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能面少女  作者: 林原
4/4

にっき

「ただいまーっ」

誰もいない家に向かって大きい声であいさつをする。

まわりから見たら痛い子かな、少なくとも凛ちゃんにはまた馬鹿にされると思う。

凛ちゃんは勉強もできるしキレイだし、スタイルもいいしで三拍子揃ってる。

それにクールだしかっこいいし、なんかもう憎たらしい。

でも、わたしだって、凛ちゃんの弱点知ってるんだから。


重いカバンを部屋に置き、Tシャツにパンツ一丁というだらしない恰好でリビングに行く。

親がいないときくらい、グーダラしたっていいよね。

ふと机を見ると、「わたしのにっきちょう」と書かれた本が置いてあった。

「ももぐみ ことうら ゆず」…わたしの日記だ。

全然覚えてないけど、日記なんかつけてたんだな…。

ちょっと見てみよう。



 「 1がつ3にち 


  きょうから にっきおつけます なんでかていうと もじおかくれんしゅうには

  いいって ねねちゃんが いってたから 」


ねねちゃんって誰だろ、幼稚園の頃の友達かな?


 「 1がつ5にち

  にっきてまいにちかくんだね わたししりませんでした あと

  もじおかくのおは を っていうじをつかうんだってめんどうくさい」


幼稚園のころから面倒くさがりは治ってないんだな。

余計なところばっかお母さんに似てるんだから。


 「 1がつ6にち

  きょうは、しをつくった

  さむーいさむーい ゆきだるま とけないように ゆきだるま」


バカっぽい詩だな、まず五・七・五でもないし。

このころに比べたらわたしって成長したよね、うん。よかった。


 「 1がつ7にち

  ねねちゃんがいなくなた どうしてだろ ねねちゃん

  またわたしにおべんきょとかおしえてくれるっていってたのに

  ねねちゃん ねねちゃん どこにいくの おいてかないで」


涙の跡と見られるものがあちらこちらについている。

そんなに仲が良かったんだろうか。

その割にはねねちゃんが誰だか全然思い出せないんだけど…



次のページから先は、なぜか破り取られていた。


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