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大陸中央回廊および二九九七年巡礼戦争について

挿絵(By みてみん)


 時に開闢暦二九九七年。

 所は大陸の東方と西方を繋ぐ大陸中央回廊、いわゆる回廊地方。

 事の起こりは大陸西方における宗教運動――西方同盟ことヴァイゼーブルヌ神聖同盟の成立と、彼らが志向した聖地巡礼および大陸万民の教化である。

 三つの大主教領、十七の国、六つの自由市からなる一大勢力となった西方同盟は、回廊地方の中心に位置し、長年にわたって東方エフォンマリンド帝国の支配下にある聖地サントゥアンを奪還すべく巡礼軍およそ十万を健軍、進発させた。

 一方、回廊地方はその名の通り細く長い地域であり、さらに東西の緩衝地帯でもあったことから小国が乱立している。また、多民族多宗教の東方帝国と接していることから古代より続く多神教を信仰していた。

 このため、聖地サントゥアンを目指す巡礼軍はその途上にある回廊諸国の教化をも目的とし、その第一歩とされたのが回廊地方最西端にして最古の国――エルヌコンス王国であった。

 西方同盟巡礼軍の侵攻に対し、エルヌコンス王国は回廊諸国並びに東方帝国に援軍を要請しつつ、王直率の全軍で以てこれを迎え撃った。

 それがヴァンサン平野の会戦であり、史学的には巡礼戦争の初戦とされる。この初戦はエルヌコンス軍の敗退、巡礼軍の辛勝であった。

 会戦の最中、物語の主人公たるふたりはそれぞれの旗を見つけることとなる。

 エルヌコンス王国の若き女騎士プラニエ・ファヌー・ランサミュラン=ブリュシモールは曇り空にウサギの海賊旗を。

 空飛ぶ海賊船を亡父から継承した女船長リツカ・ヒューゲリェンは眼下にクロンヌヴィル侯ランサミュラン=ブリュシモール家の旗印を。

 時に開闢暦二九九七年の春。

 所は回廊地方エルヌコンス王国。

 プラニエとリツカ、ふたりの出会いから物語は始まる。

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