表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アオハルくじで当たったのは、恋人役でした。~男装女子と令嬢の偽装青春ラブコメ〜  作者: きたみ詩亜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/7

第3話「街歩きデート用の男装服選び」  

 放課後、あたし、唯崎純は少し緊張しながら校門前に立っていた。

 今日、柚穂と一緒に街歩きデート用の男装服を選びに行くことになっている。


「お待たせ、純」


 柚穂は白い夏服に涼しげな表情を浮かべ、黒髪をさらりと揺らしながら立っていた。


「大丈夫、あたしも今来たところだし」


 自然に笑顔を作ろうとするけれど、心臓は少しだけ早く打っている。

 今日は“恋人役”として初めての街歩きデート準備日なのだ。


「じゃあ、行こう」


 柚穂は手を差し出してくる。

 あたしは迷わずその手を握った。


◆◆◆◆


 街に出ると、夏の光が照りつけて汗がじんわりにじむ。

 柚穂は慣れた足取りで通りを歩き、あたしを小さな専門店やセレクトショップへ案内する。


「純、まずは男装用の街歩き服を選ぶわ。涼しくて自然に見えるやつね」

「……男装用……って、どうなるの?」

「そのまま自然に男子に見えるように選ぶのよ。丈や色、雰囲気を調整して」

「……なるほど、緊張する」


 店内にはシャツやチノパン、Tシャツやスニーカーが並ぶ。

 柚穂は手際よく何着かを選び、あたしに手渡す。


「まずこれを試してみて」

「え、全部?」

「全部じゃないけど、似合うかどうか見たいから」

「……わかった」


◆◆◆◆


 試着室に入ると、あたしはシャツとチノパンを着て鏡を見た。

 肩幅が少し広く見え、全体のシルエットも自然に“男子”っぽくなる。


「……あれ、意外と違和感ない」

「うん、純、そのままでいい感じよ。自然で男子に見える」


 次にTシャツとショートパンツも試す。

 夏らしい爽やかな色合いで、風通しもよく涼しい。

 鏡に映る自分を見て、胸元が隠れて安心した。


「……これなら大丈夫そう」

「うん、完璧よ、純」


 柚穂の笑顔を見て、あたしも少し安心した。


「……やっぱり、今日は頑張って付き合ってよかった」

「うん。純、こういう時間って意外と楽しいでしょう?」


◆◆◆◆


 服選びを終え、柚穂はスマホを取り出す。


「せっかくだから、この男装姿で写真を撮ろうか」

「え、もう撮影?」

「街歩きデートの記録よ、SNS用に少しだけ」

「そ、そう……」


 二人で街のベンチに座り、自然に立ったまま笑顔を作る。

 柚穂はさっと撮影して、何枚もシャッターを押した。


「ふふ、完璧に恋人っぽい」

「……そうかな……?」

「うん、純。自然でいい感じよ」


 あたしは少しぎこちなく笑うけれど、胸の内は楽しい気持ちでいっぱいだった。


「……なんだか、ドキドキするね」

「それがいいのよ、純」


◆◆◆◆


 街を少し散策したあと、二人で日陰のベンチに座る。

 柚穂が差し出したアイスを受け取り、一口頬張る。


「今日、楽しかったね」

「うん……でも、秘密の恋人役って感じで、変な気分」

「それも悪くないでしょう? 純」

「……ちょっとはね」


 柚穂は肩を寄せ、くすりと笑った。


「この夏、色んな思い出を作りましょうね」


 あたしは小さく頷く。

 男装デートもいいけど、こうして普通に街を歩く姿も楽しみになってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