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彼のヒーロー




少年の名前は佐伯優吾(さえきゆうご)




同じ高校に通う同級生だ




ついでに言うと志保とは

幼稚園からの幼馴染でもある



家が近所ということもあり幼い頃は毎日のように2人で遊んだものだ




当時の優吾は誕生日こそ志保より早かったが

体が弱く背が低い。

足も遅く、怖がりの泣き虫だった



顔は女の子のような可愛らしい顔立ちをしていたが、性格もオドオドしていて大人しく


低学年の時は勉強も不得意だったため、周りからはバカにされる存在だった



反対に当時の志保といえば

背も高く運動も勉強も得意だった



クラスで代表を決める場面ではいつも自分が選ばれていた




しほちゃんしほちゃんと女子からは憧れられ

男子からも一目置かれていたと自分でも思う




(あの頃が人生の絶頂期だったのかなー)




電車に揺られながら当時を思い出しては遠い目をしていた




小さい頃の優吾は、優しく穏やかな性格をしていたが

なにをするにも鈍臭いので

気の強かった志保はよく泣かせることがあった




自分では面倒も見たつもりでいたが

今思うとよく優吾は遊んでくれたなぁと感心する





「しーちゃんはすごいね!」





優吾は志保に散々泣かされたあとでも

ことあるごとに志保にこう言った





「当たり前じゃん。だからゆーごのことはしーが助けてあげるし!」




志保は優吾に言われる度に

得意になってこう返すのがお決まりだった





(私の絶頂期は優吾無くして語れないんだよなぁ)




そんな志保の絶頂期も小学校5年生頃には翳りを見せ始めていた





早熟な同級生たちは、もっと早い段階からだれが好きだとか、付き合ったとか告白したとか




そんな話をしていたけど、志保はあまりそういう話についていけなかったし

自分には関係ないと思っていた





しかし5年生頃にもなると女子だけでなく

男子の方も異性を意識したり、体の変化を感じ始める




その頃には、以前とは何かが違うという雰囲気をはっきりと感じて何か居心地の悪さを感じていた





今まで自分は優等生でみんなが自分を慕って、自分の意見を聞きたがったのに




そんな中で優吾は大袈裟にも聞こえるが

志保の心の支えだった




もう背も同じくらいになったけれど

控えめで相変わらず志保の言うことを聞いてくれる




「なんか最近みんな変じゃない?みくちゃんとかりことかコソコソ話ばっかりしてさー」




「別に俺は気になんないけど…」




「ゆーごは鈍いからなー。女子が恋愛モード入ってるから男子まで浮かれちゃってさ!

ゆーごもそう思わない!?」




怒ってるわけではないのに、戸惑いからつい口調が荒くなってしまう





「別に…。あいつらはあいつらだし、志保は志保でしょ」




そう言われて志保は黙ってしまった





優吾はいつからか志保のことを「しーちゃん」と呼ばなくなっていた





みんなどんどん変わってしまう




自分を取り囲んでいた友達も


今はみんな可愛いあの子やかっこいいあの子に夢中になっている




表面上は何も変わっていないように見えたが

志保にはこの変化にうまく対応できないような気がしていたし、その予感は的中した





そして志保の絶頂期に終わりを告げたのは

他でもない優吾の存在だった






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