約束の街リーフィアット
ゆっくりと太陽が大地を照らし始め、鳥たちがさえずり、葉に付いた露が蒸発していく。
木漏れ日が森の木々を通り抜ける中、チャンドラ、トガ、サンヤはリーフィアットの街へ向かって歩いていた。
チャンドラは目が重そうに歩いている。
「サンヤ、こんなに早く出発する必要あるの?」
トガは目をこすっている。
「そうだよ、まったくだ」
サンヤは立ち止まり、二人の方を向いた。
「あなたたち、モンスターはいつ突然現れるか分からないんだよ」
「それなら早く街に行ってモンスターを避けたいな」とトガが答えた。
「そうかな? 昨日は小さなドラゴンにしか会わなかったけど」とチャンドラ。
「じゃあ急ごう、あと数時間で着くから」とサンヤ。
三人は旅を続ける、トガとチャンドラはまだ眠そうだったが。
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「止まって!」サンヤが両腕を広げる。
「静かに、音を立てないで」とサンヤが付け加える。
「前方に何があるんだ?」トガが小声で言う。
「あれはシンダースティードよ。鋭い牙を持って、暗闇でも目が見えるモンスターホース」とサンヤが答えた。
「すげえ、シンダースティード!見てみたい!」チャンドラが熱心に言う。
彼は前に歩いて、モンスターをもっとよく見ようとする。
「本当だ、シンダースティードはすごくかっこいいな」とチャンドラ。
「ねえ、サンヤ、あのモンスターってテイムできるの?」とチャンドラが続ける。
「無理! …いや、もしかしたらテイムできるかも」とサンヤが答えた。
「やっぱり変だよ、このウィブ(オタク)は」とトガ。
「待って、今なんて言ったの?」とサンヤが尋ねる。
「あれはただのチャンドラの呼び名だよ」とトガが答えた。
「じゃあ、あなたたち二人は長い付き合いなんだね」とサンヤ。
「うん、小さい頃からの友達なんだ」トガが微笑む。
「ねえ、見て!チャンドラがシンダースティードに乗ろうとしてる!」サンヤが指さす。
チャンドラはすでに草を食べているモンスターの後ろに立っていた。そして彼は腰からベルトを外す。
【よし、俺ならできる】チャンドラは心の中で思う。
チャンドラはすぐにモンスターの背中に飛び乗り、ベルトを手綱代わりにモンスターの口に巻きつけた。
モンスターの咆哮が大きく響き渡り、チャンドラはその揺れに必死に耐える。
「落ち着けよ、相棒。お前をテイムしたいんだ」とチャンドラ。
サンヤはすぐに茂みから飛び出し、モンスターの首を切りつけた。
瞬時にモンスターはさらに激しく暴れ、チャンドラは落ちてしまう。しばらくして、モンスターは失血死した。
「大丈夫?」とサンヤが尋ねる。
「でも、なんでモンスターを殺しちゃうんだよ!俺、乗り物にしたかったのに」とチャンドラ。
「シンダースティードの目玉と心臓はすごく高く売れるからよ」とサンヤ。
サンヤはすぐにモンスターを解体し、目玉と心臓を取り出す。
「見て、これ。すごく高価なの。シンダースティードの部位を売れば、約2ヶ月は生きていけるわ」サンヤが微笑む。
「そりゃいいや。俺も街で生きていくためには金が必要だし」とチャンドラ。
「ところで、トガはどこ?」とチャンドラが続ける。
「ああ、あの茂みの向こうにいるわ」とサンヤが指さす。
「おーい、トガ!モンスターは倒したぞ、出てこいよ!」チャンドラが叫ぶ。
しかしトガからの返事はない。チャンドラとサンヤは茂みの向こうを見に行く。
トガはぐったりと横たわっており、その隣には膨れ上がったヒルのようなモンスターがいた。
「悪いな、相棒… なんだかすごく力が入らなくて」トガが弱々しく言う。
「大変!あいつ、吸血・吸魔モンスターのカイロプターにやられたんだ!」サンヤがやや高い声で言う。
「どうすればいいんだ?」とチャンドラ。
「街で解毒薬を買わないと、彼を元に戻せないわ」とサンヤ。
チャンドラはトガを背負おうとする。
「頑張れよ、相棒。お前は強いんだから」とチャンドラ。
「お前、知らないだろうけど… 俺、ラピエル競技のオリンピックチャンピオンなんだぜ…」トガが弱々しく言う。
三人はトガの状態が悪化しないよう、急いで街へと向かう。
数時間後、ようやく三人はリーフィアットの街に到着した。高くそびえる大きな城壁と、街の安全を守る大きな門があった。
「すげえな、まるで中世ヨーロッパみたいな街だ!」チャンドラが叫ぶ。
「チャンドラ、早く冒険者ギルドに行ってシンダースティードの部位を換金するわよ」とサンヤ。
