1-10
ディールは取り分のいい仕事をしているだけあって、ホワイトナイトの中で三本の指に入る高級ホテルにあたしを連れていった。
得意げな顔をしてみせるから尊敬のまなざしを向けたけれど、あたしはここには過去の恋人と何度も来ていた。
新鮮みには欠けるものの、天井が高い部屋とアメニティが複数のブランドで揃えられているところが気に入っていた。
両手を広げたよりも大きな窓から眺めるホワイトナイトには、夜に相応しい品のいい明かりがぽつぽつと浮かんでいる。
視線を右手に向けると、惜しみなく輝くネオンに染まったポーラーの空が目に入る。
どぎつい色のネオンも、離れて見ると宝石が集まっているようで美しい。
人間の欲を引きつけるようにできている街に、あたし自身も心を奪われている。
鍵をかけた部屋に二人きりになれば、どんな男も胸の内をさらけ出す。
甘い言葉を程々に囁き合った頃、ディールの手がはっきりとした意思を持ってあたしの肌の上を這った。
ドレスのファスナーを探るその指は、酔っているわりに器用に動く。
これから始まることを想像して熱い息がもれる。
相手が誰でも、やることは同じだ。
もったいつけてピアスを外すあたしを、ディールが後ろから抱きしめる。
うなじに感じる息遣いには既に余裕がない。
一方的に食べられてしまうのは好きじゃない。
恥じらう姿を見せるために、ここまでついてきたわけじゃないんだ。
ディールの腕の中で身体を回し、ちろちろと舌が覗くその唇にあたしの方から噛みついた。
*




