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第81話

 7階層迄のダンジョン攻略を終えて家に戻ってきた。6階層でシーフモンキーに襲われた事以外は問題なく終わった攻略だろう。


「さて食事をしながら聞いてほしいんだけど、明日はもう10階層迄一気に進んでしまおうと思う。7階層迄だったけど、シーフモンキー以外は苦戦することは無かったからね。まあ、シーフモンキーの場合は逃げるから倒しにくいというのもあるけどね」


「シーフモンキーはやっぱり面倒だよね。ただ、今回のは思った以上にやっかいだったね。まさか、木の上から来るとかじゃ無かったからね。思った以上にシーフモンキーの頭は良いのかもね」


 カルラが今回遭遇したシーフモンキーを見てそう判断する。


「そうだね。まさか他の魔物を使役しているのか、操っているのか分からないけど指示を出していたのは間違いないだろうね」


「私、シーフモンキー嫌いだよー」


 今回、武器を取られたフィーナが泣きそうな顔で言う。


「まあ、今回はあのリンゴの木に皆が集中していたのが原因だよね。誰かが警戒していたらそうでも無かったのかもね」


 あの時、ダンジョンの木にリンゴが成っているなんていう不思議に遭遇してしまった為に皆が集中してしまった。その隙をシーフモンキーに突かれてしまった為にフィーナは驚き手にした武器を落としてしまったのだ。誰かが警戒していたらシーフモンキーの接近に気づいて防げていただろう。


「まあ、今日のシーフモンキーの事はもういいかな。それよりは明日からの8階層の話をしようか。8階層ではソードネイルウルフが出るんだっけ?」


「そうだよ。爪の攻撃で剣のように切れるからそう言われているみたいだね。まあ、それでも、あたいの盾を切ることは出来ないけどね。ただ、このウルフは群れないからね。だから対処はしやすいよ。面倒なのはブレイブベアかな。こいつは動きも速く、力も強いからやっかいだね。オークジェネラルよりは確実に強いよ。後は、空にいるアサシンイーグルだね。こいつは急降下するときもどういうわけか音が聞こえないんだ。だから、空を注意していない冒険者は突然首を切られて死ぬことが多いんだよね」


「なら、アサシンイーグルの対処の為には誰かが空を警戒してないといけないって事ですか?」


 マリアがカルラに聞く。


「まあ、そうなるね。前のパーティーではアサシンイーグルを見つけたら1人は常に警戒していたよ。まあ、8階層の魔物は基本的に1匹でうろついているからね。1人が空を警戒していても何とかなるんだよ」


「なるほど、分かりました」


 マリアが納得したように頷いたので次の階層の話をする。


「確か次の9階層はバーサーカーベアが出るんだよね。とても力が強くて、足も速い、単純な攻撃力ならオークキングよりも上で盾を持っていようが関係無しに吹っ飛ばすっていうベアだよね?」


「そうそう、こいつは9階層では断トツで強いね。ただ、目の前の獲物に集中するっていう弱点があるから誰かが囮となって側面から足を攻撃して転ばせて全員で頭を攻撃するっていうのが普通だね」


「ふーん、なら1度僕が1人で相手をしてみるよ。無理そうならカルラの言ったやり方でやってみよう。後はブレイブベアとアサシンイーグルも出てくる。シーフモンキーも当然のことながら出てくるんだよね」


「ああ、9階層ではそんなところだね。10階層になったら、バーサーカーベア、フレイムブル、アサシンイーグルにファイヤーボアがまた出てくるようになるね。10階層のボスにエビルジャガーが出てくるよ」


 カルラが10階層に出てくる。魔物について説明してくれる。


「その中ではフレイムブルとエビルジャガーの説明が必要かな?」


 僕が聞くとマリアがお願いしますと頭を下げる。


「フレイムブルはファイヤーボアと違って火を吐くのじゃ無くて身体を炎で纏っているブルだね。基本的に攻撃は突進しか無いけど、身体が炎で出来ているせいか武器での攻撃はしにくいね。基本的に水魔法で倒すことになるんだけど水魔法を使える魔法使いがいない場合は逃げる事が多いね。突進したときに避けてそのまま走って逃げるってやり方だね」


「炎を纏っているって言うけど、その炎を水魔法で消すことは出来るの?」


 僕がカルラに聞く。


「そうだね、消すことは出来るけど、炎が消えたら死んじゃうよ。どうしてかは知らないけどね?しかも、フレイムブルの肉は死んだときが一番美味しいよ。時間が経つとドンドン味が落ちていくんだよね。前のパーティーの時に食べたけど倒したその時に切り分けて食べたときが一番美味しかったね」


「それは楽しみだね。ブルの肉は美味しいから市場にあまり並ぶことが無いからね。倒したときはその場で食べようか」


「わーい、美味しいお肉楽しみ-」


 フィーナが無邪気に喜んでいる。


「なら、相手はフィーナに頼もうかな?」


「えー、無理だよー。私、水魔法使えないし」


「冗談だよ。流石に水魔法が使えないフィーナに倒せなんて言わないよ。後はエビルジャガーだけどこいつは3体出てくるらしいけど、その早さを見てからどうするかは決めるかな。


「ご主人、今度は10階層を何度も攻略するって事は無いよね?」


 カルラが恐る恐る聞く。


「いや、今回は攻略を優先しよう。そろそろ自由都市マルンに行きたいからね。この町は聖霊のダンジョンを攻略するために来ただけだから」


 カルラはホッとしたように息を吐く。


「じゃあ、1ヶ月以内に攻略出来るように明日も頑張ろう」


「「「「おー」」」」


 皆で気合いを入れて明日も頑張ろうと決めたのだった。

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