Two persons' childhood friend
僕がプレイヤーになって二日、平穏な日常に新たな展開を迎えようとしている。
いつも通り僕達は百合ヶ丘学園に登校して、八時四十五分、チャイムが鳴り響いたあと、まっさんが教室に入ってきて、授業が始まりを告げる、これが普段なのだが、今日は少し違うようだった。
「はい、席に着いてくれ。」
ここまではいつも通りのまっさん、だが次の一言。
「ま、今日もいつも通りどうでもいい話しだ、転校生が二人、この学校に来た訳だが、その内の一人、このクラスで面倒見ることになった。」
どうでもいいことじゃないな、寧ろ大事なことだと思う。
まあ、そんなまっさんが転校生の話しをした後、まっさんがアメリカ式挑発で転校生に入ってこい、と言わんばかりの仕草を取った。
その姿を見た僕は……いや、僕と夏波は驚愕する。
だって、その姿は、小学三年生の頃に北海道に引っ越していって、それっきりだった僕達兄弟の幼馴染みの一人だったからだ。
「ほれ、自己紹介をしたまえ。」
まっさんの言葉に幼馴染みは
「夏野冬奈、特技はあやとり……
よろしくお願いします。」
夏波は、びっくりしていて何も言えない、そんな中まっさんが
「冬日妹、お前がノーコメントなんて珍しいな?
体調でも悪いのか?」
「え!?いや……違うぜ?」
少し動揺を見せる夏波、無理は無い、約三年ぶりの再開だ、僕だってびっくりしている。
「じゃ、夏野、――お前の席はあそこ、冬日春乃の隣だ。」
まっさんは丁寧に席の場所を教え、冬奈をそこに座らせた。
僕は何も言わなかったが、冬奈は
「相変わらずね……」
「え?」
僕は冬奈の言葉がどういう事なのかが分からない、だからこう返すしかなかったが……
「相変わらずあなたは女の子の真似をしてるのね……
気色悪い……」
暴言だった、確かにそんな時代が僕にはあったけど、そこまで覚えている何て……
「そんな事は無い。」
僕は、ゆっくりと昔を思い出していた、良く、冬奈と夏波と僕とで遊んだ、冬奈の妹は家に引きこもりがちで遊んでくれなかったのも覚えている。
「……秋葉は元気?」
僕はもう一人の幼馴染みの少女、夏野秋葉の事を聞いてみた、すると冬奈は
「あの子なら元気よ。
多分隣の教室に居るんじゃ無いかしら?
……何でわざわざあの子の事を聞いたの?
まさか……春乃……秋葉に気でも有るのかしら?
全く、――あの子にそんな魅力あったかしらね……」
冬奈の話しの最中僕はつい冬奈の太ももの辺りをチラチラ見ていた、とても綺麗な脚をしているが故の僕の行動だったのか?
とりあえず僕は昼休み、見に行くことにしたのだった。
時は昼休み、僕は秋葉の様子を見に行くために、隣の教室C組に向かった。
因みに僕はE組だ、C組のむかい側がD組である、C組の秋葉の様子を見た、ただ、彼女を見た時、衝撃的な光景がそこにはあった。
だって、彼女は虐められてる気配が無いが、誰ともしゃべっておらず、所謂ぼっちなのだ、しかも彼女は幼い頃から僕の事を嫌ってるのかは分からないが、会話しようとしなかったが……
「……はる……のん……?」
何かこんな声を掛けられたような、気がした、そして昼休みが過ぎていった、放課後にでも声を掛けて見ようかな?って、僕は思っていた。
そして放課後
僕はC組に向かった、そこには秋葉が一人、ぽつんと読書をたしなんでいた。
「……」
僕は、つい、本の内容に夢中になってしまった、だって、それは、ゲームの攻略本なのだ。
そんな時、秋葉が
「はるのん……?
はるのん!!
久しぶり♪」。
嫌っては居なかったようだ、寧ろなつかれていた、しかし、よく見ると、痣が見える。
「秋葉、その痣……」
「これ?
……気にしないで……。」
僕は察してしまった、秋葉は前の学校で虐められていた事を、こうやって悩みを言うのを躊躇った事は、言わば深刻な事を抱えている証拠だから、僕は何も言わなかった……
「はるのん、一緒に、帰ろ、――お願い。」
秋葉は甘えてきた、久々に会えたのだから、秋葉は精一杯僕に甘えようとする、そういえば昔もそうだった、会った日は必ず甘えてくる、それがいつもだった。
僕は、少し考えた後、頷いた。
帰り道
秋葉は僕の腕にしがみついて、笑っていた。
「えへへ……こうやってはるのんと一緒に歩くの……
久しぶりだね……
何だか嬉しいな♪」
秋葉の言葉を聞きながら、僕はつい秋葉の太ももも、チラチラ見てしまっていた、冬奈と同じでどこか目が引き込まれて行くのだ、それが何なのかが僕には分からない、まあ、知る必要も無さそうだけど、けど、どういうわけか、夏波以外の異性と二人きりになったのは生まれて初めてだ、胸がドキドキする、初めての事だから……
「秋葉……
さっき君は――どんな本を読んでた?」
気持ちをごまかすように僕は秋葉にさっきの本の内容を聞いてみた。
「オンラインゲームについて纏められた本。
私の趣味。」
「え?ネトゲが趣味?
初耳だよ……」
「だって、言ってないもん……
あ、このゲームはね?巨人を狩るゲームなんだよ。」
秋葉の趣味の話しを聞いている最中も、秋葉の太ももをチラチラ見ていた、この姉妹の太ももには何か魅力でも有るのか?と、唐突に思ってしまう僕が情けない。
「聞いてる?
さっきから別の方をチラチラ見てるけど……」
「うん、聞いてる。」
秋葉は他にこんなゲームの話しをしてきた。
「他には、武器や猫を連れて、モンスターをやっつけるゲームがあるの。
――結構楽しいゲーム、はるのんにもおすすめ。
やってみて?」
秋葉は突然ゲーム機を差し出してきた、僕はそれを受け取り、プレイしてみた。
「凄い迫力だね、でも、操作が分からないや。」
「――ここは、こうして……今!
うん、上手いよ、才能あるよ、はるのんは!」
秋葉は僕を誉めてるように見えた、こんなに元気な秋葉を見たのは初めてだ、僕は、秋葉の笑っているその顔を見て、ほっこりしていた、口元だけ、僕は笑っていた。
秋葉も安らいでいるような笑顔を僕に見せていた、正直その笑顔を見た僕の感想は、かわいい、と、思っている、今まで遊んでくれなかった少女は僕に心を開いている、僕はふと思った、彼女を裏切りたくない、いや、傷付けたくない、と、こんな感情が脳裏に浮かんだのだった。