「なんでみんな、ずっと揺れて見えるんだ…」とトガ。
「おい、このガキ、酔っ払いみたいだな」とチャンドラ。
サンヤとチャンドラは冒険者ギルドへ走り、トガは奇妙なことを呟き始める。
三人はついに到着した。巨大な建物には、交差した斧とハンマーのロゴが掲げられている。それがリーフィアットの街の冒険者ギルドだった。
「ついに… 俺も異世界で冒険者になれるんだ!」チャンドラはロゴを見上げながら目を輝かせる。
「チャンドラ、早く入ろう!」とサンヤ。
三人がギルドの中に入ると、クエストを受けたり、アイテムを換金したり、報酬を受け取ったりする冒険者たちが出迎えた。
「おはよう、サンヤ」とギルドの受付嬢が言う。
「おはよう、パープル」とサンヤが返す。
サンヤは袋から二つの目玉と心臓を取り出し、パープルがそれを調べる。
「わあ、あなた一人でシンダースティードを倒したの?すごいわね」とパープル。
「違うの。彼ら二人に手伝ってもらったの」サンヤはチャンドラを指さす。チャンドラはまだトガを背負っている。
「その二人、すごく変な服着てるね?」とパープル。
「うん、私もそう思ってた」とサンヤ。
「サンヤ、シンダースティードの目玉と心臓、合計で金貨30枚ね」パープルは金貨の入った袋を渡す。
「パープル、解毒薬を一本買いたいの」サンヤは金貨一枚を差し出す。
パープルは解毒薬を取り出し、銀貨5枚のお釣りを渡す。
「はい、どうぞ。誰か怪我したの?」
「彼らの一人がカイロプターに血を吸われちゃって」とサンヤ。
「早くしないと、彼が死んじゃうわ」とパープル。
サンヤは薬を受け取り、チャンドラのところへ急ぐ。チャンドラはまだトガを背負っている。
「サンヤ、解毒薬もう買えた?」とチャンドラ。
「うん、これよ」とサンヤ。
チャンドラはトガをベンチに下ろし、サンヤが解毒薬を飲ませる。
「あいたた… なんで俺、ここにいるんだ?さっきまで森にいたのに」トガは頭を押さえながら言う。
「相棒、お前、ヒルに吸われてたんだよ」とチャンドラ。
「もう大丈夫?」とサンヤ。
「うん、なんか視界がぼやけてて、変なことが聞こえてた気がする」とトガ。
サンヤは机の上に金貨の袋を置く。
「これ、さっきのモンスターの部位を換金したお金ね」
チャンドラは中身を確認し、目を輝かせて一枚の金貨を取り出す。
「わあ、これが異世界アニメでいつも出てくる金貨か!」
「サンヤ、ここで食事って頼める?」とトガ。
「ああ、血を失ったからお腹空いてるんでしょ」とサンヤ。
「タラ!注文お願い!」サンヤが手を振る。
一人の少女が無表情で三人のところへやって来る。
「サンヤ、何か注文するの?」タラが小さな声で言う。
「私たち三人で、ニンニク風味の肉揚げとポテト、それにブドウ酒をお願い」とサンヤ。
「ちょっと待って。ブドウ酒はキャンセルで。俺たち、まだ未成年だから」とトガ。
「そうそう。代わりに牛乳か水でお願いします」とチャンドラ。
「えー… 二人ともつまんないのね」とサンヤが口を尖らせる。
「どうせお金をブドウ酒に使っちゃうつもりだったんでしょ?」とトガ。
「そうよ、サンヤは何十本ものワインを空けるチャンピオンだからね」とタラ。
「タラ、二人の味方しないでよ!」とサンヤ。
「ごめん、サンヤ。でも今回は二人に賛成」とタラ。
タラは軽くうつむき、厨房へ料理を用意しに行く。
「二人ともひどいわ!私がワインを飲むのを禁止するなんて!」サンヤが叫ぶ。
サンヤは大声で泣き出し、机に顔を埋めた。その泣き声はギルド中に響き渡り、皆が三人を注目する。
「落ち着けよ、サンヤ。何本か買ってもいいから」とトガ。
「そうだよ、ワイン頼んでいいから」とチャンドラ。
「本当?」サンヤが顔を上げる。
「やった!じゃあ、ワイン5杯と、宿に持ち帰り用に3本お願いしよう!」サンヤはすぐにレジへ走っていく。
「なあ、チャンドラ。お前、本当にこの世界にいるのが好きなのか?」とトガ。
「もちろんさ。俺はこの世界で英雄とか、高ランクの冒険者になれるかもしれないんだぜ」とチャンドラ。
「まあな。俺も生き残るためには冒険者に登録しないと」とトガ。
「そうこなくちゃ!俺たち二人で冒険者登録しようぜ」とチャンドラ。
「ねえ、二人とも!料理とワイン、準備できたわよ!」嬉しそうなサンヤの叫び声。
サンヤとタラが料理をトガとチャンドラのところへ運んでくる。三人は今朝の出来事を経て、ようやく食事を楽しむのだった。
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