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第58話

 次の日もダンジョンに向かう。4階層迄は問題なく進みその4階層でオークジェネラルを相手にセシリアがどれくらい戦えるのか見てみることにした。


「えっと、私は戦うには結構厳しいと思うのですが、私は弓と魔法による援護を主体としているのですが」


 セシリアが弱気になりそんな事を言ってくる。


「僕は一対一なら勝てると思うけどね。というよりオークジェネラルぐらいは一人で倒せるようにあって欲しいかな。援護主体だからってオーク2体は問題なく倒せるわけだからね。カルラはセシリアではオークジェネラルは倒せないと思う?」


「セシリア姉でもオークジェネラルぐらいなら倒せるんじゃないかな。昨日のオークを倒したエンチャント魔法を使えば余裕があると思うけどね」


「ああ、そういえば昨日は僕も魔法を使ってオークジェネラルを倒したな。よし、最初は僕が相手をするから、セシリアは魔法無しで戦ってみようか。無理そうなら魔法を使ってね。倒し方としては弓で目を狙ってつぶしてから足を剣で切ってから転ばす。そして、首を切り落とすっていう感じでいけば十分戦えると思う」


「魔法無しですか。危なそうな時は使っても大丈夫ですか?」


「その時はもちろん使って良いよ。流石に命には代えられないからね」


 4階層を進んで行くとちょうどオークジェネラルとハイオーク、そしてオークという各1体ずつの魔物と遭遇した。


「ちょうど良いね。僕がオークジェネラルでセシリアがハイオーク、オークはカルラにに頼もうかな」


「分りました」


「あいよ」


 セシリアは少し緊張したように、カルラは軽く返事を返す。


「それじゃあ、行こうか」


 僕の声で三人が飛び出してオークジェネラル達に向かって走って行く。


 「はっ」


 カルラが剣を1閃して一撃でオークを仕留める。


 セシリアは弓を構え放ち片目を潰すと剣で片足を切りつける。ハイオークはその巨体を支えることが出来ずに仰向けに倒れる。それを見てセシリアは剣で首を切る。流石にセシリアの腕では首を切り落とすことは出来なかったがそれでも半分まで切ることが出来た。そのためにハイオークは息絶えたのだった。


「ふぅ」


 何とか倒せたことに大きく息を吐くセシリアをカルラが親指を立てて健闘を称える。そして、二人はフレイの方を見る。


 僕は最初にオークジェネラルが振り下ろしてきた剣を後ろに下がりつつ避ける。オークジェネラルはその巨体に似合わない動きで剣を切り上げるが僕はそれを今度は横に身体をずらして避ける。

 

 僕はオークジェネラルの動きを見るためにあえて攻撃を仕掛けなかった。死の森などでは魔物が他の魔物に仕掛けるのを見て動きなどを見ていた。流石に前回のやられそうなパーティーの時はそこまでの余裕が無かったために動きを見るよりも倒すことを優先した。今回は一対一なので余裕があるし、この後にセシリアに相手をしてもらうためにオークジェネラルの動きを見せるという事を優先する。


 それから、何度かオークジェネラルからの攻撃を躱してから、もう十分見せただろうと思い倒すために動きを変える。今回のオークジェネラルは前回と違い金属の脛当てををしているためにその足を切って転ばせるという戦い方は難しい。


(まあ、関節などは狙えるけど今回は違うやり方で倒しますか)


 中々倒せないことで苛ついてきたであろうオークジェネラルが剣を出鱈目に振り回して迫ってくる。僕はそれを避けるのでは無く今度は剣で流して行く。そして、攻めきれないオークジェネラルが怒りにまかせて剣を大きく振りかざしたときに、僕はオークジェネラルの懐に飛び込みオークジェネラルの足を踏み台に飛びその首に剣を突き刺す。


 オークジェネラルはその攻撃で命を狩り取られ剣を落とし後ろに倒れていく。


「ご主人はすぐに倒せたのに倒さなかったのはオークジェネラルの動きをセシリア姉に見せるためだったのかもね」


「そうでしょうね。ご主人様、本気で私1人でオークジェネラルを相手させようとしてますよね。ま、まあ、剣の振りは早いですけどよく見れば対処できないことはなさそうだけど」


「セシリアはちゃんと見てたよね?」


 セシリアが頷く。


「次は1人でやってもらうけど思ったより剣の切り返しが早かったから魔法を使っても良いよ。ところで、《地魔法ストレングスアップ》は使っているよね?」


「いえ、使ってません。使うと《風魔法エンチャントウインド》が使えないので……」


「え……」


 僕はセシリアの言葉に驚きを隠せなかった。


「そうか、出来ればそれは同時に使えるようになって欲しかったけど、魔法操作の練習をしないといけないね。魔法操作の訓練をしないといけないね。まあ、とりあえず、今回は《地魔法ストレングスアップ》を使ってオークジェネラルを倒してね。冷静に相手の動きを見れば大丈夫だから」


「分りました……」


「それで、あたいは何を練習すれば良いのかな?」


 セシリアに練習するべき事を言ったためかカルラが自分も何か練習するかを聞いてきた。


「カルラは魔法が使えないよね?」


「あ、ああ、あたいは魔法を使えないけど……」


「なら、剣の練習だね。腕や足を無くしてた時があるからか動きが少しぎこちないからね」


「あ、やっぱりそこに気づくんだね。ごまかせていると思っていたんだけど」


「僕も剣を使うから流石にね。まあ、カルラは魔物との戦闘を数をこなせば動けるようになるだろうね。さて、解体をしてオークジェネラルを探しに行こうか」


 そして、倒したオークジェネラル達を解体してまた探しに4階層を進むのだった。

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