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第72話

 カルラとフィーナに魔法の特訓の仕方を教えて数時間かけてカルラもフィーナも《地魔法ストレングスアップ》を使えるようになった。しかし、まだ慣れていないのか、それとも、魔力が足りないのか。持続力はそこまで無く、今のところは10分も持てば良い方となっていた。


「流石に、魔力量はすぐすぐには増えないからね。それは時間をかけて増やすしか無いね」


「というか、どうやって増やすのか分からないんだけど、お兄ちゃん」


「魔力は使うことで増えるよ。1日に増える量は微々たる物なんだけどね。継続していけばそれなり増えるよ。いきなり魔力量を増やすなんて事は無理だから毎日ダンジョンで魔物と戦う時に使っていこうね」


 カルラとフィーナが頷く。

 

 2人は魔力を使い果たして座りこんでいる。外はもう日が暮れようかとしているところだった。座り込んでいる2人をみていると家からマリアが出てきた。


「そろそろ、夕ご飯が出来ます。そういえば、旦那様この家にはお風呂はありませんでしたよね」


「流石に民家にお風呂なんて無いよ。貴族の家ならまだしもね。この町には公共の浴場があるからお風呂に入るにはそこに行くしか無いよ」


「分かりました。では、明日にでもその浴場の場所を教えてもらえませんか。流石に皆さん、沐浴だけでは綺麗になったか分かりませんから」


「そう言う物なの?なら、明日はダンジョンに行った後にでもその公共浴場に行こうか。ところで、2人は歩けそう?」


 座り込んでいた2人は何とか立ち上がり歩き出す。


「すごく身体がだるいんだけど、どうしてなんだ?」


「それは、魔力を使いすぎたときに起きる症状だね。しばらくは動くのも辛くなるよ。けど、ご飯が出来るから動こうね。後、その感覚は知っておくようにね。どれくらい魔法を使えばそう言う状態になるのか身体で覚え込む為にね。流石に戦闘中にそんな状態になったら死ぬからね」


 僕は入り口の方にマリアと歩き出す。その後ろをゆっくりとカルラがフィーナの肩を借りて歩き出す。フィーナの方はまだ余裕があるみたいだった。


「フィーナはまだ動けるんだね。羨ましいね」


 カルラが言うと


「かなりしんどいけど何とか動けるよ。もう1回魔法を使ってたら動けなくなっていたかも」


 フィーナとカルラは同じように魔法を使っていたので魔力量的にはフィーナの方が少し多いらしい。フィーナは3属性の魔法を使えるのでその影響も関係しているのかも知れない。


 僕はそれを横目で見て観察しながら家の中へと入る。


(まあ、あの2人には連携を覚えて欲しいから訓練は2人一緒にやった方が良いよね)


 そんな僕の思いを知らずに2人は支え合って家へと入る。家の中に入るとセシリアがタオルを渡してくれたので汗を拭い、手を洗ってから食堂へと向かう。


「今日のお肉は何のお肉を使ったの?」


 僕がセシリアに聞く。


「ご主人様から、食材に関しては好きに使って良いと言われましたので試しにアースドラゴンのお肉を使ってみました。上手に出来たと思うのですが」


 セシリアは自信がなさげに言うが食べてみると僕が作ったよりは美味しく出来ていた。


「これはとても美味しく出来ていると思うよ。マリアも手伝ったのかな?」


「私が手伝ったのは肉を切ったりといったことだけで味付けに関してはセシリアさんがされました」


 セシリアが少し照れたように頬をかく。


「本当に美味しいよセシリアお姉ちゃん。今までこんな美味しいお肉食べたこと無いや」


 フィーナが貪るように肉を食べていた。カルラも黙々と肉を食べている。2人ともよほどお腹が減っているのか肉が無くなるとおかわりまでして食べている。


「どれくらいの量の肉を焼いているの?」


「えっと、おかわり出来るのは後1回です」


「フィーナもカルラもおかわりは残り1回だから急いで食べるんじゃ無くて、ちゃんと味わって食べなよ」


「!!」


 僕が声をかけると2人していきなりびっくりしたように動きが止まり、その後に自分の胸を叩く。どうやら、驚いた時に喉に詰まらせたらしい。それを見て、マリアとセシリアが水を用意して背中を叩いたりして何とか解消させる。


「急いで食べるからだろう。もっと、ちゃんと味わって食べなよ」


「分かりました~」


 フィーナが何とか返事をして、カルラも頷く。


「ところで、マリアはどれくらい魔法の練習は出来ているのかな?」


「マリアさんはファイヤースピア、ファイヤーウォールを中心に訓練しています。流石に爆発系の魔法は味方がいる場合は使いにくいので教えていません。水魔法は攻撃系統の魔法が少ないので、ウォーターウォールの壁魔法を教えたぐらいです」


「今度、爆発系の魔法も教えておいて、もし1人で魔物に囲まれた時とかに必要になるからね」


「分かりました。そういえば、ご主人様は爆発系の魔法は使わないですよね。どうしてですか?」


「そんなの使ったら肉も駄目になるし、毛皮や下手したら魔石も無くなるかも知れないから普段は使わないよ。そういえば、マリアもフィーナも解体はしたこと無いよね」


「すいません、流石にありませんね」


 マリアが返事をしてフィーナは首を横に振る。


「なら、明日はオークのいる階層迄行って解体の練習をしようか。冒険者にとって解体は必須技能でもあるからね」


「分かりました」


「分かった、お兄ちゃん」


 マリアとフィーナが返事をする。マリアは解体と聞いて顔を曇らせていたのでそれが大変なのは分かったいるのだろう。それに引き替えフィーナはよく分かっていなさそうだった。


「じゃあ、今日はゆっくり休んで明日に備えようか」


 そして、それぞれ明日に備えて休むのだった。

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