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戸惑い





志保たちの小学校では5年生の夏になると林間学校が行われる




バスで2時間程の距離にある施設に一泊し、キャンプをするのだ





小学校生活の中では、6年生の春に行われる修学旅行と並ぶビックイベントだ





夏休み中の8月に行わるので、一学期のうちにあらかじめグループを作ったり計画を立てたりした





案の定クラスの女子や一部の男子はソワソワしたり、林間学校に向けていやにテンションが高くなっていた





(発情期かよ)





そんな同級生たちを横目に、志保は冷めたような気持ちでこのイベントに臨んでいた





「なんかテンション低いじゃーん?」




後ろから同じクラスの秋華(しゅうか)が抱きついてきた




「…秋華。なんかみんな浮き足だってて変なんだもん」





「そりゃそうでしょ〜。このイベントで告りたいって子、あわよくば告られたいって子、山ほどいるんでない?」





「うげ〜…。みんな小さい時から知ってるのに何がいいわけ?」





「そういうの関係ないのが恋♡なんじゃない?」





そういって秋華は指でハートを形作って見せた





女子の中では背が高い志保より、頭ひとつ分ほど小さい彼女は、小学生ながらに胸が大きく顔立ちもはっきりしていて大人びている




噂によるとサッカー部のひとつ上の先輩と両思いだとか付き合っているとか…




こいつもそっち側か…




「そういう志保はどうなのよ」




「へ?」





唐突に自分のことを聞かれてつい間抜けな声を出してしまう




「なんっっにもないけど?ついでに言うなら興味もない」




志保がキッパリと言い切る




それを聞いて秋華がにやぁーっと効果音が

しそうな表情で耳元でささやくように言う



「でもさ、志保には佐伯がいるじゃん?なーんかいい感じだよね?イケメンだしさ」




「ちょっ…」




ここでまさかの優吾の名前を出されてうろたえてしまう




志保の中では、優吾と色恋の話題を一緒にされるのはなんだか気持ち悪い




姉弟みたいに育った優吾をそんな風に

ましてや自分とカップリングされるなんて鳥肌ものだ




しかもイケメンって…



優吾は泣き虫で弱くて、私が助けてやんなきゃ何にもできなかったんだから





「あーりえない。まじで無理無理やめてその話題」


一気に捲し立てるように言うと



秋華はそんなに?とキョトンとした顔をしていた






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