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第三話:その森って・・・。前編

このお話しは二話に分けて書きたいと思っています。

あまりにも長い話になったので・・・(笑)

中途半端で終わっているのには突っ込まないで下さい






「キッド大丈―――ああ、大丈夫みたいね」

「よく見ろーーーー!!!顔面腫れまくってんのに!?これを大丈夫って言うお前の眼が大丈夫か!!!?」

「それだけ叫べるなら大丈夫よ」

「・・・・・・・・・。」



この時キッドだけに分かったラビからの無言の圧力は“リアの悪口を言ってもいいと思ってるんですか??馬鹿”と伝えていた。


慣れているリアは怒涛の勢いで土下座し、謝りまくる彼の頭をつんつんと突付きながら小さな声で笑った。




「で、その森はどこにあるの??」

「あーと・・・西の森をぬけて左に曲がってその森もぬけて、もう一回左に曲がってその森も・・・そして、最後に左に曲がった森だ!!」



西の森・・・私達の家の隣にある森ね。





そこをぬけて・・・左に行って・・・もう一回左に行って・・・最後に左・・・。



あれ・・・??









「「そこってココ(いえ)の後ろの森??」」

「え・・・マジで!!?うわぁぁ!!俺の一日の冒険が水の泡ぁぁ!!!?」

「・・・・・・・(一日も冒険してたの!!?)」

「・・・・・・・(思った以上に重症の馬鹿だったんだね・・・)」




本気でドン引きしている私達の隣で頭を抱えて叫ぶキッド。






私達の家の後ろには深い森がある。

その森の奥は様々な噂があって、あまり誰も寄りたがらない。

その噂とは、魔物が出るだの 悪い小人がうじゃうじゃいるだの 悪魔が巣を作って子供を連れ去るだの・・・全くもって信憑性の無い物ばかり。



その証拠に、最近好奇心の強い少年たちが入っていったが、夕方になると普通に戻ってきたのだ。


しかし、その森に不気味な雰囲気が漂っているのは本当で夜になると真っ暗で一寸先も見えなくなる。















 ◇



「ねえ。本当にココ入るの??」

「ったりめーだろ!!俺が一回入ったから大丈夫だ!!ハッハァッ」

「大丈夫、リア。すぐ済むから」


キッドの腕にすがりつく私の頭をそっと撫でる兄さんの手はとても暖かく眠くなるほど安心した。

兄さんが居れば大丈夫・・・かな。やたらと強いし、キッドより頼りになるしね。


「ていうか・・・元はといえば、お前があんな挑発に乗るから―――」

「間違えるな。ああでも言わないと馬鹿はもっと五月蠅く騒ぐだろう」

「ちょッ・・・口調違うだろッ」


彼は冷たい眼光の灯った瞳をキッドに向け小さく舌打ちした。

その小さな音にはリアは気が付かなかったが、キッドの耳にはしっかり届いた。



ものの数分前。


自宅で騒ぐキッドの頭を押さえつけながら兄さんは


「うるさいなぁ・・・もういい加減にしてくれない??なんでそんな危険な所にリアを連れ出さなきゃなんないんだよ??」

「だって・・・ほんっとうに綺麗なんだってッ!!昨日見たんだよッ」

「「何を??」」


キッドは少し口ごもってから、小さな声で呟いた。


「火の玉・・・」

「えっ!!?」

「だぁぁぁぁ!!どうせ信じてねーんだろ!?だけど本当に見たんだってッ!!赤く光る小さな玉がふよふよ浮いてるのを!!」




・・・・・・・今回は本当みたい。


あまりにも必死に力説する彼を見て思った。

前回私を呼びに来たときは“ユニコーンをみた”とニコニコ笑いながら叫んでいた。


なんだかんだで嘘だったので、彼は兄さんにボコボコにされていたのがまだ記憶に新しい。





「あっもしかしてラビ、怖いのか!!?」


行った瞬間兄さんはフッと花から抜ける笑みを零した。


「まさか。殺されたいのです??馬鹿」

「ッ・・・じゃあ行こうぜ!!怖くないこと証明してみろよ」


珍しく反論した彼に若干驚きつつも“はーやーくーーー!!!”と叫ぶ彼の顎に裏拳をかまし、大きくため息をつきながら


「分かった・・・その代わり、夕方までには帰るから。リアを危ない所へは連れて行かせない」

「・・・わかってるって!!!いこうぜ」










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