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第80話

 ファイヤーボアを倒した僕達は7階層で出てくるアーミードッグを探してダンジョンの中を探索する。


 7階層も6階層と同じで草原が広がっているのだがまばらだった木々が何故か並木道の用に続いていた。カルラ曰く、並木道を進んで行くだけで8階層にはいけるが絶対にシーフモンキーに遭遇するらしい。しかも、6階層では出てくるシーフモンキーは1体と言われているのに対して7階層では複数出てくるという。


 そのために、7階層ではシーフモンキーに会わないためにあえて並木道から外れて並木道が見える位置を平行して進んで行くという進み方が一般的らしい。


 僕達はそれを事前にカルラから聞いていたために最初から並木道から外れた場所を歩いている。うん、シーフモンキーは駄目だって、あれだけは出会いたくない。


「ご主人、あっちに岩山があるのが見えるかい」


 カルラが指さした方向にはまだ、距離はありそうだが岩山があるのが見えた。


「あの岩山の麓に8階層への入り口があるんだよ。因みに、アーミードッグはあの岩山の付近が一番多いって言うね」


「アーミードッグはこの7階層の門番みたいな役割でもしているのかな?」


「そんな事は無いかな。あそこの岩山の周辺に多くいると言うだけで草原にもいるからね」


 今回は8階層に行く予定では無いために草原でアーミードッグを探して見ることにした。


 そして、今度は6階層へと戻ろうとしたところで犬の遠吠えが聞こえる。


「ありゃ、これは思ったよりも近くまで寄られていたかな」


 カルラが言う。


「あの遠吠えは仲間への合図だからね。獲物を見つけたって言うね。で、近くに冒険者の姿が見えないって事は獲物はあたい達だろうね」


 カルラの言葉に僕は前に出る。そして、カルラに後方を注意して貰い、セシリアとマリアとフィーナを中央に配置してアーミードッグが来るのを待つ。


 少ししてアーミードッグが四方から勢いよく向かってくるのが見えた。


「「「《火魔法ファイヤースピア》」」」


 僕と、セシリアとマリアとで前面と左右に魔法を放つ。


 後方より向かって来ていたアーミードッグにはカルラが対処するだろう。火の槍をアーミードッグは横に躱したが、僕はすでに弓を魔法袋から出して構えていたので射る。アーミードッグはその矢を避けようとするのだが躱しきれずに右前足を負傷する。僕はもう1度《火魔法ファイヤースピア》を放ち前方から来ていたアーミードッグを倒す。


 左右のアーミードッグはセシリアとマリアとフィーナで仕留めていて、後方から来ていたアーミードッグもカルラが問題なく倒している。


「流石にこれで終わりってわけじゃ無いよね?」


「違うね。最初の4匹はあたい達がどう対処するのか、アーミードッグのリーダーが見るために囮になった奴だろうね」


 僕の言葉にカルラが応える。すると、今度は八方向からアーミードッグがやってくるのが見える。


「前方の三方向は僕が対処するから右の二方向をマリア、左の二方向をセシリアで対処し後方はカルラが対処して、フィーナはマリアとセシリアの方をフォローして」


 僕の言葉に皆が頷く。


「《地魔法アースウォール》」


 僕は前から来る1匹の目の前に土の壁を作り見えないようにを作る。しかし、吠え声が聞こえると前方から来ていた3匹は動きを変えた。何と、僕の作った土の壁に3匹が入り姿を隠す。そして、3匹同時に同じ場所から現れて僕の元に向かってくる。


 僕は剣を構えて3匹を待ち構える。と、3匹が目の前で消える。


 実は相手が壁に隠れていたときに地魔法で地面に穴を掘っていたのだ。それを軟らかい土で覆っておいた。それをアーミードッグのリーダーも見えていなかった。そのために3匹は僕の落とし穴に落ちてしまったのだ。


「《地魔法アーススパイク》」


 僕は土の杭を作りアーミードッグを串刺しにしてとどめを刺す。


(僕の落とし穴が見えていなかったって事は僕の正面にアーミードッグのリーダーがいるって事かな)


「前方にアーミードッグのリーダーがいるみたいだから一人で向かうからフィーナは僕の代わりに前面を支えて」


「うん、わかった、お兄ちゃん」


「《地魔法ストレングスアップ》」


 僕は身体能力の上げて走り出す。その時にもアーミードッグはこちらへと向かってくるが僕はそれを剣で切り倒しながらそれでも速度を落とさずに走って行く。


 しばらく走ると小さな岩の上に普通のアーミードッグより大きいアーミードッグが鋭い目をしてこちらを睨んでいる。その岩の周りにはまだ数匹のアーミードッグがいた。


 岩の上のアーミードッグが吠える。その声に反応して岩の周りにいたアーミードッグが群がってやってくるが僕はそれを切り倒しながらリーダーに向かって走る。


 手下達では倒せないリーダーが今まで一番大きく吠えると向かってくる。今まで相手をしたアーミードッグに比べると早いのだがそれでも、直線的な動きな為か避けるのは簡単である。僕はアーミードッグの牙による攻撃を横に逸れて躱し、すれ違うときにその後ろ足を切り落とす。


 リーダーは地面に倒れる。リーダーは地面に倒れたままそれでも僕の方を睨んでいたが起き上がることも出来ずに僕はその首を切り落としてその命を絶つ。


 僕がリーダーや他のアーミードッグから魔石を取っているとセシリア達がやって来た。


「ご主人様、リーダーはどうでしたか?」


「んー、普通かな。大きいだけのアーミードッグって感じだね。一対一なら誰でも勝てるだろうね」


「それはそうだよ。強さだけならハイオークより弱いからね。アーミードッグは数頼みだからね。その数がやっかいなんだけどね」


「まあ、その数もあれぐらいなら対処は出来るかな。よし、それじゃあ、今日は戻ろうか。並木道は避けて6階層への方に戻ろう」


 そうして、戻っている最中にとシーフモンキーがアーミードッグに乗って向かって来たが魔法でサクッと倒してその日はダンジョンを出たのだった。

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