表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

殺戮の国で

 赤い兵士を倒すと視界の端にビックリマークが2つ現れた。

 それでARデバイスをつけていた事を思い出した。

 ひとつ目のビックリマークに触れると

『ステータスポイントを2入手しました』

『ステータスポイントを振り分けてください』

 と出てきた。

 この手のARゲームはやったことないが、おじいちゃん家のテレビゲームのなんとかクエストで似たような用語を見た覚えがある。

 文面に触れるとシステムはステータス画面とやらに飛んでくれた。


銀乃アリス

S:1

D:1

V:1

I:1

M:1

P:1

E:しっかり者のマスケット銃(赤)


 なーんも分からん。

 上からスピード、デュフェンス、V? 、インテリジェンス、マゾ? パワー、とか行ったところなのだろうか。

 でもARなので傍から見たらただのТシャツとデニムのぺらっぺらなので、今後敵が出てくるなら速度を上げたい。だからSに全振りしていこう。

 感覚でバーを動かすとSが3になった。

 ふたつ目のビックリマークを押すと

『兵士を暖炉にくべてください』

 と表示された。

 いやこの教会に暖炉なんてないが?

 と周囲を見渡していると、講壇の右側、オルガンの向かいに暖炉が出現した。

 流石AR。

 でも兵士なんて持ち上げられるかなと思いながら肩で支えるように運ぼうとするとすんなり兵士は動いた。

 体感2リットルのペットボトル飲料くらいだ。

 それならと両手で簡単に持ち上げて段ボールの荷物を運ぶように暖炉へ投げ入れた。

 すると兵士が燃え上がる演出が入り、一瞬の間に暖炉と兵士は画面上から消え去った。

 そして暖炉の場所に赤いハートの石っぽいものが残されていた。

 システムがそのアイテムの名称を表示してくれる。


 すずのかたまり(赤)


 これアンデルセンかよ。

 もしかして私やらかした?

 ただ私アンデルセン全然読んでいないのよね。受動的に親指姫、人魚姫、裸の王様、スズの兵隊、みにくいアヒル、マッチ売りの少女くらいしか知らない。たしかアンデルセンって切り絵が趣味だったんだっけ?

 そんなことを考えているとゴゴゴゴゴと講壇が音を立てながらずれた。

 なんで?

 暖炉のように消せばいいのに。

 まあ、なにかさせたいのだろうと講壇があった場所を確認すると地下階段があった。


 階段を降りていくと牢屋が出てきた。

 ただ牢屋のイメージって薄暗い灰色のイメージがあるのだけれど、真っ赤っかで台無しだ。

 影があるのが救い。

 それがなかったらおかしくなっていたと思う。

 暗くて真っ赤でよく分からないが、牢屋には沢山の人型が繋がれていた。

 もしかしてとその人型をお手元のマスケットで撃つと

『ステータスポイントを2獲得しました』

 やっぱりポイントが入手できた。

 ボーナスタイムだ。

 ひと通り繋がれている人型を撃ち終わると67ポイント手に入った。

 というかこの銃、幾ら撃っても弾が減らないのだけれど、ゲームってそんなものなのか。

 バランスよくステータスを振ってみたい気がするけれど、とりあえずSに全振り。

 Sが70になった。

 またゴゴゴゴゴと音がしたので、音がした方へ向かってみると、先ほどまで壁と認識していたものがなくなり、全身を鎖でつながれた天使がいた。


 赤くてよく分からないがふさふさとした翼が生えている。

 もし視界が赤くなかったら白いのだろう。

 ボス的な何かだろうか。

 とりあえずお手持ちのマスケットであいさつ代わりの一発。

 ちゃんと弾は天使の頭を貫いて血を噴出したが、数秒も経たないうちに塞がった。

 血が溢れるの視界が赤だから思った以上に気にならない。


 何発撃ち込んだんだろうか。

 100を越えた辺りから数えるのを止めた。

 そしてそろっとイライラしてきた。

 いつまでこうしていればいいのだろうか。

 それにお腹も減ってきた。

 もうめんどくさと思いマスケットを反対に持ってマスケットでホームランしたら、天使が飛び散った。

 なんで?

 天使のせいで全身どっろどろである。

 デバイスから伝わってくる感覚だろうが、あの日を全身で味わっているみたいでいやな気分になる。


『ステータスポイントを500獲得しました』

シリアスを書く予定だったのに銀乃アリスのせいでギャグになっていく……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