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未来に続く








「ねーまだ一回くらいいけるかなぁ?」





ベンチに座ってアイスを食べながら、志保は上目づかいに言う




「…んー、どうだろ。まだ暑いし行けるんじゃない?」




問いかけられた優吾はアイスの棒を咥えながら、スマホゲームに意識が持って行かれている





「ちょっとー、全然興味ないじゃん!

久々にプール行こうって言ってんのにぃ」





「…いや…ちょっ…今いいところで…」





(なによ。あんたが言ったんでしょ

プールで泳ぐ私を好きになったって)



心の中で文句を言って恋人を軽く睨む




およそ6年ぶりに誤解をとき 

2人は晴れて付き合うことになった




空白の時間が長かったこともあり

どうなることか不安もあったが




不思議なことに一緒にいることになんの違和感もなかった



志保は相変わらず優吾の世話を焼いてしまうし、優吾もそれに特に何も言わない



まるで昔に戻ったかのようだ



むしろ離れていた期間がどれだけ寂しく辛い思いを我慢していたんだと、志保は自分で自分を讃えたいほどだった




しかしあの一件がなければ、優吾への気持ちを自覚しなかったような気がする




(だからまぁ結果オーライってことでいいかな)




それにやはり恋人同志になって、変わったこともあった



「そういえば来週の金曜はクラスのみんなでカラオケに行くから優吾先に帰ってて」



相変わらず優吾はゲームに夢中だが、ふと来週の約束を思い出して報告する



「…んー…」


聞いていないようで聞いているので反応が薄くても志保は気に留めない



「それって男も来るの?」



急に優吾がはっきりとした口調で問いかけてくる




「そりゃクラスのみんななんだから男もいるでしょ」




「…そっかー…」





そういうと優吾は黙り込んだ




と思うと





「じゃあ俺迎えに行くよ」


「え!?」




予想していなかった返答につい大声を出してしまう




「なんで?だめ?」




「いや全然ダメじゃないし、嬉しいけど…

暗くなる前に帰るよ?」





放課後にカラオケに行くぐらいで彼氏がお迎えなんて、なんだか悪いし、恥ずかしい





「いやそういうことじゃなくて、他の男とカラオケ行くなら見張っておかないと」





スマホからは目は離さずに優吾は冗談なのか本気なのかわからないいつもの口調で言う



「なっ…私が浮気するとでも思ってんの!?

ないない!するわけない!」





必死に手を振って否定する志保に




「志保のことは信用してるけど

志保が可愛いから一応ね。志保が拒否っても

相手がしつこく…なんてこともあるかもしれないし




とこともなげに言った





可愛い






優吾は付き合ってからたまにこういうことをサラッと言うようになった






志保の方はまだそれに慣れておらず、どう対応したらいいかいまだにわからない




「いやっ…あの…そんな…あれは大丈夫だよ…?」

照れてると思われるのも恥ずかしいがついモゴモゴした物言いになってしまった





そんな志保を見て優吾は眉を寄せて困ったような顔をして笑った



「そういうところが可愛いから心配なんだよ」




グイッと肩を引き寄せられ、頬の向きを変えられたと思った時にはいつのまにか優吾の顔が目の前にあった




唇が離れていく感覚がして、志保は顔を真っ赤にしてうつむく




「だから…外ではやめてって…言ってんじゃん…」





いつもの勢いが無く息も絶え絶えな様子の

志保を見て、優吾は今度こそ声を上げて笑った








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