第二話:私達の日課・・・??
すごい可哀想な登場人物がでます。
生温かい目で見守ってあげてください・・・(笑
私達が朝食を食べ終えた瞬間にそれはやってきた。
「そろそろ・・・かな」
ラビ兄さんがポツリと呟いて肩を回した。
「リアぁぁあぁ!!!!!」
扉を蹴飛ばす勢いで少年が乱入してきた。赤いジャケットを着た彼は猛スピードでたいした距離もないリビングへ。兄さんは彼の動きを予想したかのように、私に飛びついてきた彼の顎にショートアッパーを叩き付けた。
「ふぐぅッ!!」
「また性懲りもなくやって来たのか、馬鹿キッド」
彼―――キッド=ラブレは何も付いていない口元を拭いながら“フッ・・・なかなかやるな”と言って立ち上がった。
「だが、甘い!!これしきの事でこの俺が負けるとでも思ったかああぁぁぁッッ」
「五月蠅いよ」
ラビ兄さんは綺麗に整った顔の表情を変えることなく、殴りかかってくるキッドを返り討ちにしている。あと数分もすれば彼の顔面は見るも無残に腫れ上がっているだろう。
・・・・・・・毎朝毎朝なんで飽きないのかなぁ。
何事もないように仕事に出て行く父さんに手を振りながら、心の中でそっと呟いた。
「リア、済んだよ」
「え、ああ・・・ありがと兄さん」
ニッコリ笑って“お安い御用だよ”と言って嘗てキッドだったものを後ろに放り投げた。キッドの顔は予想通り腫れ上がっていたが、兄さんも私も特に気にすることなく笑い合う。
「で、今日は何だ?馬鹿」
「せめて“キッド”を付けてくれ!!」
「ハハハ。君なんか馬鹿で十分だよ」
爽やかな笑顔を振りまきながら、兄さんは奇声を上げるキッドの顔面を革靴で踏みつけて言葉を投げかける。
そろそろ近所迷惑になりかねないと思った私は兄さんの暴挙を止めさせてから彼に微笑みかけた。
「キッド。今日は何?遊びのお誘い?」
「へっへーん、残念でした!!今日はもっといいことがあるんだっ。それでリアに付いて来て貰いたくてこコッソリ会いにこようと思ったんだけど、興奮しちゃってさぁ。思わず飛びついたらこの―――」
「なんだい??馬鹿」
「・・・・・・・・・・・いえ、何でもございませんですのですかわッはははぁ」
黒いオーラと冷たい声を感じたキッドは引きつらせた笑顔を兄さんに向けながら汗を拭った。
さっきから話がそれまくってるような気がする・・・。
◇
「で、その不思議な森にリアを連れて行きたいんだね??」
「そうさッ!!リアだって興味あるだろぉ??」
興奮した面持ちでリアの肩を掴んで前後に振り回すキッドの手をラビ兄さんが叩き落とした。
キッドは手を摩りながら唇を突き出して拗ねたような顔をして
「・・・シスコンラビめ」
と呟いた。
その瞬間、兄さんの音速エルボーがキッドに飛んでいったのはいうまでもない。