閑話3
フレイ達がダンジョンの5階層でオークキングを相手に連携や個人の経験を積ませるという作業をしていたときに神々がいる神域で、私、フォルティナがそれを見て微笑む。
「フォルティナ、どうしたのだ。地上を見てニヤニヤして、何か面白い物でもあったのか?」
「ニヤニヤって、ただ、最近のフレイの行動を見ていて頑張っているなと思いましてね」
「フレイ? ああ、あの加護を与えた者か。わしもたまに見るが余り面白みが無いな。今まで神具を手に入れた者は王になることが多かったのだがな」
「昔は王になるには神具が必要なんていう掟を人族は作っていましたね」
「あの頃は、試練のダンジョンに挑む者も多くて面白かったな。今では北の試練のダンジョンは誰も寄りつかなくなった為に氷に閉ざされ、南の試練のダンジョンも忘れ去られて樹海に埋もれてしまっているからな」
昔は面白かったとソルテールが思い出しながらニヤニヤする。
「北の試練のダンジョンは千年前に突破されてから、どうして次に突破する人がいなかったのか今でも不思議よね」
「千年前といえば、アルス達の奴だな。確かあの時は今までと違い5人でやって来たんだったな」
「そうですねぇ。それまでは試練を突破しても、王族の者しか入れないと結局1人しか入ってきませんでしたよね」
「アルス達は何故試練のダンジョンの事を自分の子供達に教えなかったのか。まあ、アルスの子孫は中心の試練のダンジョンを攻略してしまったがな」
「アルスが子供に教えなかったのは、神具の力が大きすぎて力に溺れてしまいそうだと思ったからだそうよ」
その場にソルテールと私以外の声が発せられる。
「あら、エルナスティ帰って来ていたのね。どうだったの他の世界への研修は?」
「まあ、今回は余り発展してない世界だったから余り見る物は無かったよ、お母様」
「エルナスティ、よく戻った。ところでアルスが子供に教えなかったなんて何故お前が知っているんだ」
「お父様は忘れたのですか? アルスの使っていた神具は私の神具よ。加護を上げたのは私なの。だから見ていたときに全然子供達にダンジョンのことを話さないから一度聞いてみたことがあるんだよね。その時にそう言ってたからね」
「なるほどな。しかし、アルスが教えなくてもあの時は他に4人いたのにそいつらの子供も来なかったよな」
ソルテールは他にもいたのに何故誰も来なかったのか疑問に思ったようだ。
「ダンジョンがあったのがアルスの治めていた帝国だったからじゃない。アルスの奥さんも神具持ちだったから流石に難しかったと思うけどね。流石にアルスが死んだ後のことは私は知らないけどね」
「そうか」
「ところで、お父様とお母様は何を見ていたのですか?」
「見ていたのは私の加護を与えた者の様子を見ていたのですよ」
「えっ、お母様の加護をって事は中心の試練のダンジョンを攻略した者がいると言うことですか」
エルナスティはとても驚いていた。
「そうなのよ。しかもたった1人でグランちゃんを倒したのよね」
「え、人族にグランおじさんを倒せたんですか?」
「まあ、昔にかなり傷を負っていたから仕方なかったのかも知れないけどね」
「いや、それでも、グランおじさんを倒せるなんて普通は無理よ。じゃあ、今はアークおじさんが中心のダンジョンにいるのかな。グランおじさんはどうなったの、お父様?」
「グランなら今は転生して幼体になっているな。大きくなるには二千年は必要だな」
「そういえば、そのグランちゃんを倒したのは貴方が加護を与えたアルスの子孫なのよ」
「へえ、アルスの子孫なんだ。これからしばらくは私もお母様とみていようかな」
「まあ、それは好きにしたらいい。わしは面白いとは思わないがな」
「フレイちゃんはこれから色々やってくれると思いますけどね。今はその準備期間と私は思っているわ」
「フレイっていうんだ。お父様を満足させる程の活躍をしてくれるのかな。最近は退屈していたみたいだから」
そうして、3人はフレイ達の行動を見て楽しむのだった。
北の試練のダンジョンと死の森のダンジョンは同じ大陸にあり、南の試練のダンジョンは違う大陸にあります。
エルナスティはソルテールとフォルティナの間の子供で戦の神であったりします。
北の試練のダンジョンと南の試練のダンジョンで得られる神具に五大神の神具は無く。それ以外の神達の神具しかありません。