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GAME  作者: 居眠りしてるおっさん
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game start

僕は麟さんが住んでいるっぽい公園を去る前にこんな事を言われた。

「はるのん、今日マンモスに襲われかけた女の子は守ってあげなきゃ駄目だよ。

――まあ、自分の身を守るって意味でも言うけど、ゲーム、参加してみようや。」

って、この言葉の意味、僕は理解した、今、隣に夏波がいるという幸せ、僕はそれを守りたい、その為なら……

その夜、再びそいつは現れた、僕の夢の中に。

例の熊のぬいぐるみが、そいつはやっぱり僕に語りかけてきた。

「決心ついた?

考えるって言ってたけど、僕としては速く答えが欲しいんだよね、冬日くん。」

僕は麟さんの言葉を思いだし、決心した。

僕は……プレイヤーになる、その決意をぬいぐるみ?に伝えた。

頷く形で。

「そっか~、参加するんだね、それじゃあ、登録手続きをしなきゃ!」

「手続……聞いてないよ?」

手続きとやらをしなきゃいけないみたいで、熊のぬいぐるみは

「じゃあ、色々質問するよ、君は正直に答えてね。

君の名前は?」

「冬日春乃。」

「好きな食べ物は?」

「かき氷。」

と、色々質問が続き、最後の質問だ。

「君の年齢は?」

何故か最後の質問に年齢を起用してきたので、僕は正直に

「13歳。」

と、答えた。

「これで登録は完了だよ?

君の肩書きは「絶対零度」だよ。」

僕は想像した、絶対零度、気温を下げる、そんな感じだと、しかしとんだ思い違いだった。

「君の力は「何でも下げれる」んだよ。

気温だろうと高さだろうと、数値も下げれる。

でも、気温を限界まで下げれば寒さでダメージを与えられるからね。

だから「絶対零度」、OK?」

何でも下げれるのが正しかった、僕は正直驚いた、つまり空気が一瞬で凍る気温まで下げれば接近用だけだが武器を用意するのも可能、挙げ句には自分が不利になるような可能性まで下げれる始末。

「けど、乱用しちゃ駄目だよ。」

「何で?」

「サーカスや見世物小屋に連れていかれたらアウトだからね、そうなれば君は世間的に御仕舞いだ。

プレイヤーの力は一般人から見てしまえば特別な力だからね。

見世物にしたい奴もいるんだよ。

君も気を付けるんだよ。

それにしてもここ、寒いね。」

寒い?夢の中はその夢を見てる人の精神世界だから……僕の精神世界は寒いって事なのかな?僕は何も言い返せなかった。

「まあいいや、君は手に入れてすぐに力を使っちゃってるね。

大丈夫なの?それ。」

「え?

使ってる?」

どうやら僕は無意識の内にプレイヤーとしての力を使ってしまってるらしい、どんな風に使ってるのかは、起きた後に分かるのだが……

「あ、そろそろ朝だね。

起きる時間だよ?

じゃあね♪」

喧しい夢は終わり、朝を迎えた。



僕は目が覚め、起きたら目の前に、夏波が居た。

「おはよう……」

僕は夏波に、言葉を交わした。

だが……夏波はとんでもない事を、とんでもない事実を告げた。

「体温低いぜ?

――35度にも満たない感じだが、測ってみろよ、――ほれ!」

体温計を渡されて、僕は夏波の言葉の意味を知るため、脇に挟んでみた。

結果――マイナス三十六度、低い処の問題ではない、普通なら死んでいる体温だった。

ただ、僕の場合だけ別、僕は不治で不死の病を患っている。その病は、一定以下の心拍数を保つ事で、死ねなくなる病気だ、全く、便利なのか不便なのか……

あ、夏波の方は至って健康だよ、病気なんて患っていない、全くもって健康だ、いや、彼女は病気に掛かった事は無い。

世の中こんな言葉がある。

「バカは風邪をひかない」、と、夏波の知能はそれなりだが言動はバカだ。

その為に彼女は病気に掛かっていない、病弱な僕とは大違いだ。

低すぎる体温の僕を見て夏波は原因を予測した、僕がプレイヤーになった事を、それを察した。

そして、僕にこう告げた。

「俺は春乃をリタイアさせる気は無ぇ!

――だから教えてやるぜ。

俺がプレイヤーとして使用できる力は、「何でも上げれる」のさ。」

今のが「灼熱地獄」の正体だ、僕とは真逆の力を持つ、僕は夏波を信頼している、たった一人、唯一の家族で僕の大事な人、だから僕は自分の力を教える事にした。「教えてくれたのなら……僕も、――教える。

……僕の力は、夏波とは真逆。

何でも下げれる……

肩書きは「絶対零度」。」

僕は正直に、嘘を言わない目で、きっちり話した。

夏波のリアクションは

「やっぱりな、体温が低すぎるって事はプレイヤーとしての力を使う、以外におかしな事だしな。

けど、お前の病って便利なのか?

マイナス三十六度の体温じゃ普通死ぬぜ?」

「大丈夫だ、……問題ない。」

僕はこう返すが……

「じゃあ、心臓は?」

夏波は僕の胸に手を置いた。

「止まってるぜ?

――あ、動いた。」

僕の持病、所謂――不死の病、便利……なのか……?

恐らく僕は、無意識の内に心拍数も下げているのだろう。

一定以下の心拍数を保たなければ死ぬ、それがこの病気なのだから。

僕は、今日は夏波と学校に登校する事にした。

その途中、一人の少女に声を掛けられる。

「あれ?珍しいね。

――冬日くんと夏波さんじゃない。

兄弟で登校?」

生徒会長だ、彼女は夏波の事も知っている、いや、中等部の全校生徒の名前と顔を知っている、そんな彼女に、僕達は朝早くから出会した。

「生徒会長じゃん、こんな所で何やってんだ?」

夏波は基本的にこんな感じだというのを会長は知っている、だから何もお咎めを与えない。

そして会長は、夏波の質問に答える。

「寝坊したのよ、私、イメージ持たれてないけど朝、弱いの、だから、あらゆる手段を持って起きる方法を試してる、けど、今日は少しダメだったみたい。

眠くて眠くて……

苦手なコーヒーをイッキ飲みして、思い切り吐いたわ。

うっぷ……」

会長は物陰に隠れると……

「おぇえええ……」

吐いてる感じの声を出した、辺りが一気に臭くなり、僕達も気持ち悪くなったのでその場を去った。


そしてまっさんの授業が終わり、昼休み、そして放課後を迎え、平穏な日常は過ぎて行くのだった。

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