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第9話

 アースドラゴンを倒して数週間、ようやくダンジョンを攻略始める準備が整った。どれぐらい深いのか話分からないが攻略を進めて行くことにする。


(さて、食料は何ヶ月はあるし最悪ダンジョン内の魔物を食べればいいかな。食べられればだけど)


 そして、今まで足を踏み入れなかったダンジョンの奥へ進んでいく。


 最初の安全地帯のフロアを抜けた先は洞窟のような壁でゴツゴツとしていた。そこは、真っ暗で明かりはなかった。僕は用意していた松明に火を灯してゆっくり進んで行く。


 進んで行くと、暗闇の先から大きなコウモリが襲いかかってきた。


「おっと、でも、早さが外にいるベヘモスの噛み付き攻撃よりも遅いね」


 天井は剣を振るうには困らない程の広さがあり、数匹のコウモリを難なく切り落としていく。羽を切り落とせば大きなコウモリは動くこともままならないため倒すのは簡単だった。


 それからもゆっくりと進んで行く。進んで行く中で出会った魔物は大きなコウモリと黒い毛並みのオオカミぐらいだった。正直に言えば外の魔物方が強く、暗闇から急に襲ってくるにしても風魔法等で壁を作れば相手の動きが遅くなり倒すのは難しくなかった。枝道も沢山あったのだが残念ながら宝箱といった物はなく、ただの突き当りになっていたり、オオカミなどの魔物がいるだけだった。


(ここってダンジョンなのに宝箱とかないのかよ)


 と、一人で突っ込みながら進んでいく。


 そして、洞窟を二階ほど降りると今度は迷宮のような整った壁の通路が伸びていた。しかも、通路は広く天井もかなり高い。しかも、洞窟のような場所と違ってそこは壁に松明が沢山あり明るかった。ただ、天井の上の方まではその光源は届いてはいない。


 そんな通路を進んで行くと、ズシンズシンと大きな者が動く足音がする。


(これはかなり大きくないかな?)


 通路の奥から現れたのは大きな棍棒を持った巨人だった。


(これって、トロールとかっていうやつじゃないかな?)


 そのトロールは僕の五倍ぐらいのでかさはある。トロールは僕を見つけると急に走り出して来た。


(うん、外にいるツインヘッドビーストの方が全然速いね)


 僕もトロールに向かって走り出す。トロールは持っていた棍棒を振り上げて勢いよく振り下ろすが僕はその棍棒を難なく躱すとトロールの足に切りつける。ミスリルの剣はトロールの骨ごと足首を切り落とした。トロールは棍棒を振り下ろした格好で前のめりに倒れていく。僕は倒れたトロールの首を切り落としその命を刈り取る。


(うん、これぐらいならなんとかなりそうだね。でも、流石にこれは食べれないね。ってか魔石ってどこにあるのかな?)


 魔石を探すのに解体しなければならないと思うと気が滅入る。今までは動物のような魔物であったので気にならなかったが、トロールは大きいとはいえ人型である。流石に人型の魔物を魔石を探すために切り刻むのやりたくはない。


「《火魔法エクスプロージョン》」


 トロールを爆発の魔法で爆発させその魔石だけを回収しようとしてみた。すると


「ぎゃあぁぁぁ~~~~。トロールの血や内蔵が僕の身体や服に付いた~~」


 爆発の影響でトロールの身体はバラバラになるだけではなくそれが飛び散ったのだ。もちろん僕の方にも向かってきた。それを避ける事も出来ずにまともに受けて血やら内蔵やらが身体全体にこびり付くのだった。


 何とか爆発の中心から魔石を拾い、身体にこびり付いた物を水魔法で流して行く。しかし、こびり付いた物は中々落ちなかったので仕方ないので今、着ていた物は捨てることにしてダンジョンで手に入れた服に着替える事にした。


 着替えてから先に進んで行くのだがこの階は所々に部屋があるぐらいで通路は一本道のようだ。そして、所々の部屋にはトロールよりは小さいが豚の顔を持つオークや角と牙を持つオーガ等の人型の魔物がいたのだった。


 オークは僕より一周り大きいぐらいだった。力はあるのだろうが動きが遅いので結局その力を振るうことも出来ずに倒すことが出来た。ただ、頭が豚なので食べられるかなと思い食べてみた。すると、脂がのっていて思った以上においしかった。そのため、オークが出たら迷わず狩るようにしている。


 オーガはオークと同じくらいの大きさなのだがその動きは速く、力もそれなりにあった。ただ、《地魔法ストレングスアップ》を使った僕よりは遅かったのでこちらも簡単に倒すことが出来た。そして、こちらのオーガも食べてみたのだが、肉が固くかみ切るのも大変だったのでその場で放置していくことにした。


 オークとオーガを解体してみるとその心臓部分の近くに魔石があることを発見した。その後トロールも同じ場所に魔石があったので人型の魔物は心臓の近くに魔石があるのかも知れない。それが、分かっただけでも収穫だと思い先に進んで行く。


 この迷宮のような通路を進んで行き四階まではトロールやオーク、オーガといった魔物ぐらいしか出てこなかった。所々に部屋があるのに何故か宝箱は一つも無かったが……。


 そして、五階に降りていくと迷宮のような通路は変わらなかったのだが、その通路はかなりの大きさになっていた。それこそ、ベヘモスぐらいが普通に通れるぐらいに大きいのだ。


(これった、それぐらい大きい魔物が出てくるって事を示唆しているよね)


 立ち止まっているわけにも行かないので広い通路の端をゆっくりと進んでいった。

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