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06 研鑽

  

  

(あれからもう1年が過ぎたが、相変わらず毎日毎日同じ事の繰り返しだ。表層は相変わらず同じ事を繰り返し、世間も同じ事を繰り返している。あのパワー、まさに次元が違うって感じだったな。だがしかし、何故バレた。オレは確かに違う世界を選んだはず……なのに何で行き先がバレたんだ。つまり、そういうのを察知する力があるって事か。やれやれ、腰を据えてじっくりと研鑽するしかないか。あの世界で2000年過ごしたように……しかしな、表層に細工してオレの串肉を、あたかもメイドが作ったかのように見せかけて毎日供給するのはどういう訳だよ。そりゃ美味いよ、あの串肉はよ。だけどな、それじゃ意味が無いだろ。なんで飯が手出しなんだよ、ふざけやがって。せめて、調整をしているあいつを何とか出来ないか? よし、まずはそれからだな)


うん、串肉はやっぱり美味いな。

毎日、朝に2本、昼に3本、夕食に2本と。

この星で肉がふんだんに食えるってのは、中々に贅沢な話だ。

しかもこれ、香辛料を使ってあるんだよな。

この厳寒の星で、香辛料なんかは採れない。

だから輸入品目の中でも相当に高価な品だ。

それをふんだんに使ってある串肉とか、売ったら相当高価だぞ。

それを毎日7本も食えるってのは、優雅な生活と言えるかな。

それと引き換えに自由は無いけどな。


(だからな、そいつは手出しだっての。かつてオレが作ったんだからよ。この世界の家畜で作っても、香辛料を使っても、そんな美味い串肉になるはずがねぇだろ。あの肉は特別に美味いんだからよ。それなりの奴はもう殆ど売りさばいてんだ。だから銀貨5枚にしてこれからって時に勝手に拉致しやがって、しかもこの星に留めようとしやがって。まあ、じっくりと研鑽して、何時か好き勝手に……それまで我慢してやるさ)


今日は合同研修会らしい。

何を研修するのかは知らんが、成人の心得ってか。

まあ、オレも15才になったんだし、これからは今までのようなのんびりとした暮らしも終わりになるか。


(毎年、この調整をやるんだよな。だけどな、少しずつ分かってきたぜ。毎回、同じ雰囲気を感じるんだ。そいつが固有の雰囲気ならば、そいつを感じればそいつが特定出来るって事だろう。つまり、オレの雰囲気を変える事が出来たら、もう見つかる事も無いと)


「おい、起きてるか、ハロン」

「おう、今行く」


やれやれ、今日も朝から……てか、毎朝、呼びに来るよな、あいつも。

そんなに急がなくても良いだろうに、何で呼びに来るかな。


「なあ、何で毎朝、呼びに来るんだよ」

「いや、お前、寝坊するだろ」

「だからさ、それの何がいけないってんだ」

「お前が魔力を撒いてくれないと、こっちは仕事にならんのだよ」

「だからって早朝に来るなよな」

「良いじゃねぇか、どうせお前は魔力を撒くだけなんだから。オレらは毎日毎日、畑仕事をやってんだ。楽してんだから協力しろよな」

「ならお前が魔力を撒けよ、オレが畑仕事をしてやるから」

「オレにそんな魔力があるかよ。くそっ、てめぇ、ちょっと魔力が多いからって、ふざけんなよ」

「ああ、止めた止めた、今日は魔力パスな」

「待てよ、てめぇ、おい、こら……待ちやがれぇぇ」


バタン、ガチャ……ダンダンダン、ダンダンダン……


ああ、煩いな。


もういい、食料が尽きるまでここで篭城してやる。

毎日毎日、同じ事の繰り返し、いい加減飽きちまったぜ。


(調整……干渉波……調整)


(捕捉したぜ、その雰囲気……その雰囲気の元に、全力で【枯渇ダメージインパクト】……食らいやがれっ、そして転移だ……おお、こりゃいい。大量の混ざった力、全部吸い取るぞ……【吸収バキューム】ふうっ、これは快感だな。よしよし、身体に戻って、表層を据えた個体を設置すると。いやはや、こいつの吸収で知識がまた増えたぞ。ご馳走様、くっくっくっ)


「おい、起きてるか」

「ああ、今行く」


さて、今日も魔力を注入しますかね。


(後は任せたぞ。ただし、串肉はもう無いからな、そこは何とかしてくれよ、くっくっくっ……)


転移ワールドアクセス


さて、雰囲気を変えて潜入、これでどうだ。

何か……かすったな。

全く違う雰囲気にしているからいけると思うが、ひとまずそこいらに潜り込むか。

しばらくこいつの裡で眠るとするか。


(やれやれ、波を変えやがったか。まあ、合格にしといてやるか。ただ、オレのアンテナに気付かんのはまあ、無理も無いって事で……美味かったか、オレの表層。あれでもそれなりの力で管理もどきをやってたんだ。そいつを吸収したから知識もかなり増えたろう。身体再構築も何とかやれてたようだし、その調子で磨いていけば良いさ。ふむ、キツネとウルフの弟子もそれなりになったようだし、あいつはオレの弟子って事で……さあ、楽しませてくれよな、クククッ……さて、ちょいと送り込むぞ。送り先なんだが、ちょっと変わった管理かも知れんが、困ったら暴れろ、クククッ……じゃあな)




 

ひとまずこの話はここまでです。後は『さすらいの魔皇子2』になります。


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