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GAME  作者: 居眠りしてるおっさん
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It appeared suddenly

この話を始める前に、先ずは自分の事を説明しようと思う。

僕は冬日春乃(フユヒ ハルノ)百合ヶ丘学園中(ユリガオカガクエン)等部所属の1年生、あ、百合ヶ丘学園と言うのは東京の郊外と都心の間のちょうど境目に存在する巨大な学校だ。ちなみに百合ヶ丘学園より南に行くこと1キロ先には薔薇園学園(バラゾノガクエン)という男子校がある。

百合ヶ丘は男女共同校だ。ただし男子の入学には面接が必要で、所謂可愛い系の男子のみ採用される。

まあ、学校の事はさておき、鏡で見た僕の身体的特徴は水色の髪に青い瞳を持ってる感じである。

まあ自己紹介はこれぐらいにして、そろそろ本番に入ろう。


それは僕が百合ヶ丘学園に入学して、約半たったある日、僕の意識に突然そいつは現れた、まるで白と黒とで見事に色分けされた熊のぬいぐるみ、それは僕の意識に語りかけてきた。

「ねぇねぇ――ゲームやろうよ。」

と、ゲームってワードを使って僕に話しかけてきた、声の質はドラ●えもんを連想させる涙声だ、でも僕はゲームについて理解していなかったので

「ゲームって、何?」

僕は何を言っていたのだろう、無意識の内にそのゲームとやらに興味を示していた。

「うん、――そう言うと思ってたよ……

じゃあ、ワックワクのドッキドキの説明ターイムーと行こうよ☆」

唖然する僕を尻目にゲームの説明を始めた。

「ルールは簡単だよ。

他のプレイヤーのライフポイントを零にすれば良いんだよ。」

「ライフ!?」

僕は「まるで意味がわからんぞ!」状態だった。だがぬいぐるみは分かりやすく説明を始めた。

「ライフはね、一声で言うと、――ゲームに参加する事になった人全員が持ってるポイントだよ。」

ぬいぐるみは説明を続けたんだ。

「ライフの減らし方は、殴る、蹴る、斬る、などで怪我をさせれば減らせるよ、逆にやられれば減るよ。」

待てよ?それって危ないんじゃ?と、そんな僕の心理状況を読み取ったように話しが続いた。

「大丈夫だよ、怪我をするような事をされても相応の痛みが伴って、同時にライフが減るだけだからね。

怪我はしない。

安全には配慮されてるよ。」

それを聞いて僕は安心した、けど、ただの殴り会いかと思ってしまうが、そんな事もそいつは見通していた。

「プレイヤーには、一人一つ能力と肩書きが与えられるんだよ、それを使えば社会をうまく渡れるかもしれないし、あらゆる事を覆す可能性も秘めてる。

あ、言い忘れてたけど、プレイヤーを一人リタイアさせれば三万円が君の物になるよ、嬉しいでしょ?」

それは先に言えよ……

けど、僕は目先の金は疑え、と、言われていたので

「ゲーム、やる?やらない?」

ぬいぐるみの語りに対し僕は

「考えてみる。」

答えをうやむやにして、この件を先送りにした。


そこで目が覚めた、どうやら僕は授業中に寝てしまったようで

「こら!冬日春乃、何度起こせば気が済むんだ?

まあお前が授業中に寝るのは珍しい事だが。」

この教師の名前は綾小路勝彦(アヤノコウジマサヒコ)、生徒からは勝彦のマサをかけて「まっさん」と呼ばれる僕の担任だ、まっさんも所謂可愛い系……らしい。

「すみませんね「まっさん」昨日は寝不足なもので……」

僕はいつも通り冷めた目付きでまっさんと話していた。

「おいおい、春乃、俺みたいな事(居眠り)したのか!?

