悪かった」

「気にしないで下さい、また遊びに来ます」

 

 二人が帰った。

 

「健児にいろいろ聞けて良かった」

「あなたと健児が話してるのを見て桜花が涙ぐんでたわ」

「桜花が何でだ?」

「健児があんなに楽しそうに他人と話してるのが嬉しかったみたいよ」

「あいつらも付き合いは長いのか?」

「私達と同じくらい長いらしいわ」

「そうか、お前らは何を話してたんだ?」

「あなた達と同じよ、いろいろ教えてもらったわ」

「お前は飲尿プレイに興味はあるか?」

「凄くあるわ、飲ませてくれるの?」

「あぁいいぞ、お前のも飲ませてくれ」

「いいわよ、桜花達もしてるそうよ」

「健児のお勧めプレイだ今度試してみよう」

「楽しみだわ」

 

 突然ゲートが開いた。

 

「誰だ?」

「暗殺部隊のリーダーの佐助です」

「入れ」

「お邪魔します」

「何かあったのか?」

「ドラゴンソードを狙っている奴がいると、殺した奴が言ってたのを覚えてますか?」

「あぁ覚えてる」

「独自に調べさせてもらいました」

「誰かわかったのか?」

「個人までは特定出来ませんでしたが、鬼の一族の誰かだと言うことがわかりました」

「鬼の一族って俺達の様に鬼の血が混ざってるのか?」

「そのようです、四人か五人のグループが狙っているみたいです、鬼頭一族です」

「鬼頭一族の本拠地はどこだ?」

「我々と同じ京都ですが日本海側です」

「そうか、ここまで来る確率は?」

「十分あります、気を付けて下さい」

「わかった、調べてくれてありがとう」

「我々も加勢しましょうか?」

「その時になったら考える」

「わかりました、では失礼します」

 

 リーダーの佐助が帰った。

 

「鬼の一族か、八神一族の一人を殺したくらいだから強そうだな」

「また厄介事が増えたわね」

「その時は健児にも助けてもらおう」

「そうね、早めに伝えておいたらどう?」

「わかった、今言っておく」

 

 健児にテレパシーを飛ばし、簡単に説明をしたら、助っ人しますと返って来た。

 

「紅葉、健児が助っ人に来てくれるそうだ」

「わかったわ、私も加勢するわ」

「お前と桜花は見ておけ、どんな能力を持っているかわからんからな」

「鱗が守ってくれるわ」

「わかったが、あくまで助っ人だからな」

「うん、わかった」

 

 第三の目で鬼頭一族を探した、聞いてた通り京都北部に一族が見えた、みんな穏やかそうだ、狙っている奴らだけ特殊なのかもしれない、じいさんが何か知ってるかもしれない、テレパシーを飛ばした。

 

『じいさん、鬼頭一族を知ってるか?』

『鬼頭一族は鬼の一族だが大人しい連中だ、何かあったのか?』

『鬼頭一族の四人か五人がドラゴンソードを狙っているみたいだ、暗殺部隊のリーダーが調べてくれた』

『あの連中が狙ってもドラゴンソードは使えないだろう』

『俺もそう思うが、鬼の一族は何か特別な能力を持っているのか? 九州の八神一族の男が一人殺されている』

『我々より弱いが超能力が少しあるのと、体が頑丈なのが普通の人間と違う点だ』

『そうかありがとう』

『暗殺部隊に助っ人に来てもらえばいい』

『あぁリーダーも加勢すると言ってくれた』

『まぁ大丈夫と思うが気を付けなさい』

『わかった』

 

 テレパシーを終えた。

 

「おじいちゃんと話してたの?」

「そうだ、鬼頭一族は本来大人しい連中らしいし、超能力も僅かにしか持ってないが体が頑丈らしい」

「そう、ドラゴンソードを狙ってどうするつもりかしら?」

「そこまではわからない、まぁいい来たら斬り捨てるだけだ、疲れたから寝る」

 

