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カナンと寿命
朝食後。
カナンは慌ただしく荷物を纏め始めた。
ラトが手伝いを申し出たが、かえって邪魔になるので断わった。
準備が整うと、カナンはラトに大型の竜になるように言った。
「暗くなってからのほうが気付かれないんじゃないか?」
「でも、暗いと荷物を括り付ける時に見えなくて困る」
「竜族は暗くても見えるから大丈夫だ」
「……私も?」
「ああ。おまえの身体も竜族と同じように変化したはずだ」
「……それなら、夕方まで待つ」
カナンは昼用の軽い食事を用意しながら、ラトにこれから住むことになるオリオルについて訊いた。
「冬は雪に埋もれてしまうが、住処は快適だから大丈夫だ」
「冬越えの準備はしてあるよね?」
「ああ。ちゃんと二人分用意した」
「ラトは一人で住んでるの?」
「ああ。竜族は成体になってからは伴侶以外とは住まないからな」
「生まれてからどのくらいで成体になるの?」
「百五十から二百年くらいだな」
「……竜族の寿命って、どのくらいなの?」
「だいたい千年くらいだ」
「……ラトは今、何歳?」
「たぶん百六十くらいだ。おまえは何歳なんだ?」
「……十四」
「そうか。人間は成長が早いな」
「そうだね……」
カナンは竜族の寿命を聞いてクラクラした。
自分もこれから同じだけ生きるのかと、気が遠くなる思いだった。