滑稽だぜぃ!!」

クラスメイトの少女、と、言うより今のは僕の双子の妹、冬日夏波(フユヒナツハ)だ。ショートで真っ赤な髪に赤い瞳と僕と対照的に明るくボーイッシュな少女で、制服を改造して短いズボンっぽくしているが、どういうわけか学校からは黙認されてる、一言で言い表せば喧しい。だから僕は彼女の言葉に対して

「……黙れ。」

たった一言で突き放した、まあ一応は家族なので、完全に突き放せないのが現実だが、そんな事はどうでもいい。今の僕は例の「ゲーム」とやらをやろうかやるまいか、この2つの選択肢に悩んで居るのだから。

そんな時に僕は突如として、生徒会長に呼び出しを食らった、凄く面倒臭いし

凄く眠い、しかし来なければ後々大変な事になる事も知っているので、僕は生徒会長の部屋に向かう事となった。


そして


今僕は生徒会長の部屋の扉の前に居る、これからノックしようとした途端の出来事、扉は自動扉で内側に開いた。

僕の目の前に居るのはこの学園のマスコ……げふんげふん、生徒会長、神無月白(カンナヅキ ハク)、彼女が僕に話しかけてきた

「やあ、冬日君。

私の呼び出しに応じて来てくれたんだね。」

この会長は、小柄で身長130センチ満たないくらいの小柄で可愛らしい顔付きだが、その小ささがコンプレックスで、指摘すると怒る。

「何の用です?

小さな会長さん。」

「ちっちゃく無いもん!!」

僕のこの態度でも小柄で有るのを指摘すればこんな風に可愛らしい声で言い付ける、そんな会長は学園内の全員から可愛がられている。

そんな会長だが、少し落ち着いてから話題を切り出して来た。

「私は最近暇で暇で仕方ないの、だからちょっとで良いから、話しに付き合って欲しいの。

だから呼び出しをした、私の会長としての権限使って。」

「そんな権限はもっと他の所で使えないんですか?

少し呆れました。」

「ガーーーーン!!」

ショックを受けた会長の姿、やはり可愛い、けど、僕はこの会長に聞きたい事が一つだけ有った。

「そういえば、今日夢の中で「ゲーム」なる事に参加しないか?って聞かれる夢を見たのですが、ご存じ有りませんか?」

と、僕は生徒会長に聞いてみた、そしたら

「えっ?

冬日君、あの「ゲーム」も知らないの!?」

会長は驚いた表情で僕を見てきた、そしてまるで僕に勧めるように

「「ゲーム」はね、この学園で今一番流行ってるんだよ、だって一人リタイアで三万円も手に入れられるんだよ?

これはチャンスよ!

まあ、校則でこの学園の生徒(プレイヤー)を傷つけちゃいけないって校則有るけど、でも他校の生徒(プレイヤー)をリタイアさせれば良いだけみたいだから、興味が有るなら参加してみて!

あ、因みに私、プレイヤーだからね。」

だからこんなに詳しいのか、凄く解りやすかった、僕にとっては、でも決心がつかない僕は何なのだろう。

そう思っていた、そんな僕の内心に気付いてはいない会長は

「マゼンタ、冬日君と私にオレンジジュースをお願い!」

副会長を読んで、オレンジジュースを頼んだ。

「あれ?

こんなに豪華な雰囲気の部屋でオレンジジュースですか?

意外ですね」

「?」

「てっきり紅茶を頼むのかと。」

僕は彼女イコール紅茶ってイメージが着いてしまっている、だが、そんな僕を差し置いて

「紅茶?

ああ、あれ嫌い。

あれって匂いだけじゃん、良さが全然分からないの。」

「紅茶を馬鹿にしないで下さる?」

副会長、こと、マゼンタ・ネザーワールドが会長に怒った、副会長は海外生まれの金髪で優雅なドレスを身に着け、紅茶が大好きなお嬢様系の女性だ。

「ああ、ごめんごめん。

つい本音が。」

会長は笑っている、そんな笑顔が見れるのもあと半年だと思うと、僕はなんか寂しい、なんだかんだで僕は会長との会話を楽しんだのだった。

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