 ソファーに横になった、今何時だ? もう目を開けるのも億劫だそのまま寝た。

 

 美味しそうな匂いに釣られ目が覚めた。

 

「今起こそうとしてたとこよ」

「肉か?」

「そうよ、ステーキじゃないけどね」

「肉なら何でもいい」

 

 肉と野菜の炒め物とレバニラが運ばれてきた、これは美味そうだ白米と一緒に食べた。

 

「美味い、お前の料理は全部好きだ」

「高校卒業してからの二年間、ほとんどおじいちゃんの家であなたと一緒に食べてたからあなたの好きな味付けはわかってるわ」

「これからも頼むよ」

「うん」

「お前は俺の三大欲求を全て満足させてくれている、俺にはもったいないな」

「あなただから尽くすのよ、あなたも私にはもったいないくらいよ」

「俺じゃなかったらどうする?」

「出て行くわ、死ぬまで一人で暮らすわ」

「怖いな、突然出て行かないでくれよ」

「大丈夫よ、念願のあなたの妻になれたし」

 

 紅葉はさっきから真剣な表情だ。

 

「他人から見ればバカップルだな」

「他人からどう思われてもいいわ、私にとってあなたが全てなの」

「ありがとう俺もだよ」

 

 飯が終わったので、ごちそうさまと言い箸を置いた、紅葉はまだ喋りたそうだが紅葉の気持ちは十分伝わった、今日はこの辺りでいいだろう。

 

 紅葉が食器を片付け飲み物を持ってきて、また普段よりベッタリ腕を組んでくっついて来た、紅葉じゃなければ突き飛ばしていただろう。

 

「あなた、私の気持ち重いかしら?」

「いや、お前だから嬉しい」

「えへへ、ありがとう」

 

 俺の頬に吸い付いてきた。

 

「ホッペタにキスマークが付きそうだ」

「頑張ったけど付いてないわ」

「ちょっと離してくれ、トイレに行きたい」

「駄目、飲尿プレイするんでしょう?」

「まだ時間はある、俺はもう漏れそうだ」

「わかったわ」

「じゃあとにかく離せ」

 

トイレに入って用を足した。

 

「お風呂に入りましょう」

「あぁ昨日入ってないしな」

「また洗ってあげるわ」

「わかった」

 

 風呂に入り全身洗ってもらい満足した、風呂から上がりリビングに座ると健児にテレパシーを飛ばして報告した、健児も嬉しそうに聞いていた、桜花のトイレ禁止も本当か聞いたが本当らしい、細かく聞いたが俺にはハードルが高いと言ってテレパシーを終えた。

 

 紅葉も誰かとテレパシーで会話している。

 

「あなた桜花が次ぎはスカトロね、だって」

「健児にも言われたがハードルが高い」

「臭くないやり方も聞いたけどまだ無理ね、あなたと価値観が同じで嬉しいわ」

「そうだな、お前と考えが一緒で安心だ」

「後、健児があなたと友達になってから男らしさが出てきたって喜んでたわ、主従関係が成立したらしいわ」

「良いことじゃないか」

「私たちは?」

「俺がご主人様でお前が奴隷だ」

「もっと」

「じゃあお前は俺の肉便器だ」

 

 紅葉が抱きついてきた。

 

「体に電気が走ったわ、嬉しい」

「言葉責めが好きだな」

「うん」

「普通の女だったら怒るだろうな」

「私にはご褒美よ」

「わかった、デザートを出してくれ」

「はい」

「食ったら寝よう眠くなってきた」

「わかったわ、あなたもっと命令口調でもいいわよ」

「普段とプレイは分けたい」

「まぁいいわ」

 

 寝室に入り裸になりベッドに寝転んだ、紅葉も裸で横になり俺を抱きまくらにした、いつものことだ気にせず目を閉じた。

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