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第67話

 庭に出てマリアとフィーナの魔法の適性を見る。


「今から、君たちに各属性の魔力を流すからそれを感じ取れた物だけ教えてね。適正のないものは感じ取れないからね」


「はい、分りました」


 マリアが返事をする横でフィーナが嬉しそうに頷いている。


「フィーナはとても嬉しそうだね」


「だって、魔法が使えるようになるんですよね。今まで使えなかったから楽しみだなって思って」


 フィーナは魔法が使えるようになるのが嬉しいようだ。


「といっても、適性が無い限りは使えないからね。ほとんどの人が1つ以上はあるらしいんだけど、無い人もいるらしいから」


 僕の言葉にフィーナの顔が曇る。


「だからこそ、魔法適性を調べるんだけどね。じゃあ、やろうか」


 そうして、マリアとフィーナの魔法適正を調べる。


「マリアは火魔法、水魔法だね。フィーナはおかしくない?風魔法、地魔法、闇魔法って、闇魔法を覚えている人って少ないよ」


「でもでも、お兄ちゃんも使えるんでしょ」


「僕は、ただ親から魔法の適正を受け継いでいるからね。でに、フィーナの親は普通に人族だよね? エルフ族って訳でもないよね?」


「私のお父様とお母様は人族ですよ」


「まあ、そうだよね。エルフの子供なら全属性の適性を持っているからね」


 マリアが自分の手をじっと見ている。


「どうしたの、マリア?」


 マリアが僕の方を見る。


「いえ、もし、魔法が使えたのならお城から無事に逃げることが出来たのかなと思いまして」


「まあ可能性はあったと思うけど、難しいんじゃ無いかな。相手は騎士団だったらミスリルなどの魔法耐性の高い鎧等を身につけていただろうからね」


「そうですか」


 マリアが少し寂しそうな顔をする。


「それじゃあ、今日はこれからマリアとフィーナの家具等の荷物を買いに行こう。マリアとフィーナは部屋は別々が良い? それとも一緒が良い?」


「私は、マリアと一緒が良いです」


 フィーナが一緒の部屋が良いと答える。


「そうですね。私もお嬢様と一緒だと助かります」


 マリアもフィーナと一緒の部屋を望んだ。


「分かった。なら部屋は一緒の部屋にしよう。じゃあ、家具を買いに行こうか」


 そして、皆で家具や食料品、衣類などを買いに行く。


 そして、夕食の時間にまたこれからの事を話す。


「さて、これからなんだけど、1週間はマリアとフィーナの訓練に時間を当てようと思う。マリアとフィーナはこれから、1週間かけて自分に合った武器を選ぶのと魔法の訓練だね。その後はダンジョンの1階層に行ってゴブリン相手に魔物とはいえ生物を殺す訓練をする」


 マリアとフィーナが僕の殺すという発言に息を呑む。


「相手はこっちを殺す気で来ているから戸惑っていたら自分が死ぬよ。だから、その時が来たら迷わないように」


「お兄ちゃん、やっぱりダンジョンに行かないとダメ?」


「駄目だね。僕が君たちを奴隷として買った理由の一つだもの。僕のパーティーメンバーとして一緒にダンジョンに行って貰うから。これは、昼にも言ったけど君たちの為でもあるからね」


「それは、分かるけど・・・」


 フィーナが顔を曇らせる。


「マリアは大丈夫? 生き物を殺すことになるけど」


 僕はマリアに聞く。


「大丈夫です。それは、生きていくためにはしないといけないことですから、最初は慣れないかも知れませんが」


「当たり前だよ。最初から殺すことになれている人は何処か壊れている人だ。だから、最初はゴブリン相手に慣れてもらうからね」


 マリアが頷く。


「それじゃあ、武器を選ぼうか。さっき、武器屋で色々買ってきたからどれがしっくり来るか試してみてね」


 そうして、マリアとフィーナが各々武器を振り回したり突いたりして確かめる。


 そうすること1時間程経って選んだのがマリアは杖でフィーナが槍だった。


「フィーナは槍なんだ」


「うん、何か知らないけどこれが扱いやすいんだよー。どうしてかな?」


「フィーナ様のお父様である国王様は槍の扱いでは王国で1番でしたから、フィーナお嬢様はその才能を受け継いでいらっしゃるのでしょう」


 マリアが説明してくれる。


「なるほど、でもフィーナが槍を使えるとバランス的には助かるかな。マリアは杖というか魔法を主体に戦う感じかな?」


「そうですね。そうして貰えると助かります」


「なら、マリアは火魔法を中心に覚えようか。セシリアも魔法は使えるからまず、セシリアと一緒に訓練しよう」


「分かりました、では、火魔法を中心に教えれば良いのですね。ところで、水魔法はよろしいのですか?ご主人様に以前教えて頂いた魔法であれば強いと思いますけど」


「最初は火魔法からだね。水魔法は水を生み出す魔法だけ教えればいいよ。生活する上で必要でもあるからね。アイスメイクは風魔法とセットなところがあるからね。そっちはフィーナを鍛えてから教えるのがいいかもね」


 セシリアが頷きマリアの方を向く。


「それでは、マリアさん早速魔法の練習をしましょうか。最初は基本的な事からやっていきますので大丈夫ですよ」


「セシリアさん、よろしくお願いします」


 マリアはセシリアに頭を下げて2人で別の場所に移動する。


「さて、フィーナに関してだけど槍なんだよね。僕が使うのは剣だから教えられないんだよね。カルラは教えられる?」


「あたいも槍には詳しくないよ。でも、才能があるって言うんなら槍を毎日振るうのでもやればいいんじゃないのかい?」


「まあ、そうだよね。カルラは槍の基本的な攻撃の仕方はわかる?」


「まあ、基本的な事は分かるけどね」


「なら、カルラに基本的な槍の動かし方を習って、それを毎日・・・そうだね、最初だから100回は素振りをしよう。それを徐々に増やしていこうか」


「分かった、お兄ちゃん。カルラお姉ちゃんよろしくお願いします」


「あ、ああ、よろしくな」


 そして、カルラがフィーナにその場で槍の動かし方等を教える。僕はそれを見てからもう1度寝るために家に戻った。

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