prologue
これは、地球が今の状態になる前の、遠い遠い昔話。
昔々、あるところに、
人間たちの暮す国と、天使たちの暮す国と、悪魔たちの暮す国がありました。
その三者たちは毎日のように領土争いをしていました。
その中でも、最も勢力を拡大していたのは魔王率いる悪魔たちでした。
しかし、その悪魔たちの国には、ある噂がありました。
「本当は、魔王ではなく、他にもっと強い者が一人、いるのだ。」と。
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ある朝
「もう、朝でございますよ!起きていらしてください!アリス様!」
「ん~...あと...もう少し.......」
「あ!!二度寝する気ですか!?今日もお仕事が山のようにおありだというのに!!!」
「うるさい...ヘルガ...もう少し...寝さし...て.....ぐぅ」
「はぁ...またアリス様が起きてくださらないわ...しかたない、ジル様のところへ「それはだめだ!!!!!」それなら早く起きてくださいな!」
「...わかったよ...だからジルのとこへは...「私が何か?」うわああああ!!でたあああああああ!!!」
「...私は虫か何かですか...はぁ...ヘルガさん、今日もお疲れ様ですこの人は私にお任せなさい。ほらアリスさん、早く起きなさい。」
「へーい」
ヘルガはお辞儀をしながらどこかへ行った。
王の部屋へ行くのもこいつと一緒だった。
なにも話さないのもアレだし...
「つか、なんでお前がここに来てるんだよ」
「王に呼んで来い、と仰せつかったもので。」
「そりゃまた大変だねえ」
「いえいえ、貴女の今日の仕事量に比べたら...」
「はぁ、今日は何処を潰せばいい?」
「南のほうにあるマグノリアという町です。」
「町?国じゃないのか?」
「ええ、マグノリアは町にしては大きいので。」
「おっけ。人数の予想は?」
「そうですね...」
そういってジルは考え込んだ。
きっと今コイツの頭の中は俺が絶対理解できないような事になってるだろう。
「ざっと、3万といったところでしょうか。」
「それなら俺一人で片がつく。移動用の連中を二人くらい寄こせ。」
「ええ、そのつもりです。それからアリスさん、そろそろその言葉遣いをどうにかしてください。仮にも貴女は女性なのですよ?」
「うっせー。めんどくさいんだよ、そーゆーの。」
「...(駄目だ、この人には何を言っても通じない...)」
「なんか今失礼な事考えたろ」
「いえいえ、そんな。滅相もありません。」
そういってコイツはニコッと笑った。
気味が悪い。気色悪い。
「...貴女こそ、失礼な事をいつもお考えで。」
「思っちまうんだからしゃーねーだろ。」
「...もういいです。」
こんな会話をしながら、扉を開いた。