destroy?DESTROY!!
その日、麟酸の居る公園から去った後、私は私にとっての敵に出会す。
それは、私の帰り道、私の家は少し郊外寄りの樹海を抜けた先にある小屋、そこが私の家族の自宅。
私はいつもの道を辿っている、ただ辿っていると、錯覚していた、私は同じ場所をぐるぐる回されているだけだった。
「あれ?
さっきも通ったわね、ここ」
これが何度も繰り返していた、私は進行方向を変えて歩く、すると、ラーメン売りのラッパの音が聞こえてくる、私は現在千円持っており、とりあえずお腹が減ったのでラーメンを食べようと屋台へ向かったら、そこに売っていたのは
「あっ、どうも~、竿竹を買いに来てくれはったんですね?
二本で千円でございます」
竿竹を売ってるおっさんが居た、とりあえず
「いらない……」
と、告げてこの場を去っていくが、また同じ場所をぐるぐる回されてしまう。
そしてこの場所に戻ってきた。
「お?
さっきのお客さんじゃありませんか、竿竹、買う気になりました?
二本で千円ですぞ?」
また、この男が竿竹を売ってきた、うっとおしい、勘弁して欲しい、が、ここは堪えてその場を去った。
「う~ん……竿竹、売らないと兄さんが五月蝿いんだよなぁ……」
男のこんな感じの声が聞こえたが、そんなものは知らん、ただ私は家に帰りたかった、既に時計は六時を回り、親も心配してる頃だ。
そして気が付くと
「竿竹~竿竹~
二本で~千円、二本で~千円でございます」
またお前か、流石にイライラしている私がそこに居る、もう限界に近い、それでもあいつは
「竿竹、買ってくれれば、みんなが幸せになれるのです、どうです?
運気を上げるためにも、この竿竹、買ってみませんか?」
詐偽じゃない、私は呆れて、その場を去るも……
樹海の同じ場所をぐるぐる回されて、再びここへ戻ってきた
「やっぱ、買いますか!
千円で~ございます」
私はキレた
「許さない……
貴方を、デストロイするわ」
すぐさまシャーペンを男の腕に突き立てた!
「お客さま!?
何をするので……す……」
そのままあいつは倒れて、私はスッキリした、そして私の手元には、三万円が握られていた、どうやらあいつはプレイヤーだったようだ。
スッキリした所で再び私はその場を去るわけなんだけど、またぐるぐる回される、と、思っていたらしく、慎重に歩いていた、が、その心配は必要無く、私は無事、樹海から脱出出来た。
あれから翌日の出来事、私は登校中に、学校の制服を着た幼い子どもを見掛けた。
まるで眠そうな顔をしており、非常に可愛らしいので声を掛けてみた
「ん?
貴方、うちの生徒?
見掛けない顔ね……
転校生かな?」
少女は私に、こう掛けてきて、私はこう答えた。
「はい、所で貴方はどうしてコスプレしてるんです?
気持ち悪いですよ?
子供でも……」
「子供じゃないもんっ!!
私は神無月白!生徒会長よ!!」
怒られてしまった、しかもとんだ無礼を働いた、そんな気分になってしまい、その場で俯いた。
「まあいいわ、貴方、名前は?」
白先輩は私の名前を聞いてきて、お咎めが無くちょっぴり安心感に浸った後
「夏野冬奈……です……」
とりあえず正直に自分の名を語る、更に、自分が転校する経緯も話した。
「ああ、それはある意味災難ね、――その双子の妹さん」
白先輩はけっこう優しい感じで話している、が、彼女が何を考えてるのか私には分からない、が、彼女の胸を見て、その後私自身の胸を見た
「勝った……」
たった一言、こう、呟く私がそこに居た
「……なんのこと?」
先輩の一言、私はこう答えてみた
「胸の大きさ……先輩、小さいですね、身長だけでなく、胸も」
「ちっちゃくないもん!!
これでも中三だもん!!
馬鹿にしないでよねっ!!」
怒られてしまった、どうやら小ささをコンプレックスにしているようで、ちょっぴり可愛かった、けどそれでもこの人は生徒会長、威厳はきっちり備わっている……多分。
「で、先輩はどうしてこちらに?
生徒会なら、既に会議とかやってる辺りじゃ無いんですか?」
「重役出勤って奴よ、まあ私、会長だから問題ないわよ」
いや、問題大有りだ、だって重役出勤って言うのは、よく始業時間から大きく遅れる人に対して使われる言葉、そんなんで務まるのか?
私は少し学校の先行きが不安になってきた。
「そうそう、放課後、生徒会の部屋に来なさい?
これは絶対よ?」
まさかの呼び出しを受けてしまった、さて、私の先行きもどうなるのやら……
昼休み
私のケータイに一通のメールが届く、そう、これはゲームの運営から届いた一方的なメールだ。
内容は
「運営より、指令を送る。 黒木龍、この男をリタイア させた者に十万円を贈呈する。 この男は薔薇園学園に居る、分かっている 情報はそれだけだ、ぜひ、頑張ってくれた まえ。」
という内容の物だ、私は、どういう事なのかを理解出来ない、だから、この試練みたいな物を、パスする事にした、私は私の判断を下した、たったそれだけなのだ。
そして放課後
私はランドマークタワーとスカイツリーの高さの丁度間の高度に位置するらしい、生徒会の部屋の前に居た。
「はいはい、入って入って」
白先輩の声が聞こえてきた、私はその声に釣られて、入った。
「いやぁ~、よく来たね、まっ飲み物はご馳走するよ~」
「じゃあ、紅茶で……」
私は紅茶を頼んだ
「紅茶ですか?
夏野さんとは良い紅茶が飲めそうですわね♪」
近くにいる副会長、らしき人が声を掛けてきた。
「あ、あの~、どちら様です?」
とりあえず私は、名前を聞いてみた、すると
「わたくし、百合ヶ丘学園生徒会、副会長を努めております、マゼンタ・ネザーワールド、と、申します。
よろしくお願い致しますわ」
と、どうやら口調から判断する辺り、何処かのお嬢様、と、言った所、気品溢れて綺麗な人だ。
そんな人がこの白先輩の言った通りに仕事をしている。
「まっ仕事の半分は全てマゼンタに押し付けてるんだよね。
向こうは嫌がってないから、いいけど」
「嫌がってたら自分でやるんですか?」
「当たり前じゃん、面倒だけど」
白先輩、ダメな人に見えてきた私が今、そこにいる、けど、私は、少し聞いてみた
「あの、先輩はゲームとか言う物をご存知ですか?」
「ゲーム?
当たり前じゃん、生徒の半分くらいはやってると思うよ?
現に私とか」
予想外の答えだった、外見だけ幼女のこの先輩には分からない、と私は思い込んでいたから、少し驚いた、それが表情に出てたらしく
「何か今、私を馬鹿にしたでしょ?」
うわ……バレてる、私は心から白先輩を馬鹿にしていた、私は何も言い返せず
「うぅ……そうやってみんなで私を子供扱いして……
これでも十五何だよっ!!」
「飲み物を御持ち致しました……」
マゼンタ先輩が割り込んできた、そういう事があって、私はこの時間を満喫したのであった。
私の視点は一旦ここで止めるわ。