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第74話

 オークの解体をマリアとフィーナにさせるために3階層へと向かう。


「さて、フィーナは3層ではオークが出ると話したけど他には何が出てくるか聞いてる?」


「え、正直、ダンジョンでどんな魔物が出るとか聞いてないんだけど」


 フィーナはダンジョンの予習をしては来なかったらしい。


「じゃあ、マリアは聞いてる?」


「はい、3階層はオークとハイオークの2種類が出ると聞いています。4階層でオークジェネラルがハイオークとオークを引き連れている。5階層ではオークキングがボスが控えているというのをカルラさんから聞いています。6階層へはまだ行かないだろうからと6階層からの魔物の話は聞いておりません」


 マリアはちゃんと事前にカルラに教わっていたみたいだ。


「今はそれで十分だよ。フィーナは帰ったらカルラかマリアにダンジョンの魔物の情報を聞いておくことを忘れないように、明日はダンジョンに行かないからちゃんと勉強をしておいてね」


「あう、それは必要な事なの、お兄ちゃん?」


「必要な事だね。一緒にダンジョンに行って貰うと言った以上は事前にそれを調べておくのは重要だとは思うけどね。毎回それが出来るとは限らない。ダンジョンの情報はお金になるからね。基本的には冒険者ギルドでお金を払って情報を買う物なんだ。ただ、僕達にはカルラって言う経験者がいるからそれが必要なかっただけだよ。戦う以上は相手の事は調べておいた方が対処はしやすい」


 僕はそこで一呼吸をつく。


「まあ、フィーナは最近まで国の王女様だったからそこまでは必要じゃ無かったのかも知れないけどね。今では王女では無くなったんだから色々覚えることが多いよ。カルラもマリアもセシリアもフィーナより色々知っているから積極的に聞いて覚えていくようにね」


「ぷう、分かりました」


 フィーナが頬を膨らませていやいや了承する。


 話が終わってオークを探すためにダンジョンを歩く。しかし、どういうわけか3層を歩いていてもオークやハイオークに出くわさなかったので諦めて4階層へと向かうことにした。


「まあ、オークジェネラルは僕が引きつけるから、ハイオーク達はカルラ達で倒してね」


「ちょっと、待った、ご主人。オークジェネラルはあたいにやらせて貰えないだろうか」


 カルラが僕に言ってくる。


「それは構わないけど、どうして?」


「ご主人に教わった魔法を試して見たくてね。1回は魔物との戦いで経験しておいた方が良いと思ってね。オークジェネラルはちょうど良いからね」


 カルラは習得した魔法を使っての魔物との戦いを経験しておきたいらしい。


「確かにそれは必要だね。分かった、なら最初のオークジェネラルはカルラにお願いしよう。まあ、今回はオークやハイオークの解体を教えるのが目的だからサクッと倒してくれて良いからね」


「ああ、分かってるさ。あたいも試しておきたいだけだしね」


 そうして、4階層でオークジェネラル達を探して進んで行く。すると、オークジェネラル達がダンジョンを警戒しながら進んでいるのを見つける。


「じゃあ、オークジェネラルはカルラに任せてそれ以外を僕達で倒そう。セシリアとマリアは魔法を使っても良いけど、魔力は込めすぎないで狙うのは頭だけね。フィーナはまあ、適当にだけどカルラと同じように昨日教えた魔法を今度は使ってみようか」


「「「分かりました」」」


 セシリア達が各々頷く。


「《地魔法ストレングスアップ》」


 カルラが魔法を使う。魔法の光がカルラの身体を包み込む。そして、カルラはオークジェネラルへと突進していく。


「おっと、他は僕らでやらないとね。下手するとカルラが全部倒しちゃうかも知れないね」


 そうして、フィーナも魔法を使いハイオークへと向かって行く。僕もハイオークへと向かう。残っているオークへはマリアとセシリアが魔法で仕留めていく。


「はああ!!」


 カルラが気合いを込めてオークジェネラルに切り込む。オークジェネラルもカルラに向かい剣を振り降ろすがカルラはそれを盾で防ぐのでは無く身体をずらして避ける。そして、オークジェネラルの手を盾で叩き剣をたたき落とす。


 オークジェネラルは剣を握っていなかった手で殴りかかってきたがカルラはそれを剣で弾き返し、そして、オークジェネラルの首に剣を突き刺してオークジェネラルを仕留める。


「やっぱり、魔法を使うと楽になるねえ。オークジェネラルの動きだって見てからでも避けられたからね。もっと練習して使える時間を増やしたいかな」


「まあ、それなら魔法を使って練習して魔力を増やさないといけないね。それがカルラの課題だね。けど、いきなり増えるなんて事は無いから焦らないようにね」


 それに、カルラが大きく頷く。


「フィーナもストレングスアップはちゃんと使えてたみたいだし。それじゃあ、今日の目的の解体をしてみようか」


 そうして、オークの解体を始める。セシリアとマリアは一緒に1体のオークを解体し、カルラとフィーナは一緒にハイオークを解体する。


 そして、マリアは解体を飛び出す血や内臓などを気にせずに解体を進めて行く。しかしフィーナは飛び出す血は気にしなかったのだが内臓などは駄目で、それを見ただけで何度か吐いたりしていた。


 結局、1体を解体するのにマリアの時間よりもかなり時間がかかってしまった。


「うう、これはやらないと駄目なの~」


 フィーナが泣きながら言う。


「これは冒険者に必須だといったよ。だから、これも魔法と一緒で慣れてね」


「まあ、最初はきついよね。あたいも最初は吐きながらやってたよ。でも、回数をこなしていけば嫌でも慣れるからね。今では気にならなくなったよ」


 カルラも最初は辛かったと自分の経験を語る。


「最初はそうですよね。私も村では男が捕まえてきた獲物の解体は女の仕事でしたからもう慣れましたけど」


 セシリアも子供の事からやっているらしくすでに慣れてしまったと言う。


「うう、結局やらないと駄目なのね」


「慣れるまで回数をこなそう。それしか無いからね。さて、今日は後1回ぐらい戦ってから帰ろうか」


 そうして、オークジェネラル達と戦って、解体してから帰路につくのだった。

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